企業参謀―戦略的思考とはなにか

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  • プレジデント社
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  • Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784833416948

感想・レビュー・書評

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  • 大先輩の方から経営の定番本を読んでおいて
    損はないよーと言われたので
    今、必死に時間を見つけて読んでいます。

    これがそのうちの一つ。

    友人が経営を科学したものと
    言っていましたが、かなり正しいのでは
    ないかと思っています。

    内容はさほど難しいものではなく
    非常にわかりやすくなっています。

    びっくりな事としては、これが70年代に
    出版された本である事。

    今まで読んできた経営に関する本の中でも
    トップいくつかに入るだけの
    内容が含まれていると思います。

    この本は後で購入決定ですね。
    読んだときは図書館だったので。

  • 毎年に1回は読み返す本。
    もう何回も読んでいる筈なのに、自分の立場、知識、経験によって毎年新しい発見がある深みのある本。
    例えば、この本棚にもあるクリステンセンの『イノベーションのジレンマ』に書かれている骨子がこの本にも所々見え隠れする。
    これが30年以上前に書かれているのだから、凄いとしか言い様が無い。

    惜しむらくは出版年月が古い故に今読んでも理解しづらい例が多分にあること。
    デジカメからカメラに触れた様な今の子達にはフィルムカメラの戦略の話は分からないだろう。
    翻して考えてみればこの本がギリギリ理解出来る年齢に生まれた私は幸福だったのかもしれない。

    また、来年読んだ時にどんな発見があるか楽しみだ。

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  • <2008.06.24>
    企業参謀と続・企業参謀のセット編集版。
    大前研一が右も左も分からないマッキンゼー入社後に書いていたメモをまとめたもの。
    という説明書きを見た後読んで、嘆息した。

    コンサル入社前の今読んでも、あまり分かったような気になれないのは当然だ。
    クライアントのコンサルティングをしながら大前研一が考えたことであり、内容も飲み込めない程難しいことを書かれているわけではない。
    しかし、そのノウハウ・ドゥハウに行き着いた思考のプロセスを解き明かさないことには、真にこの本を味わったことにならない。
    本書には普通のビジネス本では見えない深淵がある。
    そんな予感がしてならない。

    コンサル就活生には、入社後の業務のイメージ・レベル感の把握によいと思う。けれど、我こそは神の子という人以外は深読みしない方がいい。
    つまり内定者でもちゃんとは理解できていないレベル。

  • 惨敗。この本を読みこなすだけの能力のなさを実感。後日、再度トライします。
    メモしておきたいフレーズを一つだけ:変革しなくてはいけないのは、個人であり企業である。国や地方自治体にいくら変われといっても変われない。彼らは個の集合体にすぎない。個人や企業が変わるには、実は、こうすれば変われるのだ、という「気概」がカギとなる。

