イリヤの空、UFOの夏 その4 (電撃文庫 あ 8-9)
- アスキー・メディアワークス (2003年8月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784840224314
感想・レビュー・書評
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傑作ラノベの1つ、という触れ込みだったので読んでみたが噂通りだった。文章が上手で描写もコミカルだけど粘着質。そして何より内容、じりじり迫る圧倒的な閉塞感に、壊れるイリヤの執拗な描写…ラストはカタルシスも感じつつ切なさMAX。読み終わって号泣じゃないけど、うわぁあ、ってなった。
個人的には、エピローグ無かった方がもっともやもやして良かったかもなあ、とも思う。分かりやすい理由の無い得体のしれないものとして描写された戦争が、スカイクロラ的な非現実感に通じる、大変好みの雰囲気でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
シリーズ1、2巻とは打って変わって3,4巻はもうとても面白い。いわゆる「セカイ系」文学で、しかも主人公の精神が非常に幼いんだけど、こういうピュアな正義って、大人になるといろいろな現実の壁のために失われちゃうんだよね。こういう作風が好きだったりするので評価がちょっと高いです。
ただ、ぐだぐだな前半2冊が実は結構重要な伏線(というのだろうか)になっていて、つまらないけどやっぱり読まなきゃ後半のおもしろさが半減する。後付けっぽいけどよく出来てます。
結末については賛否分かれるようだけど、こういう投げっぱなしの作品って実は結構多い。寧ろ文学賞とかではその後を書くと蛇足と評されたりで、だから本作も文学的にはアリだと思うのですが、ちょっと後味がね…。 -
四巻で完結です。結構なボリュームですが僕は苦になりませんでした。
泣きそうになる場面がちらちらとあり、読み終わるとなんかこー喪失感といいますか、終わっちゃったんだなーって思う、そんな本でした。 -
「イリヤの空、UFOの夏 その4」秋山瑞人
軍事?ライトノベル。水色。
とうとう完結のイリヤ4巻です。
さて・・・この急転直下の展開はなんなんでしょうね。
今までのラブコメストーリーが一転、SFサイコ恋と
哀しみのストーリーになります。もう救いがないくらいに
狂ってゆく伊里野と浅羽。これが戦争なのか・・・?
今ひとつ得心のいかない部分もありますが、謎が残ったまま
終わるというかたちもアリかな、と思いました。
そうですね・・・この展開は読む人の好みによるかもしれません。
もう少し重く、分厚い内容でもよかったかな、という辛めの
見方で、個人的には☆4つ。シリーズ通しても同じく☆4つの作品でした。 -
こんな終わり方って……(´;ω;`)
夏は終わってしまったのさ。
決意をした少年から、一番大切なものを、奪ってね。 -
読み終わったら、1~4巻の表紙を並べてみましょう。
イリヤああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー -
シリーズ最終巻。1、2巻では比較的ゆっくりと進んでいた物語も、3、4巻ではスピード感を増し緊張感ある描写も多々でてきました。
難しい年ごろに抱く葛藤であったり、誰かを好きになったりという心理描写の場面もとてもよかったです。 -
完結。
この人は身近な絶望感や、爽やかなアンハッピーエンドを書かせたら巧いよなぁ。 -
何も知らなかった少年と、行ってしまった少女と、死ねなかった大人の話。
きれいなお話で本当にうまくまとまってるけど(宇宙人の細かい描写がないのは浅羽視点だからだし、必要ないからな気がする)、ラストのラストまで捨てきれない希望が残ってつらい。イリヤが幸せだったことを願うだけです。