覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰 (Sanctuary books)
- サンクチュアリ出版 (2013年5月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784861139925
感想・レビュー・書評
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口語的な文体が、大河ドラマの吉田松陰先生と重なり、より感情移入しながら読めた。実に面白かった。
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いくつか響く言葉はありましたが、わりと普通の自己啓発本という感じ。「超訳」ということで分かりやすくしているのかもしれませんが、もう少し吉田松陰の色というか、言葉の背景を出して欲しかったです。
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シンプルだか、心に染みる
なぜ、やらない!
が心から離れない
人生一回、燃え尽きるまで燃え続けたくなる一品
訳は、超訳の通り、本人言った?と首を傾げたくなるものの、生き方から察する松陰はこんなこと言うかもなと思わせる、まさに作者の思い込みが切れわたる超訳 -
幕末の長州藩きっての思想家、明治維新を支えた英雄たちを数多く排出したかの有名な松下村塾の設立者、吉田松陰の言葉を超訳(ここ重要)した本です。
読んでみて思ったのが、非常に孔子に似たようなことを言っているなということですね。本当に吉田松陰がそう言ったのかは、超訳ですから、わかりません。
哲学書としては他に幾らでも読む本はあると思います。そもそも、吉田松陰の他の書籍読んだほうが良い気がします。吉田松陰自体は大好きなのですが、何より内容が薄くて価格分の価値があるのかという…。 -
吉田松陰の人生を基に、「心(mind)」・「士(leader-ship)」・「志(vision)」・「知(wisdom)」・「友(fellow)」・「死(spirit)」をテーマに、全176のメッセージが記載されている。
松田松陰の紹介として、
・鎖国の真っ只中に黒船に乗り込んで教えを乞う。
・松下村塾を開き、後に有名になる高杉晋作などを輩出する。
⇒「教える」ではなく、「共に学ぶ」という姿勢であったとのこと。
・幕府の老中の間部の暗殺企て、30歳で亡くなる。
という特徴を挙げている。
本書はハードカバーで結構厚みもあるが、内容はほとんどメッセージが書かれているだけなので、ボリューム自体は少ない。
若干リーダ向け、ポジティブ過ぎる理想論の綺麗事、という印象もあった。
全体的に俺の印象は、4:2:4の比率で肯定できるもの:疑問が残るもの:当然過ぎて今更なもの、という感じ。
特に印象に残ったものとその感想は以下のような感じ。
・心
・No.12 頭と心の関係:
心から生まれるのが善、頭から生まれる欲は善を邪魔してしまいがちとのこと。
「頭は心を満たすために使うもの」という内容にハッとさせられた。
・No.18 死ぬ気とはなにか:
「死ぬ気でやる」という言葉を人生の中で反芻することで、タイミングに関する観点が養われるとのこと。
確かに、この言葉は口に出すよりも自身で考えるためにある言葉な気がする。
・No.35 恥ずかしいこと:
凡人と賢人の恥ずかしいと思う観点の違いを述べている。
観点が逆、というよりはそもそも軸が違うという印象、確かに賢人の考えることには納得できる。
・No.39 なんでもやってみる:
行動を起こさない原因は過去の経験によるネガティブな感情によるものだが、それは錯覚であることを述べている。
ただ、経験・感情は生物が効率的に生きる上で獲得したものだし、まったく無視するというのはよくない、むしろ従う方がよいと俺は考えている。
・士
⇒武士は農民のように働かない代わりに、生きる手本を見せるため、自分の美学に則って生きていたとのこと。
・No.42 迷わない生き方:
「最もつまらないのは自分との約束を破る人」とのこと、これは良い言葉だと思う。
・No.51 足並みが揃うのを待たず、自分から走り出せ:
リーダが死に物狂いで走れば部下がついてくる、結果弱い部下はいなくなる、強いリーダとはそういうこと、とのこと。
個人的には、今時の若い人はそううまくもいかない気がする、と思う。
・No.59 人をみきわめる:
「自分の言葉で自分の行動をごまかすことは最低の恥」とのこと、これもすごい良い言葉。
・No.61 重い責任:
リーダは目先の評価のために部下と同じ現場に行ってしまうことがあるが、本来の役割は環境作りであり、そのための継続的な観察であるとのこと、まぁその通りだなぁ。
・No.62 聖人の「こだわらなさ」を知る:
聖人は人をジャッジしない、事実をそのまま楽しむ、とのこと。
