スマイルズの世界的名著 自助論 知的生きかた文庫

  • 三笠書房
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本棚登録 : 4287
感想 : 380
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784837972396

作品紹介・あらすじ

この本には、よくもこれだけの成功例を集めたものだ、というくらい有名無名の成功者たちの"生き方と成功パターン"が示されている。そして、そこに共通するのは、この小さな"プラスの習慣"が身につくかどうかで、すべてに天と地ほどの大差がついてしまう。あなたに成功を保証するこの本の10の習慣は、すべて「朝、顔を洗う」のと同じくらい簡単に身につくことばかりである。

感想・レビュー・書評

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  • 古典でもあるので少し構えていたがとても読みやすくほぼ一日で読了。清々しさが残った。

    印象に残ったところ
    国民全体の質がその国の政治の質を決め、自助の精神の浸透具合がバロメーター
    人が自らをどう支配するかが大事で外部からどう支配されているかは重要ではない
    人間の価値を見るにはその人が目下の者にどう振る舞うかを見れば良い

    気付き
    民度=国民一人一人の質×人口
    外圧を跳ね返す内圧が大事でその人の自分軸となる
    弱者に対する態度が人間性を表す

    自分の行動に、意識に取り入れたいこと
    失敗しても落ち込み過ぎず、快活さを持って努力し自らモチベーションを上げる
    簡単に手に入れた知識は身に付かず薄っぺらいものになりやすいため心に浮かんだ考えや見聞きした事実は書き留め血肉とする
    他人に自説を押し付けず、求められて披露する謙虚な気持ちでグイグイ行かない冷静さを保つ

    何でも手っ取り早く効率的には最近の流行りだが、時間をかけ試行錯誤した中から生み出されるものでないと薄っぺらく脆いものになる。
    国民性や民度はそこに住む人々の精神の高潔さによるとのこと。政治の堕落も然り。何とも耳の痛い話。
    誰かのサポートが必要なシーンは必ずあるが、それを得て生かすのも日々自ら内面を鍛えていなければ期待できない。
    何事も自らの気持ちの持ちようが結果に大きく作用する。
    正しい自分軸を身につけることが肝要。

  • 人生には足を止めて休んでいる時間はない。他人からの援助と自らのいっそうの精進はともに欠かせない。
    ある人間にできることは、同じような環境に置かれ同じ目的を追求したとすれば、他の人間にも実現できること。並みの能力にもかかわらず粘り強く努力と研究を重ねた末に名声を得た者の方が多い。勤勉と努力が素晴らしい成果を生み出すことは間違いない。
    偉大な成果は、決して一瞬のうちに得られるものではない。そのため、少しずつでも着実に人生を歩んでいくことができれば、それを本望と思わなければならない。
    どんな仕事でも、それを好きになるよう心がけて自分自身を慣らしていこう。
    諸君が天性の才能に恵まれているなら、勤勉がそれをさらに高めるだろう。もし恵まれていないとしても、勤勉がそれに取って代わるだろう。
    いつも自分の不幸を嘆いている連中の多くは、自らの怠惰や不始末、無分別、そして努力不足のしっぺ返しを受けているに過ぎない。
    人間の長所といっても千差万別で、その多くは中途半端で不徹底なしろものだ。だが、本当に鍛えられた優れた長所を持ち、それをいかんなく発揮する人間なら、世間が見逃すわけがない。

    金をどのように扱うか、どのようにして金を手に入れ、蓄え、使うか。これは、我々が人生を生き抜く知恵を持っているかどうかの最大の試金石だ。人間のすぐれた資質のいくつかは、金の正しい使い方と密接な関係を持っている。寛容、誠実、自己犠牲などはもとより、倹約や将来への配慮というような現実的な美徳でさえ、金とは切っても切れない中にある。先見性があり注意深く心を配る人間は、優れた思慮分別を持っているにちがいない。現在の生活のみにこだわることなく先を読んで未来に備える人間には、浅はかな考えの持ち主は一人でもいないはずだ。そのような人は節制にも心がけ、いかんなく克己心を発揮するだろう。この克己心という美徳ほど、人格形成に強い力を与えるものはない。
    今の生活が快適ならそれを維持し、あまりよくなければ改善していくべきだが、それには確実な方法が一つだけある。勤勉、倹約、節制、そして誠実という美徳を実践することだ。不自由に縛られた不満だらけの生活から抜け出すには、この四つの美徳を実行する以外に近道はない。しかも多くの人間が、実際にそうやって暮らしを向上させ成功とをつかんでいるのだ。金を倹約して使うというのは、優れた人格者の基礎となる資質、すなわち分別や先見性や克己心を備えている証拠だ。

