どこかでベートーヴェン (『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
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本棚登録 : 1305
感想 : 200
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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800255679

感想・レビュー・書評

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  • ミステリー要素は薄かったが、魅力的なキャラ岬洋介の高校時代のエピソードとして楽しめた。相変わらずピアノの演奏シーンはすごい!!
    が、ベートーヴェンの[悲愴]第二楽章を弾いているまさにその時、突発性難聴を発症するとは…残酷だ。でも鷹村くんという素敵な友人がいたんだね。最後はしゃれかな?

  • やっぱり、いいなぁ。このシリーズ。
    CD出してほしい。聞きながら読むって贅沢なことをしたいですねぇ。

  • 岬洋介シリーズ。とはいえ鷹村亮クンのカッコいいこと!

    どんでん返しのストーリーではありますが、音楽、ベートーベンも間接的に楽しめて(BGMにピアノソナタを流しながら)一冊で二度おいしい~という感想。

    これ以上はネタバレしてしまいそうなのであえて書かないようにしましょう・・・

  • サスペンス+青春物って感じで読みやすかった。今までの岬洋介とは違った印象で楽しめた。

  • 岬洋介の級友の回顧録。級友視点で高校時代の岬洋介が語られる。密室殺人。岬洋介は工藤新一みたいな高校生だったんだな。

  • 【あらすじ】
    ニュースでかつての級友・岬洋介の名を聞いた鷹村亮は、高校時代に起きた殺人事件のことを思い出す。岐阜県立加茂北高校音楽科の面々は、九月に行われる発表会に向け、夏休みも校内での練習に励んでいた。しかし、豪雨によって土砂崩れが発生し、一同は校内に閉じ込められてしまう。そんななか、校舎を抜け出したクラスの問題児・岩倉が何者かに殺害されるた。警察に疑いをかけられた岬は、自らの嫌疑を晴らすため、素人探偵さながら独自に調査を開始する。岬洋介、はじめての事件!
    【感想】
    今までで一番陰鬱な気持ちになる
    自分が実際に経験したことが、題材としてあり現実と虚構の曖昧さが面白い
    どこかですれ違っているかも…
    最後の最後にこう来たかという展開
    このミステリーはすごい!

  • 「才能」に振り回される人々のお話

    岬先生が高校生の頃の物語。容姿端麗、圧倒的才能、さらに今より幼さが残るのも相まって、まさに少女漫画に出てくるキャラクターのよう。
    過去作の主人公は、自己評価は低いが才能はあるタイプばかりだったが、今回はからっきし。だからより1層才能の残酷さが表現されていた。
    1%の才能と99%の努力、について本書でも言及があったが、確かに1%があるかないかでは世界が変わってくる。その人の努力を才能だけで片付けるのは以ての外だが、努力すれば出来るというのは強者の傲慢だと思う。
    人は誰しもどこか特別でありたい、だから才能というものに焦がれるし、嫉妬もする。でもいつか特別になんてなれないと悟り、漫然と日常を過ごすようになる。しかし嫉妬から逃れて才能がないと諦めて過ごすのは、人間の可能性を狭めてしまう。
    作中で先生が才能の差を説くシーンもあったが、あそこまで打ちのめすならば音楽を通じて各個人の個性を見つけ、その適性を活かす方法を考える所までしなければならないのではないか。正論では何も解決しない。先生が才能の差に固執しているからこそ、あそこまで生徒に強く言ってしまうのではないか。
    圧倒的才能を持ち出してあの持論を出すのは、チート武器を使ってゲームをクリアするような、気持ちよく感じてしまうがどこか釈然としない感覚だった。

  • 岬洋介の高校時代を描いた作品。純粋でひたむきで冷静、好感しか抱けない。高校での殺人事件、そして謎解きは現実離れしているが、この主人公だと読ませられてしまう。ピアノの神様に愛される彼だが、この先もついて回る発性難聴というハンディが哀しい。

  • これまでは、天才ピアニスト岬洋介の陰と陽でいうと陽の部分が多く描かれてきた。誰からも羨ましがれ、尊敬され、奏でる音楽で聴く者を虜にさせてしまう魅力、難病を抱えながらもそれをものともしない精神力。

    しかし今作では、全体的に陰鬱な雰囲気が漂う。

    高校生の岬洋介は、その才能がゆえに疎まれイジメられていた。母親が中学生の頃に亡くなっていること、父親が音楽に対する理解を示していない事が明らかになり、また、発表会で突如耳が聞こえなくなり、突発性難聴だと告げられた際には、音楽の出来なくなる自分に何の価値があるのだと絶望感に打ちひしがれる。

    これまで何人もの人々を音楽で救ってきた洋介だったが、洋介自身には救いの手は差し伸べられず終わる

  • 天才ピアニスト・岬洋介の青春は華やかなのかと思いきや、案外ブラックで驚いた。
    人の妬みは恐ろしいという思いが込められている気がした。

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著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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