世界でもっとも美しい10の科学実験

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  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822282875

感想・レビュー・書評

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  • 一番美しい科学実験。私はアインシュタインの一般相対性理論を実証した、日食時の光の歪みの測定が世界で一番美しいと思っていたが、それはこの本には書かれていなかったのでちょっとしょんぼりした。アレは測定ってだけで実験には含まれないの?そんなアホな…。でも、フーコーの振り子やヤングの干渉など、実証こそが科学の真骨頂!と思わせる実験が沢山出てきて、読むだけでわくわくした一冊だった。
    文章や言葉選びがとても優美でいい。鮮やかなファンタジー映画を描くような魅力的な文章で、科学の美しさがよく伝わる。
    これからも、整然とした物に対する美も、曖昧で不明瞭な物に対する美も、両方とも美しいと思える自分でいたい。

  • 科学や実験そのものに興味がなくても読めるかも。

    科学と芸術に共通する?「美しい」の観念について、序文で触れている。

    10の実験の由来や経緯をさらっと書きながら、実験した科学者がその時どんなことを経験し、どんなことを考えていたのか、にフォーカスを当てて教えてくれる。


    但し、さらっとした筆致なので、何が「美しい」のか読み落としそう。

  • 意外と内容が難しく思えた。
    しかし、『もうひとつの「世界でもっとも美しい10の科学実験」』よりは、まだ読めた。
    科学や実験が好きな人には楽しめる本なんだろうな。 なので、興味本位で楽しめるようなものではない。

  • 思ったより難しくて、物理が嫌いな人にはお勧めしません。研究室でガリガリ実験してた時に読みたかった本でした。

  • 学校でて何十年も経ったけど感動しました。

  • ここには、10の実験が紹介されている。この10の実験は、科学の不思議とそれを解明しようとする人間の英知が見事に結実したものである。
    実験というものは、決して最新の機材が必要ということはないということ、よく考えて行えば、わかることもあるということを本当によく示している。

  • タイトルは「科学実験」だが題材は物理雑誌でアンケートを取ったこともあり、物理系の実験に限られる。ある程度知っている題材が多かったので、あまり意外性のある話はなかった。

    中で面白かったのはキャヴェンディッシュによる「地球の重さを量る」実験。実験そのものよりも「神経質そうな甲高い声をもち、半世紀も時代遅れの――誇張ではなく――珍妙な服を着て、人との接触はできるかぎり避けていた」というキャヴェンディッシュその人が興味深かった。実験の内容そのものよりも「人」に興味がいってしまうのはいたしかたないところだろう。

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:402||C
    資料ID:50600595

  •  サイモン・シンを青木薫が訳した本がとてもよかったので,これも読んでみる。物理学を修めた訳者だけあって,こういう分野の訳書が多い。著者は哲学者で,10の科学実験を通して古代から現代までの科学史を通覧する本。
     10の実験の主役は,エラストテネス,ガリレオ,ニュートン,キャベンディッシュ,ヤング,フーコー,ミリカン,ラザフォード。実験の数と合わないが,これはガリレオが2回入選していることと,最後の実験は特定の一人に帰着できないためだ。
     キャベンディッシュは8人のなかで一番有名じゃないかもしれないが,印象に残った。18世紀の終わりごろ,彼はとても精巧につくった機械で地球の重さを測定した。当時すでにニュートンの万有引力の法則は知られていたが,地上の物同士の間でその力を測るのは,引力が小さくて難しかった。彼はねじりバネをうまくつかって,鉛球同士の間に働く重力と,鉛球と地球の間に働く重力の比を求め,それによって地球の質量を決定した。彼の測定精度は,その後百年も更新されなかったらしい。
     フーコーの振り子は,19世紀中ごろに考えだされて以来,すぐに各地に広まって広く観覧に供された。確かに何の動力もなしに(非常にゆっくりとではあるが)地球の自転というダイナミックな変化が目で見られる,しかも大勢が一度に経験できるというスグレモノなので,急速に普及したのもうなづける。むかし上野の科博で見て感心したのを思い出す。
     人物が特定されない最後の実験は,二重スリットによる一つの電子の干渉実験である。あとがきによると,訳者も涙が出たほどのきれいな実験で,たった一つの電子がいわば自分自身と干渉して二重スリットの向こうのスクリーンに干渉縞をつくるのだ。同時に放たれた電子と電子が干渉するなら話もわかるのだが,一つづつうちこんでいった電子の到着先が,全体として縞模様をつくっていく。特に,日本の外村彰らによる1989年の追試結果は解像度もよく印象的で,ネット上にも公開されており,一見の価値がある。

  • 7月13日読了。筆者が物理学の雑誌上にて行った「もっとも美しい科学実験は?」とのアンケートの結果集まった、10の「美しい」実験を取り上げた本。科学実験の美しさの基準とは「深さ(基本的であること)」「経済性(効率的であること)」「決定的であること」とのこと。私は根っからの文系人間だが、理系・科学の世界とは、実験で仮説・理論が証明された瞬間とは(もちろん、使い物にならない数百・数千以上のダメ実験がその裏にはあるのだろうが)何とも魅力的なものに見える・・・。「実験にとって美とは?美にとって実験とは?」と筆者は問いかけるが、確かに「美しい実験」「美しいコーディング」というものはあるもの、「芸術作品にしか美は存在しない」なんて考え方は了見が狭いよ。

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著者プロフィール

ストーニーブルック大学(米ニューヨーク)の哲学科教授。著書に『世界でもっとも美しい10の科学実験』『世界でもっとも美しい10の物理方程式』(日経BP社)が、共著に『セカンド・クリエイション』(早川書房、1991年12月)がある

「2014年 『世界でもっとも正確な長さと重さの物語-単位が引き起こすパラダイムシフト』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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