    本からいくら貴重な経験を学んだとしても、しょせんは耳学問の域を出ない。それに反して、現実生活から得た経験は真の知恵となる。わずかな知恵でさえ、膨大な量の耳学問よりはるかに値打ちが高い。すぐれた書物は確かに有益で、学ぶべき点が多い。だがそれも、精神をみがき上げる方法の一つに過ぎない。人格の形成には、むしろ実地に体験したり素晴らしい手本に学んだりするほうが効果が大きいだろう。

    自分より優れた人間か、せめて同程度の人間を友とすべきです。人間の価値は常に、友の価値によって決まるのですから。

    立派なマナーとは立派な行動の別名であり、それは礼儀正しさと親切心から成り立っている。人と人とが有意義で愉快な交際を続けるには、親切心が重要な役割を果たす。
    心から親切にふるまうだけで周囲に好感と喜びを与えられる。少々親切心を出したくらいで人生ががらりと変わるわけではないが、わずかな親切でも、それを繰り返すうちに、こちらの気持ちが相手の心に蓄積され、しまいには考えもつかなかった大きな効果を生む。

    適切なマナーの習得は、ビジネスで人と交渉する機会の多い人間には不可欠な条件だ。いくら勤勉で誠実を絵にかいたような人間であっても、行儀作法が落第点なら人柄の良さまで帳消しにされてしまう。

    人によって考え方が違うという事実を、われわれはまず認めなくてはいけない。実際に意見が衝突したら、がまんにがまんを重ねて粘り強く話し合うべきだ。

    不断に修養を積み、より多くの人間と接するよう努めれば、われわれは自分本来の人間性を少しも損なうことなく礼節や洗練された態度を身に着けられるだろう。貧富の差や、また生活条件の違いにもかかわらず、人は誰でも広く豊かな心を持てるはずだ。

  • 最近若い人を指導する立場になって、もしかしたら自分の仕事に対する価値観や人生観が時代錯誤なのかな、と思っていたところこの良書に出会った。
    人間なんて近道しがちな、謙虚であるべきことを忘れがちな、誘惑に負けがちな生き物なのだから本書は普遍的な重しとして貴重な存在だ。
    若いうちに読んで欲しい。160年も読み継がれる理由がある。

    ただし、戦争で勇敢に戦うことを称賛していたり、文学が人生に与える影響力を過小評価しているところは(?)。
    スマイルズの主観、時代背景もあるのだろうが…

  • 自分もこうありたいと思うが、中々出来ない。
    それが出来た偉人たちはやっぱり凄いと再確認した。
    自分を肯定し、努力を惜しまず、驕らず誠実に生きていたい。

  • 語弊がありそうだが、読書感想文が書きやすそうな本。どうすればよりよく生きられるかが大項目としてあって、そこから細かい項目に振られている。明日からできることもあるし、長期間心がけておくべきこともある。原書にどこまで沿っているのかは分からないが、面白い本だった。

  • 人間としてどう生きていくか。成功している人、活躍している人。いわゆる天才と言われる人は、粘り強い努力家、着実な努力家である。
    自分を助けるのは、偶然の力ではなく、確固とした目標に向かって粘り強く、勤勉に歩んで行くこうとする姿勢なのだ。
    今の自分はできているだろか?現代においては苦しさを伴うこともあるかもしれない。誠実に、謙虚に生きる。どこかで我慢も必要だ。

  • 正直、難しくてよく分かりませんでした笑

  • 「自分自身に対する無知やエゴイズムや悪徳のとりこになった人間のほうが、はるかに奴隷に近い。」

    「外部からの援助は人間を弱くする。」

    「一度に一つの仕事しかしない人間のほうが、むしろ誰よりも多くの仕事をする」

    「着実な努力を嫌う人間が増え、精神力の低下と衰弱が進んでいる」

    「休息なんて、あの世に行けば誰でもできるではないか」

    「小説を読みふけり、まやかしの感情に支配されると、健全な心はゆがみ、精神が麻痺する危険性が大きくなる。」

    「理想に現実を重ね合わせる努力をしているか」

    「立派な習慣を身につけるよう気をくばるのが、いちばん賢明な習慣」

    本の内容はありきたりな綺麗事を並べ立てているようだが、偉人たちはそのありきたりな事を専一にやってのけたからこそ夢を叶えることができたのだと考えると、自分でもできるのではないか?と思ってしまう。
    今までは偉人の偉業をばかりを見て、その人自身の努力を知らなかったが、今回教科書に載っている偉人の苦労話を聞くと非常に人間味に溢れており、違う生き物だと思っていたニュートンらを身近に感じることができた。

  • 要は勤勉に努力し逆境に負けず頑張ることが人生の成功に繋がるということが何度も書かれていた。ありきたりであまり為にはならなかった。

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著者プロフィール

1812年スコットランド生まれ。イギリスの著述家。代表作に『自助論』『人格論』『義務論』など多数。1904年没。

「2020年 『(新装版)自分を動かせ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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