- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822808778
作品紹介・あらすじ
いま最も注目される2人の女性作家が語り尽くす、若者たちの数々の問題。生きづらさ、引きこもり、ニート、ワーキングプア、秋葉原事件……。生き抜くことの大切さを語ります。
感想・レビュー・書評
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貧困問題と精神障害問題は切り離すことの出来ない問題だと思う。生活保護をもらっている女性のなかには「パニック障害」とか診断されている人もいて、時々その診断根拠って何?って思うこともある。ただ、確かに精神障害があって働けず貧困に陥っている人も当然いるわけで、両者の関係はかなり微妙。雨宮さんの主張はいつものように「生きさせろ」というもので、リアルな貧困に基づいている。香山さんの方は、んー、もともといろいろと論評はする人だけど、評価はすれど動かず、みたいなところで実際の貧困問題の今後への指針が見える、とまではいっていないように感じました。
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367.6
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う~ん。考えさせられる。
今ってこんななんだ…。 -
「プレカリアートのマリア」こと雨宮処凛さんと、精神科医の香山リカさんによる対談本です。ディープな話題がてんこ盛りです。 この本を読んだ野はもうずいぶんも前の話ですが、それでも強烈な印象が残っています。
対談の内容は若者の引きこもり、ニート、ホームレス、メンヘラ、うつ病、自殺、“自己責任”非正規、偽装請負、違法派遣、秋葉原事件、インディーズ系労組、労働/生存運動、とこれ一冊読めば若者と労働を取り巻く諸問題がざっとではありますが把握することができるので、雨宮・香山の両女子による個性が鼻につかない、という方は一読されてはいかがでしょうか、と私は言いたいです。
それにしても若者の貧困はにっちもさっちも行かないところまできていますね。最近では僕が住んでいる田舎町ですら『デモやるか?』なんていう話が新聞でもちらほらと出ているくらいですから。こういう問題は地方に行けば行くほど深刻だと確信していますので、声を上げないことには何も変わりません。
『生きさせろ!』とそろそろ僕も叫ばなければいけないのかもしれません。精神科医の香山リカさんと作家で活動家の雨宮処凛さんの対談を見て、そんなことを思いましたとさ。まる。 -
必要があって読み始めた本だけど、色々と得た。自分の中のもやもやしてる部分を明文化してくれる感があったかな。
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雨宮さんと香山さんの対談と、それぞれの講演のまとめ。
キーワードは、生きる権利、貧困、自殺、生きづらさ、という感じかなぁ。
印象的だったのは、憲法25条と9条をセットでとらえるというアイディア。
平和だの、武器だの、戦争だのを論じるには、
まず、ただ生きることを認めてくれる社会こそが必要なんだ、と。
25条がないがしろにされる社会では
9条なんて絵に描いた餅にすぎないっていう切実なる主張。
中学の時、社会の先生が繰り返し教えてた
憲法25条の意味、いまいちぴんと来てなかったけど
最近になってやっと、わかってきたかもしれない。
読んだ後、自分の平和ボケ具合を反省。
それから、自分がいかに危ない綱を渡ってきて
たまたま幸運にもまだ足を滑らせてないってことかを
考えさせられた。
最近読んでる本のつながりとしては
正社員が没落する、ルポ貧困大国アメリカ、あたり。 -
雨宮さんのコメントと香山さんの質問
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20090617
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bookoff -
・憲法9条と25条を別々に考えるのじゃなくて、関連させてかんがえなきゃならないんだ。
・フリーターという働き方と精神的な不安定が重なる。
・病気への理解は進んだんですけど、病人は完全に違うものとして扱われる。
・底辺感
・格差感
・(自己愛ゆえ?)理解して欲しい。(1人の理解者)
・労働・生存運動でおもしろいのはベタベタした優しさがない。
・(プレカリアート運動について)怒りが最初にあって、人を生かさない社会に対するも猛烈な怒りがまず中心。
・みんなが怒りによって集まる。
・社会への怒りがベース
・そこで初めて人を信頼できて、自分の弱みも見せられる場。 -
(2008/9/29読了)こちらは香山リカさんと雨宮さんの対談。アメリカでは、軍隊のリクルーターが「軍に入れば大学に行けるよ」とか「健康保険があるよ」とかいう甘言で貧困層の若者を勧誘しているというが、それと同じような構図で自衛隊が女性を勧誘する決め台詞の一つが「自衛隊は育児休暇が充実しています」なんだそうな・・・。いいのかそれ!!国家制度としての徴兵制はなくとも、貧困が実質的な徴兵制度として既に機能しているアメリカ、これから機能していきそうな日本。戦争と貧困は密接に繋がっている。←これが本書の本論ではないが、私の印象に残ったこと