- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784797341379
感想・レビュー・書評
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数論がテーマだった。差分と微分の対応関係など興味深い。よくある数列の触りかと思いきや、想像以上に深いところまで飛び込んでくれたので、思い切り堪能させてもらった。数学する楽しさ、厳しさと、その世界での舵の取り方もさらりと語ってくれる。数学探求が物語になることを著者は証明した。さすが賞を取るだけのことはある。結城浩さんが何者なのか、すごく気になった。
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正直、出てくる数式はわからないものが多くて、ミルカさんについていくことはできなかった…でも、テトラちゃんがひとつずつ順を追って理解していくところや、疑問を発する場面で、物事を考えて理解するプロセスや、学ぶことの楽しさを感じながら読み進めることができた。
具体例で考えること、そこから一般化すること、それらを行き来することって、数学に限らず大事なことだなぁというのが心に残った。 -
平成30年3月の特集「数学っておもしろい!」
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テトラちゃん好きです。へっへっへ。
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第3章「ωのワルツ」までは軽々と読めたが、その後は驚きの連続だった。特に第9章「テイラー展開とバーゼル問題」で、ζ(2)の値が求まったときは、テトラちゃんではないが、「な、なんでっ!い、いつのまに!」と言いたくなった。最後の第10章「分割数」は、式を追うだけで精一杯。
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読んでいて数学に淡い恋心が湧いてくる。本当に恋した時のような甘美なドキドキ感と、難解さへの歯痒さや苦しさもどかしさまで湧いてくる。
学生の頃に読んでいれば、もっと数学を別の見方ができて、私も楽しめたのかもしれない。ただの受験マシーンとしての勉強ではなく、学問として楽しみたかったなと悔しくもなる。 -
数学の解説書というとBlue backsのような読み物形式のものや漫画でわかるとか、そうでなければきちんとした数学の教科書であるかで、その中間、つまり、読み物形式でちゃんとした数学の本というのはあまりありません。
そんな中でも小説と数学の解説書をうまく融合させたこの「数学ガール」はとても特異な本であることがわかります。
この本は基本的にストーリー形式で進みます。主人公は高校生の「僕」(名前は出てきません)高校初日で出会った才女「ミルカ」、後輩の「テトラ」やいとこの「ユーリ」ら数学ガールと共に学校生活の中で数学に取り組んでゆきます。
主人公の相方的な存在であるミルカは高校生ながら国際学会でも発表する超天才。
わー、さすが「おはなし」だと思うことなかれ、
実際に中学生で大学生に混じってセミナーをしたり、高校生にして一流のプログラマーとして活躍した河東先生(東大教授)などもいらっしゃる。現実は小説よりも奇なり。
ちなみに河東先生の講演を一度拝聴したことがありますが、とてもわかりやすく門外漢(河東先生と私では専門が違う)でも非常に楽しめるものでした。
閑話休題
さて、本の内容は結構本格的。
最初は高校生で習う数列から級数そして最後は一気にリーマン予想(!)までステップアップしていきます。(リーマン予想は数学界では超有名な予想で100万円の賞金がかけられています。詳細は、一松 信 他「数学7つの未解決問題」森北出版株式会社(2002)等を参照。この本は結構難しめに書いてあるので注意)
シリーズ化されていて、本編の5冊と番外編の8冊が出ています。本編は最新数学の話題を含んだ本格派の内容になっています。本編は難しすぎる!もっと基本的なところが知りたいという人には。番外編の「秘密ノート」シリーズをお勧めします。こちらは中学、高校の数学を物語形式で学ぶことができます。
作者は知る人ぞ知る有名プログラマーで他にもいくつかの解説書を書いています。
興味のある方は「結城 浩」で検索。
「数学ガール」は数学と小説が好きな人にオススメの一冊です。
(ラーニング・アドバイザー/ IIJIMA)
▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら
https://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?bibid=1362679 -
配置場所:摂枚普通図書
請求記号:410.4||Y
資料ID:50700243 -
数学を通して描く男女3人の青春。数学的内容は大学レベルまで包括されている。才女ミルカの無駄が無く意外性に満ちた解説、元気少女テトラの根本的な質問内容のバランスがよく、読んでいて簡単すぎず、難しすぎず、飽きること無く読めた。
これまで、中学生の時と高校生の時に挑戦したが、どちらも内容が難しくて理解できず、最後まで読めずにいた。
大学生になり、最後まで理解して読むことができて、なかなか感慨深い。