  • 開始:20070520、完了:20070520

    さすがに1975年のときの本となると、目新しさがない
    部分もあるが、しかし、当時30〜31歳の大前研一氏がいかに物事の
    本質に迫ろうとしていたのかというのと、その膨大な体系化された知識
    驚かされる。ただの焼き増しではなく自分の頭で考えているということ
    がよくわかる。
    しかし、まさに戦略の教科書といえる。中期経営計画の立て方や、将来
    の不確実性の考え方など、とてもわかりやすい。1回目に読んだときよ
    りも2回目に読んだときのほうが理解が深まる。
    ホッケースティック曲線。
    そこは願望と期待の入り混じった"明日こそは業績回復"曲線が例外なく
    示されている。これはまさしく自社のことといえるのではないだろうか。
    以下メモ。
    企業参謀は30歳〜31歳のときのメモ。
    マッキンゼーは5年で古株。
    運、不運ではなく問題に取り組むときの姿勢と方法に大いに関係がある。
    縮むマーケット。うまみのあるボリュームがなくなっている可能性。
    練炭メーカーor冷蔵庫発達後の製氷業者。
    売上高利益率。
    ROA、総資産利益率。総資産に対して利益がどのくらい出ているかをみる。
    この指標は経営内容の詳細がわからない他業種や他社との比較には
    便利だが、一方一定の会社内での異なった製品間の比較や
    ビジネスそのもののうまみを絶対値としてあるいは経年的に
    測るにはあまり適していいない。
    使用総資本利益率(ROCE)。ROAの不備を取り除くため、分母の総資産から
    短期買入債務を差し引いてある。
    P&Lとバランスシートの双方を同時に正当に評価するための有料な指標
    であるということができる。
    個々のファクターの弾性値が定量的に把握されてしまえば、企業のトップ
    マネジメントは重要な武器をもつことになる。
    資本投下の見返りが最も多くなるような事業は何か。
    10年も15年も先のことになると戦略というよりは空想といったものに
    近くなる。
    しょせんは"カン"の重畳。
    参謀としての頭脳グループが最も有効に力を発揮できるのは、短期でも
    長期でもない、その中間の中期経営戦略である。
    大体3年ぐらいを中心とした前後1,2年を中期、という。
    各段階で現実性のある中期経営計画を立てる必要がある。
    8つのステップがある。?目標値の設定、?基本ケースの確立(現状
    のままだったらどうなるか、住宅着工件数など)、?原価低減改善
    ケースの算定、?市場・販売改善ケースの算定、?戦略的ギャップの
    算定、?戦略的代替案の摘出、?代替案の評価・選定、?中期
    経営戦略実行計画。
    創造力を駆使した思考と分析を重ねれば、必ず非常に実現性の高い中期経営
    戦略が立案できる。
    業種の成長曲線、高成長持続型、低成長型。低成長が基本的には持続すること。
    プロダクトライフサイクル、成長期、成熟期、衰退期。
    製品・市場戦略策定のためのプロセス、?市場性の動的把握、?内部経済の
    分析、?競合状態の把握、?KFSに照らしたわがほうの強さ弱さの客観的理解、
    ?改善機会について仮説の抽出・評価、?改善実施計画作成・実施、?モニター/
    必要な軌道修正。振り幅を正しくつかむ。
    ニュージーランド沖の日本イカ船団。事業のうまみは少なくとも銀行の
    長期預入金利よりも大きくなくてはならない。
    自然の再生そのものを毎年の漁獲量とする。
    経済性と実行可能性。
    参謀五戒。
    ?参謀たるもの「イフ」という言葉に対する本能的な恐れを捨てよ。
    代替案を探るときには「What, If....?」という設問のしかたを
    するのが普通である。すなわち「もし状況がこうなったらどのように考え
    (あるいは行動反応し)たらよいか?」ということ。
    ?参謀たるもの完全主義を捨てよ。
    ?KFSについては徹底的に挑戦せよ。
    「この業界で成功する秘訣は何ですか?」
    ?制約条件に制約されるな。
    「今何もできない、と思うに至った制約事項とは具体的には何と何ですか」
    「これらの制約条件が一切ないとしたらどんな可能性が出てきますか?」
    意外にも実はそれほど大きな制約条件ではなかった。
    ?記憶に頼らず分析を。
    2つの重要な能力「分析力」と「概念をつくり出す力」。
    「道場破り」の促進。
    二律背反につきあたる。
    料理名がないと意外と材料の買物ができない。
    ホッケースティック曲線。
    そこは願望と期待の入り混じった"明日こそは業績回復"曲線が例外なく
    示されている。
    すべてが強気の計画。
    "明日こそは"のカーブゆえにもう少し待ってみようかという気になってしまい、
    低業績、不採算事業から抜け出せないという羽目になってしまう。
    本来成熟し硬直化した市場においてなんらかのドラスティックな
    アクションを伴わないで業績が急展開して回復することはそれこそ奇跡に等しい。
    猛烈社員の常として計画と努力目標とが識別されていなかったり、一度低位
    に計画を設定すれば努力をしなくなるのではないかという恐怖感から、
    できないと理性で知りつつも、情熱が"明日こそは"のカーブを描かせてしまう。
    拡大思考は確かに社員にやる気を起こさせ、トップに立つものにとっては
    逆に指導もしやすいが、ラッパや太鼓でしか社員を陶酔させることができない
    人は一見勇壮ではあっても危なくて見ていられない時代になっている。
    経営者が追い込まれていくと、似たような挙動を示すこともよくしられていく。
    状況が悪くなるほど、広く見なくてはならないのに、よけい狭く見て、
    もう選択の余地はない、と思いはじめてしまう。
    世の中の「営みごと」はすべてオン=オフという二者択一ではなくグレーの
    アナログ系である。「つき」は呼び込むもので、与えられるものではない。
    誤りは「制御」できるもの、最悪事態は避けられるものである。
    経営は真剣勝負ではあるが一命を落とす前なら敗者復活もありうる。
    勢いにのっている会社は"そこに至る道"を考え、勢いの落ちた破局に向かっている
    会社の場合は最悪事態を想定し、"そこに至らない方策"を考える。
    多少不利な講和条約でも結んでしまったほうが、ヒロシマに原爆を落とされ、
    東京が焦土と化すよりもよいのだ、という発想が出てこない。
