争うは本意ならねど ドーピング冤罪を晴らした我那覇和樹と彼を支えた人々の美らゴール
- 集英社インターナショナル (2011年12月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784797672015
感想・レビュー・書評
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ノンフィクションの作品として、非常に高い部類に入ると思う。
川崎Fの我那覇選手がドーピングは、事実誤認した一新聞社をマスコミが同じような情報を流し、青木DCが事実確認をしないまま、ドーピングとしてチーム、チームドクター、我那覇選手の出場停止などの制裁を出したことが問題であった。
しかし、サッカー関係者の動きも、また素晴らしい。チームドクターがまとまるところ、あの手紙から我那覇が立ち上がるところ、サポータの協力、他のJリーグの会社の社長などの声、沖縄の地元の人間の協力も含めて、我那覇を支え、そしてJリーグを救った最後はすばらしい。
しかし、どう見ても全面敗訴になっても1000万を返さないJリーグも問題ですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
我那覇はJリーグと闘ったのではない。Jリーグを救った。
この言葉が全てを物語っているような気がしますね。
事件の事は知っていましたが、知らなかった事ばかり。サッカーファンならずとも、スポーツファンは必読!
本書は我那覇選手の自伝でもなんでもないところが凄い。
なにせ本人が知らないところで闘いが繰り広げられていたのですから。チェアマンとのやりとりなど、録音から起こした内容が記されているので、その文章は鬼気迫るものがありました。
チームドクターたち、サポーター、選手会。アツい想いは感動を呼びます。
それに引き換え、青木、鬼武、川淵・・・・。
政治家となんら変わらんぞ。 -
とにかく素晴らしい一冊だった。特に、青木DC委員長と各クラブドクターとのやり取りは読んでいて手に汗握るくらい緊迫感が伝わってきた。
他の方も書かれていますが、ぜひ多くの方に読んで欲しい! -
サッカー元日本代表FW我那覇和樹選手が受けた医療行為が、マスコミの誤報によりドーピング違反になるのではと問題に(裁判の結果、無罪)。
その問題に、名誉と誇りをかけて立ち向かう我那覇選手、チームドクター、たくさんのサッカーを愛する人達のノンフィクション。 -
ノンフィクションなので読み応えがたっぷり、加えてライターである著者の文書は知的で読みやすい。Jリーグの問題点が浮き彫りになった事件、でも多くの人の情熱がつまってます。
良い本でした。 -
こんなことは本来あってはならない。できれば存在して欲しくないテーマ。最後の1ページまでじっくり読みました。ミステリーを読んでいるのではないかと思う場面も。
最終の最高機関の裁定が出たのだからリーグは潔く非を認め、すべてを清算するべきでしょう。こういう事故(事件?)の当事者は、解決しても気持ちが晴れる人は皆無、ただむなしい気持ちが残るだけですね。
好きなチームのドクターがこんな大活躍をしていたのが驚きで、とても興味深かったです。 -
僕はジェフのサポーターなので、我那覇選手の冤罪事件について少しは知っていた。
本書にも出てくるが、蘇我でのちんすこう募金にも協力させてもらっている。
しかし、本書を読んで愕然とした。僕は我那覇選手の冤罪事件について、何も知らなかったのだ。
どんなに酷い事件だったのか、我那覇選手がどんな思いで闘ったのか。
Jリーグのチームドクターや沖縄の先輩、フロンターレのサポーター、国会議員の思いや行動には本当に感動させられた。
もちろん、僕は我那覇を信じていた。我那覇のプレーを見てればそんな事は分かるよ。だから、報道で無罪を知った時は嬉しかった。
早くチームをJリーグに上げろよ、
ガナ! -
絶対読むべき。日本に数少ない、本物のサッカージャーナリスト。
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この件に関して、ほぼ何も知らなかったが、この本に書いてあることが全て事実だとしたらとんでもないことだったんだと感じている。
我那覇選手の勇気というか、サッカーに真摯な態度とそれをサポートする人々の様子は涙がでる。
その反面、組織が上手く作用していないサッカー協会、Jリーグには歯がゆい思いが募る。
誰もが悪人だとはおもわないが、それを許してしまう、また、生んでしまう組織は今後のサッカー界の課題ではないか。