- Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800255679
感想・レビュー・書評
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小気味よくて面白い。岬陽介のたぶん最初の事件なんだろうなぁ。事件そのものよりも、才能のある者と無い者との対比が残酷だ。たいていの人間が嫉妬にとらわれる醜い存在ってことになっちゃう書きっぷりは、かなり恣意的。ちょっとやり過ぎかな。特にラストは作り込みすぎるよ。
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H29/10/9
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シリーズとして岬洋介が活躍するのは面白かったが、想定がいまいち受け入れにくかった。
高校生の行動も。 -
岬洋介シリーズの4作目になるのかな、しばらく中山七里をお休みしていたら、書きまくってるじゃないか、この間「テミスの剣」を読んで思い出したので、ちょっとまた読み始めなければ。恩田陸のおかげで音楽小説と言えば「蜜蜂と遠雷」ということになってしまったが、元祖は中山七里だということを主張したい、それより前は「のだめ」になっちゃうが、やはり元祖の音楽表現は素晴らしい。今回は岬洋介の高校時代の話であるが、そろそろ店じまいを考えているのだろか、とうとう著者自身の特別出演で終わっているのだもの、これじゃヒチコックだ。
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前巻のショパンコンクールでの岬の活躍から始まるこの話は、岬の同級生から語られます。
時は戻り、岬が転勤になった父とともに岐阜の音楽科のある高校に転入したところから。
才能は溢れんばかりのくせにあまりにも周囲に無頓着で、その頭脳明晰さで気づかなくてもいいことに気づき、その容姿端麗さでちょっとした高校生の恋愛をひっかきまわすのです。
本人に自覚はなく、ただ興味のあるのはピアノだけ。
法曹界に進んでほしい父との軋轢がある中、突然襲った難聴が表題のベートーヴェンと重なります。
狭い世界の中で起こった殺人は、ミステリーというほどのものではありませんでしたが、こうして岬洋介が形成されてきたのだと思うと、これもまた感慨深かったです。 -
このシリーズの「ドビュッシー」「ラフマニノフ」は読んでいる。読んでいるときは面白いし、登場人物の造形にも好ましいんだけれど、本作は何となく手が出ないでいた。
それでも読み始めると、サクサクページが進む、
岬洋介の高校生時代の描写が良い。抜きん出たピアノの演奏能力、容姿端麗で頭脳明晰、でも周囲から浮いていて、嫉妬や悪意に気付かない。
高校の音楽科の描写は「舟に乗れ」を想い出したが、この学校はあの小説ほどの音楽に賭ける必死さはない。だから、岬だけが抜きんでていることになる。
ミステリーの部分は弱い。犯人は早めに目星がついた。トリックと云うか、謎は判らなかったけれど。
次作品は読もうと思うけれど、すぐにって気にならない。実はミステリーが好きじゃないのかな。美味しいけれど、ちょっと味が濃かったんだろうか。 -
岬洋介の高校生時代、初めての事件。音楽科のある高校に転校してきた岬。その才能でクラスメイトたちからの羨望や嫉妬、悪意を受けながらも飄々と過ごしていた。ある夏休みの日、豪雨によって高校のまわりに土砂崩れが発生しクラスメイトたちとともに学校に閉じ込められてしまう。なんとか脱出したが、その日欠席していて岬に悪意を持っていたクラスメイトの死体が発見され、岬は容疑者にされてしまった……。
若い岬先生超人すぎてこわいわ……。ミステリーというよりは音楽科の高校生たちの話。もっとなんか、嫌なクラスメイトたちをぎゃふんと言わせたかったような、ちょっとラストが駆け足であっけなかったような。続編があるようなのでそちらに期待なのかな。あと最後の最後は蛇足では……一回やってみたいネタ、的な…… -
「このミス大賞」受賞作品だったので読んでみた。
前回受賞作の「神の値段」が美術系の話だったのに対して、今回は音楽系の話。
音楽の描写が凄い。音楽に造詣が深い人には面白いかもしれないが、そうでもない私にはちょっとクドイと感じた。音楽の話を広げ過ぎて、ストーリーがなかなか進まないのが、うーん。。
で、犯人もだいぶ最初の方で見当がついた予想通りでドンデン返しもなく…
この作家さんの作品は初めて読んだが、音楽ミステリーをたくさん書いている様子。
たぶん、他は読まないな。