    PPMの公害で、自分の参入市場をなるべく狭義に定義し、シェアを高めに
    計算する癖のある会社もある。
    「味の素」ではなく「クリスタル」を買わせるにはどうしたらよいか、という
    問いに対する答えになっていることが必要。
    国レベルでのポートフォリオ管理。
    人と資金の有効循環。
    日本の3つのエポック。
    ?徳川幕府の創設、?明治維新、?終戦。
    柔軟な思考法。
    白か黒かでないと、考えられないというような硬直した頭ではなく、
    どのくらいの灰色までなら妥協してもよいかを判断できる人物が戦略的
    思考家である。
    「最悪の事態」を避けるための施策。
    基幹事業の成熟化と生活水準の向上に関係している。
    原価低減の圧力を部下にかける以外にアイデアの浮かばないトップマネジメント
    は企業家とはいえない。
    日本、「恥の文化圏」。
    市場成長が鈍化または停止し成熟期になると通常はシェアも硬直化してくる。
    常識に徹底的に挑戦する。
    経営資源として、人・資本・原材料・技術の少なくとも4つを考える必要がある。
    「どの」技術かということ。
    余裕のある今のうちに部分的にでもよいから企業内にとにかく戦略的計画法
    の実績をつくってしまっておくことがいざというときの何よりの強みとなるに
    違いない。
    ホワイトカラーも含めた生産性はアメリカに負けてしまう業種が多い。
    低成長への対応。?需要変動型、?国際競争力型、?新価格体系型、?ライフサイクル
    の短命化。
    世の中は全て相対的。相対的戦力。
    軍事戦略における人的部分とは能力・組織・士気の3点。心情が官僚的になってしまうと
    企業は硬直化してしまう。
    官僚的心情の克服。
    事業機会というものは見つけたら一挙に掘り起こしてしまう必要があり、
    よほどの冒険家か金持でないと成功しにくい理由はまさにそこにある。
    冒険家の成功話(カシオ、ダスキン)はたくさんきく。企業活動のステップ
    、原料確保→生産設備→設計→生産技術・技術特許→品揃え→
    アプリケーション→販売力→販売網→サービス。
    電気メーカーは事業のバランスが問題。"電気"と名のつくものを片っ端
    からやっていればわが国のGNPの1/3に匹敵する事業領域に経営資源を
    分散することになる。
    家電関係の研究員にとってはアパートの主婦の立ち話のほうが、学会の
    発表よりも実り多い場合があるだろうけれども、ともすれば自分の住む
    空間を完全にユーザーから離れた独自の振動、独自の宇宙としてしまう。
    新機軸を求める方法、?考え方の転換、?戦略的自由度、?技術的
    ポートフォリオ。
    最も素朴な「なぜ」という質問を担当者に嫌われるほどしつこく発する
    やり方。
    東芝の敷き毛布。誰も曲げたり乗ったりしてはいけないという既成
    概念にチャレンジしなかった。
    戦略軸、フィルム、レンズ、付属装置。
    市場を考えない製品が研究室から自然発生したり、衰退市場に新製品
    を注ぎ込んだりしてしまう。
    技術ポートフォリオ。
    新規事業に次々と参入し、売上高は伸ばしたけれども、市場地位は
    伸び悩んでいるというような事業部をたくさんかかえた大企業が多い。
    地位が他人にまねのできない何かによって守られているとき。
    リスクをあえてとる局面がなくてはならない。
    成功した経営者の話を聞くとその意思決定がいかに預言者的であるかという点。
    後から考えると全く論理的。
    成功のパターン、?事業領域の定義が明確、?将来の予言ではなく現状の分析から
    将来の方向を推察して因果関係についてきわめて簡潔な論旨の仮説が述べられている。
    ?自分のとるべき方向についていくつかの可能な選択しのうち、比較的少数の
    もののみが採択されている。
    ?基本家庭を覚え続けており状況が全く変化した場合を除いて原則から外れない。
    ヤマハの川上源一さん。
    ピアノからエレクトーン、エレクトーンからオーディオ。
    ピアノの木工技術から家具。
    洗剤のいらない洗濯機。ポリバケツにつけておくだけできれいになる洗剤。
    電気屋の洗濯機事業そのものを崩壊させることを狙うかもしれない。
    日本の組み立て産業がつよいのは部品メーカーが強いということ。
    コストダウンをしたり、改良設計を行っていることだけが事業計画と
    思っているような人はもはや形骸化した大企業の一完了にすぎない。
    このような考え方をいくら積み重ねても、世の中をリードするような先見的
    製品や事業というものは出てこない。

  • 戦略論の名著としていまだに読まれている本書。個人的にもかねてから読んでみたかった一冊。がしかし、まだ自分には早かった。レベルは結構高めなので、もうすこし力をつけてから再度トライしたい。

  • 6/15

  • ブックオフで購入。
    昔の本だけども今に続くロジカルシンキングとかの流れを作った本で中身はそこまで古さを感じさせない。結構良書

  • 経営企画など戦略部門に身を置くなら、必読。会社は自分の力でいくらでも改善できる。

  • 初版の企業参謀から数十年後に読んでも古さを感じない.それだけ企業が変わって(変われて)いない現実を知る...

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著者プロフィール

1943年、福岡県生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、東京工業大学大学院原子核工学科で修士号を、マサチューセッツ工科大学大学院原子力工学科で博士号を取得。(株)日立製作所原子力開発部技師を経て、1972年、マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク入社。 以来ディレクター、日本支社長、アジア太平洋地区会長を務める。現在はビジネス・ブレークスルー大学学長を務めるとともに、世界の大企業やアジア・太平洋における国家レベルのアドバイザーとして活躍のかたわら、グローバルな視点と大胆な発想で、活発な提言を行っている。

「2018年 『勝ち組企業の「ビジネスモデル」大全 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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