- Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822249212
感想・レビュー・書評
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誰をライバルと思うかで、世界の見え方がガラリと変わる。
職場の同僚をライバルと思えば出世競争を勝ち抜く術が必要だし、同業他社をライバルと思えば業界内シェアやランキングが重要だし、広くエンタメ業界で可処分所得や可処分時間を奪い合ってると思えば、お小遣い争奪戦+時間争奪戦に勝利する必要がある。いや、ライバルは世界中にいると思えば、グローバル競争を勝ち抜かないといけないし、ライバルはアップルやグーグルやアマゾンだと思えば、打つべき手はいまとはまったく変える必要があるだろう。
だけど、ライバルが機械だったら? 自動翻訳、自動ライティング、自動編集……。そういう世界で、ボクらはこれから戦っていかなければいけない。そして、ヤツらの進化のスピードは速すぎる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
機械(特にIT)がどんどん進化してきて、人間の仕事を奪ってきている。しかも、今までの機械の進化より、これから先のITの進化は、今より人間に近い柔軟な仕事ができるようになり、ますます人間の仕事を奪っていく可能性がある。
そうなっていくのはもう逃げようがない。そうなった時に、人間がやるべき仕事とは。世界はどうなる、貧富の差は。考えれば考えるほど結論は出ませんが、先を見据え、一つの仕事に拘らず、本業以外のスキルを持っておき、複合的に仕事ができることが、機会に打ち勝つ、唯一の手段のように思います。 -
【機械とどのように付き合っていくのか?】
人間の職が機械によって侵食されていき、最終的には一部の知識階級者と大部分の肉体労働者に二分されて、格差社会がより進行するのではないか?とふと感じて、この本を読み始めた。
本書によれば、コンピュータの進化のスピードは極めて速く、「ムーアの法則」(集積回路上のトランジスタ数は18ヶ月ごとに倍になる)に則り、確実に前に進んでいる。人は未だそのスピードに危機感をいだいていないが、「チェス盤の法則」にもあるように、中盤を超えたあたりでそのスピードに恐怖感さえ覚えるようになるだろう。
人間にしかできない仕事。それは2つあると本書は説く。
1.創造性・リーダーシップを必要とするもの
2.人間にしかできない複雑な動きの持つ肉体労働
前者は高給取り、後者は低賃金となり、賃金に対する格差はさらに広がっていく可能性はある。ただし、将来的に機械が上記2つもできるようになる可能性もあるので、気にかける必要はある。(ドラえもんの映画、ブリキのラビリンスのような世界観)
我々がすべきことは、機械といかに共存していくかであり、また自分をどのように成長させるかである。前者は、全世界的には政治的な面も踏まえて議論されるべきである。一方の後者は、そうはいっても機械の進化のスピードを弱めることはできない中で、自分がどのように対応していくのかをしっかりと考えることだ。
機械が人間にしかできないと思われていたことを、やってのける日もそう遠くはない。 -
図書館
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機械に労働機会を奪われる、という現代の状況を分析。
乗数的に機械技術が進化したがゆえに、そのスピードに人間の側がついていけなくなっている、これはまさにその通り。不景気で雇用が無いのではなく、そうして爆発的に進歩した機械に仕事をとって代わられた事によって雇用が減っているのだと。
確かに会社で働いていて、何でも自動化したりすると人の手数が余る、という状況は経験があるだけに、著者の言う状況は容易に理解が出来た。
ただ、この事態を著者は楽観的にとらえている、と自ら述べている。
つまり、機械がどれだけ進歩しようとも機械単独では最善の仕事は出来ない、逆に人間とペアを組み、機械を活かすことがベストなのだという。
そのために、人はもっと教育を受ける、スキルを高める機会を持つべきだと。
しかしこの主張の根拠がなんだかよく分からない。別に対機械を意識しなくても、既に教育への重点投資は行われている国が多いのではないだろうか。今まで通りで問題ない、と言っているような気がしたが、だったら機械との競争なんてそもそも意識しなくてよいはず。前半の「雇用は機械が占めていく」という世界になる可能性に現実味があるだけに、もっと違う対処策があるように思うのだが。。。 -
企業の豪華な受付にポツンとおかれた自動応答システムを見たとき、ここにいた綺麗なお姉さんたちはどこに行ったのだろうと思ったことがある。この本は機械化によって人間の単純作業、それも資格や微妙な感性が必要とされない単純作業がどんどん駆逐されて行く可能性を記している。確かにガテン系職業への需要があまり変わらない一方で、世間から「きれいな仕事」と思われがちの事務系の中途半端にスキルが必要な仕事は確かに機械化の恐怖だ。この辺は昨今の薬のネット販売解禁をめぐる議論にも共通しているようにも思う。この事態への著者が示す処方箋については大雑把な印象もあるが、今後の世界を想像するトレーニングとしては良書だった。
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ある意味衝撃的。機械は人間を労働から駆逐するかということを、肯定しているという事。
そして、「1985年を」IT元年とし、ムーアの法則による集積密度の倍増ペースが18か月ごとだと仮定する。すると、32回倍増した年、すなわちチェス盤の32マス目に到達した年は2006年ということになる」にあるように、機械の進歩のスピードが飛躍のレベルになっているという事。 -
高い割りに短いぞ!装丁の値段だな。
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テクノロジーの急速な発展がいかに人間の雇用に変化を及ぼしているかという議論であって、決して仕事を奪っているとは言っていません。しかしなんでこんな読みにくい装幀にしたんでしょう。日経BPだし内容から言ったら電子書籍で出すべきだと思いますが、
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最近、ITが既存業種を駆逐する、というタイプの議論が花盛りであり、本書もそのようなものの1つ。これから駆逐される業種とされにくい業種に関して、目新しい内容はあまり書かれていない。ただ、本書は主にアメリカの雇用情勢を踏まえて書かれているので、日本人が書いた本とは視点が少し異なっている気がする。将来、ITによって労働力が現在ほど必要なくなるとして、日本は人口も自然減少するからまだマシだけど、アメリカは移民のせいで人口が増えるからますます失業率が上がってしまう。「自由と正義の国」も大変だね。