作品紹介・あらすじ
最高の人生を生き抜くために。"Thinkers50"で第1位を獲得したクリステンセン教授のハーバード・ビジネススクールの最終講義。
感想・レビュー・書評
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人生を最も豊かにしてくれるのは、身の回りの家族と友人。1番大事な存在である彼らを何よりも尊重し、若いうちから時間もお金も投資すべき。
お金や名声や称賛といった間違った目的を追いかけるな。これらは自分を心の底から満たしてはくれない。
人生は目的を定め計算の上構築された意図的戦略と予期せぬ巡り合わせや偶然で生まれる創発的戦略の2つで構成される。人生が全て計算通りになるわけがない。広い選択肢を受け入れよう。ピンとくる仕事・ライフワークはいずれ必ず訪れる。人生の目的について考え続ければ、答えは見つかる。考え続けよう。本質を見よう。
一度の妥協・一度の過ちで人は絶対に止められない。するべきでないことは100%排除しよう。
いい本だと思う。この手の本はあまりないので。
「家族を大事にする」という当たり前のことだけ感じ取っている人がいるようだが、人生に目的を持つということは意外と誰しもが考えてないことなので、いいのではないだろうか。
仕事面でのキャリア、会社における戦略は、自身の給料もかかっているし、そういったノウハウ本も溢れているので意識しがちだが、「自分の人生」について戦略的に考える癖がそもそもなかったので、いいきっかけになりそう。
私は人生において、目標はいくつかあるが、はっきりとした目的はまだない。まずは思考して、探すことからになるが、2017年、まずはそこから始めようと思う。
以下、本文を抜粋。最も印象に残った箇所
「強力で実りある目的は、彼らのもとに届けられたわけではない。そしえあいにく、あなたのもとに届けられることもない。あなたのなりたい人物像、つまりあなたが人生で目的とするものは、成り行き任せにできないほど大切だ。明確な意図をもって構想、選択し、管理しなくてはならない。これに対して、あなたがその人物になるための手段、つまり人生に起きるさまざまな機会や挑戦は、本質的に創発だ。」
おすすめ度:80点
2013年2月10日付日本経済新聞書評にて神戸大学教授小川進氏が「最高におもしろいので是非読んでもらいたい。この書評はそれで十分なくらいだ。」と絶賛されている。
本著は経営学の理論を企業ではなく個人の生き方に当てはめていく。
本著の出発点はHBSの同窓生であっても、MBAの学生時代、聡明で努力を惜しまず、家族思いだった人間でも不幸な私生活、家庭の崩壊、仕事上の葛藤、犯罪行為といった問題に苦しむことになる。どこに落とし穴があったのか。それが著者の問題意識だ。
「同級生たちは昇進や昇給、ボーナスなどの見返りがいますぐ得られるものを優先し、立派な子どもを育てるといった、長い間手をかける必要があるもの、何十年も経たないと見返りが得られないものをおろそかにした。(中略)かつて一番大事だと言っていたものに、ますます資源をふり向けなくなっていくのだ。(中略)ほとんどの人は、わざとそうしようとしているのではない。こうした事態を引き起こす決定は、その場しのぎの、大した影響のない、小さな決定のように思われる。だが、このような資源配分を続けるうちに、また往々にして気がつかないうちに、わたしたちは意図したものとはかけ離れた戦略を実行に移していいるのだ。」
60歳になって読みましたが、社会人になる時に読んでいれば自分の人生は変わっていたかもと思いました。どなたが読まれても為になる本だと思います。
図書館にて借りた本。
ビジネスの理論から抽象化して家族や人生の目的について考えてみた本。クレイトンクリステンセン教授の気概を感じることができる本。
多くの印象に残る名言があった。
「マネジメントは崇高な職業のひとつ、一人一人の生活ひいては人生にも関わる責任ある仕事」
「仕事において給料を追い求めても所詮苦しみを和らげるに過ぎない、自分が心から愛する職につくべき」
「自分の資源(時間)の配分方法を考える」
→短期的に必要なことをすべきだが、長期的に必要なこともする(読書など)
