争うは本意ならねど ドーピング冤罪を晴らした我那覇和樹と彼を支えた人々の美らゴール

著者 :
  • 集英社インターナショナル
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797672015

感想・レビュー・書評

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  • ひどい、Jリーグ。我那覇を返してくれって言いたい!

  • 冤罪を晴らすために懸命に動いた人々。そこに私利私欲はなく、信念。
    組織も関係ない。

    信念をもった人たちがつながり環となって、力を合わせていったことは、思わず涙が出そうになる。

    この問題は知っていたがただ傍観していたことを情けなく思う。
    報道を鵜呑みしているだけだった。

  • 体調不良のため、ごく普通の治療を受けた我那覇選手が、サンケイスポーツの誤報をきっかけにドーピング違反者に仕立て上げられてしまった事件を克明に描いた作品。筆者の取材力が凄くて、連絡協議会のディベートの内容まで細かく書かれている。腐敗していたJリーグの構造、我那覇選手のために立ち上がった人々の思いなど、いろいろなものが見えてくる。

  • 2012.5.17読了。

    当時、報道でチラリとだけ知っていた。・・本当にチラリと、ごくごく一部だったんだな、と。こんなことが繰り広げられていたなんて。Jリーグは腐っているのか?マスコミを信じられないのも哀しい現実だ。
    我那覇選手、ドクター、チームメイト、サポーター、仲間たち・・彼らの争いは本意ではなかったけれど、勇気ある、愛ある彼らの争いは真実を物語っていた。チラリとしか知ろうとしなかった自分が情けなくも思えた。読んでよかった。

  • 昨日の夜から読み始めて、一気に終わってしまいました。涙・涙のノンフィクションです(久々にノンフィクションで泣いたw)

    元川崎フロンターレの我那覇選手のドーピング疑惑とその後のスポーツ仲裁機構での完全勝利を詳細に追ったドキュメンタリーです。本を読むスピードは比較的ゆっくりな方なのですが、ほぼ一晩で集中力を持って読むことができました(この辺は筆の力なんでしょうね)

    サッカーに関わる皆さんはもちろんのこと、スポーツに関わる皆さんは是非読んで見てください。アンチ・ドーピングというのは、聞いたことはあるけどそこまで詳しくないというのが正直なところではないでしょうか。本書はひとつのケースではありますが、全体像をある程度学べますし、スポーツ団体(NFやリーグ)のガバナンスについても考えるきっかけになると思います。

    こういうことを書くと誰かに怒られることもあるのかもしれませんが、まぁそんなリスクはヘッジする必要性もないぐらい小さいので、声を大にして推薦します。スポーツに関わる人は全員読むべし(2012.05.06読了)

  • 我那覇!ぜひともJに戻って来て欲しい。陰ながら応援させてください。一愛媛FCサポとして祈ってます。元愛媛FCの友近氏も重要な役割をしていたことも初めて知った。
    報道を鵜呑みにして当時、我那覇はクロだと思っていた自分が恥ずかしい。
    ドクターたち、同郷の人たち、サポーターの皆さん、選手たちの力を結集していく描写に度々涙を流した。同じサッカーが大好きで愛している者として、これから日本のサッカー界がますます盛り上がっていくことを願います。
    しかし、組織が大きくなると、メンツを大事に思うばかりに保身に走ったり、詭弁を弄したりするなど、読んでいて腹立たしくなるシーンも数多かったが、綿密な筆者の取材と取材に協力した方たちのおかげで、反面教師的な事例で学ぶ点も多く、感謝したい。読んでいくうちグイグイ引き込まれていく良質で骨太なドキュメントだった。
    巻末に紹介されていた募金にも少額ながら参加します。サッカー好きの弟にも買って読むように勧めます!

  • まさにこの本こそスポーツジャーナリズムそのもの。これまでも多くの素晴らしい著書を残している木村氏の真骨頂でもある。我那覇選手の「ドーピング冤罪」について、なに故にそれは起きてしまったのか、そして何が起きていたのかを念密な取材を重ねて鋭く迫っている。著者自身も利害の絡むであろうJFAという大組織の悪弊に鋭く切り込むその気概も見事だが、何よりチームドクター達の、自らの仕事に対する矜持を胸にその組織に立ち向かう姿勢には感動さえ覚える。そして当時ちんすうこう募金に少額ながら応じた者としては、我那覇選手の真摯さにとても胸を打たれた。尚、同書の売上の一部は多額の(不必要な)訴訟費用を被った我那覇選手にも送られるという。

  • Jリーグは腐っているのか?最高権力者であるチェアマンが聞く耳を持たない、一番のソフトである選手を守らないで何がJリーグだ!とも思う。

    ドーピングという汚名は晴れたか?イメージは残ってしまう…しかし、廻りには信頼してくれる仲間がいる。

    頼まれた訳でもないのにボランティア(モアイ?)精神で裁判費を捻出してしまう、熱い・熱過ぎます。

    マスコミの初動さえ間違ってなければココまで騒ぎにならなった訳だし、嘘書いてOKという毎日新聞社はどうなのか?

    最近も桜の開花宣言で嘘のニュース、すでに切り株になってしまった桜を今年も咲きましたなんて記事が世に出てしまう…とんでもない世界です。

    本当の記事、真っ当な記事とは何ぞや?とも思う。

    利権が絡むと人は駄目になるのか?

    結果オーライではあるが、怖い世の中である。

  • 組織に関わっている人間は読むべき本。

  • 後半は涙が止まらなくなり、心が震えた。
    スポーツをサッカーを愛する者として、我那覇選手、ドクター、サポーター、支援者の皆さまに感謝したい。そして傍観していた自分を恥ずかしく思い、自分なりの支援をしたいと思う。

    ここに出てくる人々が、それぞれの立場や思いを持ちながらもサッカーを含めたスポーツを好きだということは否定しなくてもいいだろう。
    ちょっとした初動のミスや、情報の受け止め方、部下を信じて守る上司の気持ちがあったのも間違いではないのではなかろうか。
    ただ、間違いに気づき、気づいた時点でミスを認めて謝罪や保証がどれだけできるかだと思う。
    その点においてJリーグの非を指摘しなければいけないだろう。

    我那覇選手、ドクターがJリーグと争うことを本意としなかったように、Jリーグを否定はしたくない。
    Jリーグの百年構想や、地域と一体となったクラブ作りはとても好きな考え方で、評価している。
    外見えではうまく機能している思っていただけに衝撃だった。

    本書の内容については実際に読んで感じていただきたい。
    自分のためにではなく、同じフィールドで活躍する仲間のため、未来の仲間(子供たち)のために、いろんなものを犠牲に事実を明らかにしたいという一点で行動した人々の勇気と誠実さを体験してください。

    正しく人々が理解していないことを伝えること、伝えなければならないと行動すること、それがジャーナリストである。
    サッカーに、スポーツに関わる人、いや国民全員に読んでもらいたい。
    素晴らしいノンフィクションです。

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著者プロフィール

1962年愛知県生まれ。中央大学卒。ノンフィクションライター。東欧やアジアの民族問題を中心に取材、執筆活動を続ける。おもな著書に『オシムの言葉』(集英社文庫)、『蹴る群れ』(集英社文庫)、『無冠、されど至強 東京朝鮮高校サッカー部と金明植の時代』(ころから)、共著に『さらば、ヘイト本!』(ころから)など。

「2019年 『13坪の本屋の奇跡』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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