- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784845921362
作品紹介・あらすじ
小説家・村上春樹の創作活動に
映画が与えたもの――
早稲田大学演劇博物館 2022年度秋季企画展
「村上春樹 映画の旅」 公式図録
展示資料と解説、
そして村上作品と映画をめぐる多様な論考から、
文学世界と“映画の旅”の織りなす
豊かなイメージを紐解く
村上春樹書き下ろしエッセイ
「自分自身のための映画」を収録
現代日本の最も重要な小説家の一人である村上春樹──早稲田大学演劇博物館にて開催される企画展「村上春樹 映画の旅」は、そのキャリアを通じての「映画」との関係性に焦点をあてます。
村上はこれまでも様々な場で、自身にとって身近なものとして映画について語っていますが、その出会いの数々は村上作品に対し、具体的にどのような影響を及ぼしたのでしょうか。あるいは、村上の作品群が現代の映画監督によって映画化されるとき、そこにはどのような想像力の変換が存在したのでしょうか。
巻頭では、本図録のために書き下ろした村上春樹によるエッセイ「自分自身のための映画」を特別収録。
前半では、企画展「村上春樹 映画の旅」の概要を、演劇博物館所蔵図版の数々や参考図版とともに紹介し、村上作品がいかに映画との関係を有してきたかについて、5章に分けて解説します。
後半では、村上作品の映画化を手がけたイ・チャンドン監督(『バーニング 劇場版』)、濱口竜介監督(『ドライブ・マイ・カー』)へのインタビュー、そして映像論、文学論、メディア論等を専門とする執筆陣による広範なテーマの論考により、村上小説と映画との関係への視座をより広く豊かなものへと拡張します。
巻末には、本企画展の展示リスト、村上春樹作品年譜のほか、大小問わず村上作品のなかに登場する映画作品をまとめあげた「村上春樹著作登場映画リスト」など、充実の資料を掲載。
図録として展覧会の内容を辿るとともに、村上作品が積み重ねてきた映画の旅を味わい、追体験できる一冊です。
デザイン
加藤賢策(LABORATORIES)
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早稲田大学演劇博物館 2022年度秋季企画展
「村上春樹 映画の旅」概要
(早稲田大学演劇博物館公式サイトより引用)
小説家・村上春樹は、そのキャリアを通じて繰り返し映画に言及してきました。村上の小説では、登場人物たちが映画を見たり会話のなかで作品のタイトルを挙げたりすることを含め、映画が作中で重要な意味を持つことがしばしばあります。エッセイなどでも頻繁に取り上げられるなど、村上にとって映画が身近なものであることは間違いありません。
早稲田大学在学時の村上は、よく演劇博物館を訪れ、まだ見たことのない映画のシナリオを読んでいたといいます。文字だけのシナリオを読むことを通して、頭の中で映像を生み出し、一つの世界を構築すること。この学生時代の習慣は、作家本人が認めているように、後の小説家としての創作活動に大きな影響を与えたはずです。
本展では、村上が通っていた映画館や学生時代に読んでいたシナリオ、エッセイや小説のなかに登場する数々の映画、そして小説を映画化した作品、等々に関する数多くの資料を展示します。スチル写真やポスター、台本などの映画関連資料とともに、村上がこれまで見てきた映画をまるで旅の軌跡を辿るかのように振り返る構成となっています。そのような〈映画の旅〉を通して、村上文学が喚起するイメージの豊かさを改めて発見していただければ幸いです。
会期:2022年10月1日(土)〜2023年1月22日(日)
※日程は変更になる場合がございますので、
早稲田大学演劇博物館のホームページ をご確認ください
会場:早稲田大学演劇博物館 2階 企画展示室
入館無料
▼展示構成
第1章 映画館の記憶
第2章 映画との旅
第3章 小説のなかの映画
第4章 アメリカ文学と映画
第5章 映像化される村上ワールド
感想・レビュー・書評
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ようやく早稲田大学村上春樹ライブラリーに行って来た。そのついでに立ち寄った演劇博物館で開催していた企画展の図録。(結果、すごく良いタイミングだった)
村上春樹の書き下ろしエッセイやドライブマイカーの濱口監督のインタビューもあり、読み応えあり。資料としてもハルキスト必携。 -
昨年末の早稲田大学演劇博物館での企画展示の公式図録。実際の展示は見に行けなかったが、この本で展示の雰囲気を味わえた。著作ごとに登場する映画の一覧表があり、村上春樹作品の映画登場が多いことは知っていたつもりでも、こうして纏められてみるとその多さに改めて驚かされた。
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イチャンドンがちゃんと村上作品に感動した上で、あまりにも正解な改変を加えていたことが嬉しかった。そしてそれ自体を村上自体も歓迎しているようだ。なぜか上から目線のようだったが...。
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音楽との関連性についてはよく論じられる村上春樹氏の小説ですが、映画との関係深さにも気づかせてくれる本著。
本学図書館には、この本の中で紹介されている映画も多々あるので、気になったらぜひ。
図書館スタッフ -
村上春樹ライブラリーの隣にある演劇博物館で開催されている企画展の図録。
春樹さんの小説に出てくる映画について、分かりやすく解説してくれており、
あのシーンでこの映画について言及していたのは、そういう節線だったのかー!!と今更ながら新しい発見をすることができました。
また春樹さんの小説を読み返したくなる、そんな一冊です。 -
村上作品に影響を与えた映画作品と作中に登場する映画作品と。
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映画と氏の作品中に著われる様々な一文は作品中に溶け込んでいてスルーだった。そして、音楽と違い、それを確かめる労力を厭うといういう感じもあったかな。でも、そういう比喩として読み過ごすことができたのだろうと思う。
ハルキストでもなく、記憶するほど読んでないのも手伝って、本に名を連ねてる人々の入れ込みがスゴイと唸った。春樹氏は私にとって同時代かつ今も第一線で輝く作家なので読んでいて「え?そんなに昔?」という気になりビックリです。
それにしても、後半の論文には違和感。氏は書評とか気にしないで楽しんでほしいとあったと思うので、氏の作品の書評はことごとく読んでこず、村上さんと河合先生の対談に答を見出してきたので、エライ監督さんや学者の意見もドウデモイイと思ったわー。
この本は図書館にリクエストして買ってもらった。今、検索すると倍以上のお値段になっている。よくぞ、図書館、買ってくれたと思って昨日、感謝の念を伝えてきました(笑)。