「最終的に成功した企業の93%が当初の計画を断念している」
→つまり常にPDCAを回して行動しなければ成功はない
「子どもと話すときは、大人と同じように話すべき」
「倫理的な問題に対して、絶対に妥協するべきではない、一度の妥協が崩壊につながっていく。」
最後にあなたが人生を評価するものさしは何かを問われた。
自分にとって、現時点では「子どもが成人したときの状況で決まる」にしたいと思う。著者は常に評価できるものさしを想定しているだろうが、私は長期的な観点のものさしを用いていきたい。そうすることで満足することなく改善を繰り返していけると考える。
自分の人生に向き合う機会を与えてくれる。
第一部が心に刺さる。
優秀な人ほど仕事に精を出しすぎて人生の真の目的を見失なう。なぜ、自分は働いているのか、将来的に何がしたいのか、自分の中で生きる目的を持って仕事に励めば違う視点で物事が見えてくるのではないか。自分が愛するキャリアを探しつづけること。
経営戦略を人生(キャリア、家族、モラル)に当てはめて考える。若干中弛みがあるかもしれないが、軽くて深くてよい本。明日、改めて振り返りたいと思う本。
人生に目的を持つ。自分の人生を評価するものさしを持つ。「何を考えるか」ではなく「どう考えるか」。「自分が本当になりたいのは、どのような人間だろう?」という問いかけに答えるために献身する。
人生に目的を持つべきだし、目的は成り行き任せにしてはいけない。自分の血と汗と涙をどこに投資するかという決定がなりたい自分の姿を映し出すようにする。生活においてもアウトソーシングしすぎないという例で挙げられていたASUS vs DELLの話は興味深かった。
破壊的イノベーション論を展開するクレイトン・クリステンセン教授の人生訓。彼が敬虔な信者であることを本書で知り、またそのことや家族を大事に思う気持ちが、彼の理論のバックボーンにあり、人生での実践がその信念を強めていたことを理解した。
彼が投げかける三つの問いをここに記す。
私たちは、どうすれば次のことが確実にできるだろうか。
・どうすれば幸せで成功するキャリアを歩めるだろう?
・どうすれば伴侶や家族、親族、親しい友人たちとの関係をゆるぎない幸せのよりどころにできるだろう?
・どうすれば確実な人生を送り、罪人にならずに住むだろう?
彼は、人生の根源的な問題を手軽に解決する方法があるわけではないが、人生の状況に応じて、賢明な選択をする手助けとなるツールはあるとして、経営論のなかで引用されることの多い「理論」が実は人生にも役立つと指南してくれる。
例えば、キャリアを描く上で意図的戦略と創発的戦略という概念を理解して、自分に素直になればそのいずれの戦略をとるべきかを知ることができる、といった具合だ。
一瞬一瞬の時間を何に投じるのか、これは企業戦略であれ、人生戦略であれ、資源配分プロセスがなりたい自分の姿を映し出していなければならない、というくだりもある。当たり前のようで、「今は、やむを得ずこれをやっているだけ。子供が成長したら、ギアをチェンジするから・・」と言い訳しがちな自分を立ち戻らせてくれる一文だった。
また、何よりも大事なのは、終講におさめられた「目的をもつことの大切さ」である。ピーター・ドラッカーの名言、「企業が自らの目的と使命を十分に考え抜く事はまずない。このことが、企業の挫折と失敗を招く、もっとも重要な原因の一つなのだろう」を引用しつつ、目的を持たない企業、人生にはどんな理論もほとんど価値を持たないと喝破する。
目的には、三つの部分があるとして、「自画像を描く」「献身(信仰とも言えるもの)を貫く」「尺度をもって、それぞれの仕事と照らし合わせる」ことの重要性を説く。
私は、自分の人生の自画像を描いているだろうか、その自画像への献身がゆらぎそうなとき立ち止まることを恐れていないだろうか、尺度をもってその成長の実感を持つ事ができているだろうか・・・。
二人目の出産を前に、人生の目的を考え直す、貴重な本と出会う事ができた。クレイトン先生の人生に感謝。
クレイトンM.クリステンセンの作品
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