インセンティブ 自分と世界をうまく動かす

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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822247744

感想・レビュー・書評

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  • 邦題は『インセンティブ』だが原題は[DISCOVER YOUR INNER ECONOMIST]インセンティブとは、人間に行動を起こさせるもの、あるいはいくつかの選択肢のうちひとつを選ぶように促すものだ。
    キーワードは「インセンティブ」と「シグナル」 

     インセンティブ:身の回りをうまく動かしたいのであれば、インセンティブのバランスの取り方を学ぶ必要がある。人はカネなどの外的要因によってやる気にもなれば、喜びや自尊心、すばらしい仕事をしたいといった純粋な動機など、内的要因でもやる気になる。

     シグナル:人にどう見えるかは、各自が送るシグナルの総和であり、いかにその時の状況に合ったシグナルを送れたかで決まる。

     相手はもちろん、自分自身の自己欺瞞との交渉も、インセンティブとシグナルとのバランスが大切だ。相手と自分が無意識に求めているインセンティブやシグナルを察知しようとする意識が必要であると共に、自分が求めているインセンティブや発しているシグナルが相手に見破られ、自己中心的な人間だと思われていないか、注意する必要もある。

     また、自分が相手に与えているインセンティブは、的を射ているか、相手のためになっているか。という視点も重要だ。

  • 「内なるエコノミスト」とは上手く言ったもんだ。たしかにこの一言ですべての動機づけが説明できてしまうな。

  • 読了。全ての経済行動には動機があり、様々な事象を経済学的に解説する。「資本主義とはひたすらカネではない。人類の内なるやる気を引き出す最高のシステムだ。そして、それには自分が主体的に関わっているという感覚を各人に持たせる事も必要だ」訳した文章って読むのにエネルギーが要るけど、もう一回読もうと思います。。

  • 人のやる気を引き出すのに「賞罰」だけではやらされてる感が出てしまうこともある。要は主体性が大事ってこと。

  • 行動経済学の観点から、いかに人間のインセンティブを有効活用するかをまとめた本。事例が豊富だが、ある程度前提知識がないと小難く感じるかも。また事例もやや偏りはあるかも知れない。

    と課題がありつつも、インセンティブ理論についてうまくまとめた好著。

  • インセンティブ、人の行動を誘発する為にはどのような振る舞いが有効かについて事例に基づいて説明されている。金銭的報酬が有効な場合と層ではない場合、(1)追加的努力で成果が著しく向上する作業に関して金銭的な報酬を提示する、(2)内側からの誘発が弱い時、(3)報酬を受取ることが社会的評価に繋がる仕事については金銭的報酬を支払う等。主体性の感覚が非常に大事、ということが分かる。社会が豊かになるにつれて、重要なのはモノの不足ではなくなる。文明が高度に発達した現代社会で目立つ不足といえば、「関心」と「時間」の不足だ、という言葉が印象的。花やダイヤモンドは、相手へのコストのかかる行為でメッセージを伝える「シグナリング」であるという説明に納得。美術館の見方、美味しいお店の見つけ方はなるほどと思う。

著者プロフィール

米国ジョージ・メイソン大学経済学教授。1962年生まれ。「世界に最も影響を与える経済学者の一人」(英エコノミスト誌)。経済学ブログ「Marginal Revolution」運営者。著書に全米ベストセラー『大停滞』 (NTT出版)など。

「2020年 『BIG BUSINESS(ビッグビジネス)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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