確かにその通りだと思う、大仰なことに限らず、このような人はすごい穏やかになれると思う。
ビジネスでは勿論そうばっかしは言ってランないだろうけど。
・No.72 すぐに育つものはない:
「思いやりと一貫性のある正しい態度を、沐浴のようにじっくりと浴びせ、しみついたものが自然と流れ落ちていくのを待つ」、まったくもってその通りだと思う。
特に後半の、教育したものが習慣化して行動に出るまで待つ、という観点が大好き。
・No.76 使える部下がいないという勘違い:
使えない部下がいるのではなく、リーダが部下のさいのうを引き出せていないこと、まったくその通りだと思う。
・志
・No.83 人である意味:
「人は『何のために生きているか』で決まる」とのこと。
確かにその通りだと思うけど、どちらかと言うと、「自分は後世でどのように話されたいか」を観点にすることの方が俺はしっくりくる。
あと個人的には、「生きる意味を後付けで作るのが人生」だと思っている。
・No.89 限界は何度だって超える:
個人的には、人は限界を知るために生きていると思っている、本に書かれているような「人生に限界はない」という無責任にポジティブな意見とは反するけど。
絵を書くとき、普通の人は輪郭を書くと思う。
人間、ある範囲と別の範囲の境を見つけ、それをなぞって輪郭にし、そこから全体像を把握するものだと思う。
人間が自分を理解するためには、「自分のできること」を探すのではなく、「できること」と「できないこと」の境界を見つけ、それを線で結んで輪郭にし、自分の姿形を把握するべきだと思っている。
本書では、限界を超えた時に「自分の本分」が見え、その本分を知ることが人生の目的であると説いている。
自分を知るために限界がある、という意味では俺と同じ考え方かな、限界を超えるべきか否かという意味で差があるけど。
・No.99 欲しいものはすでに持っている:
環境は幸福感になんの影響も与えないこと、今持っているものを味わい尽くす姿勢が大事であること、を説いている。
俺は嫉妬心というか、自分になくて人にあるものを特に羨む(すっごいネガティブな感情を持つ)傾向があるから、このことは見習わなければと思う。
正直、実際にできるかというと凄い疑問であるが…
どうすればその境地になれるかが知りたい。
・知
・No.123 今の人と昔の人:
「昔の人は凄かった」という人にろくな人はいない、時代により違うのは挑戦的な人が目立つか保守的な人が目立つかの違いしかない、とのこと。
たしかに、無条件な懐古主義者はダメだと思うし、挑戦的な人も保守的な人も等しく評価するべきで、それを巧みに使うのはあるべき姿だよね。
・No.138 確かめるまでは語らない:
物の良し悪しを語るのは、そのことを十分理解してからにするべき、とのこと。
これはもう全面的に賛同する。
よく知らない人が、ぱっと見の印象で物事を語っちゃうのは、カッコ悪すぎる。
既存の物を批判するにせよ変えようとするにせよ、まずはそれを十分体験して理解してからにするべき、じゃないとその人の挙動・実績が全て薄っぺらくなると思う。
褒める分にはいいと思うけど。
・No.139 知識を血肉とするには:
「人に教えること」を目的とするのではなく、「自分ではどう活かすか」を考えなくてはいけない、とのこと。
確かに、血肉にするという意味ではそうだけど、個人的には人に伝えるのが最終目標になってるなぁ。
・No.140 学者と武士:
理想とする学者や武士のイメージは、対外的な見栄えではなく、自分を何に注力するかを見極める者である、とのこと。
確かにこれはかっこいいイメージだと思う。
・友
・No.149 やさしさとはなにか:
自分の持っている物を認めれば、他人に優しくできる、とのこと。
確かにそんな気はするけど、人に優しくできない人はそれができないんだよなぁ。
どうすればそれができるようになるのか、あるいは両者の相関関係を明確にしないとなぁ、と真面目に回答。
・No.151 人に教えるイメージ:
言ってることは正しいと思う、内容的にはNo.78と同じ印象だけど。
・No.153 駄目なものに尽くすこそ価値がある:
勢いがあるとき・ものに加勢することは簡単、しかしそうでないときに裏切ってしまう人が多い、そういうときに踏ん張れる人が物事を成就できるし、それを「覚悟」と言う、とのこと。
確かに、一貫した態度と言うのはこーゆーものだと思う、けど人間どうしても途中で考えが変わることはあるし、それでも古い考えに固執することは執着であると思う。
ここで言いたいのは、「責任を負う」と言うことなのか?
・No.155 出世するほど大切にすべきこと:
礼儀、部下のことを忘れないでいることが大切、とのこと。
確かにその通りだと思う。
・No.156 信じて疑わない:
人を疑って成功するより、信じて失敗する、そんな人間になりたい、とのこと。
確かにこの考え方はかっこいいと思うけど、それ以上に無責任だと思う。
組織で動く場合、物事の成否は信じた人・信じられた人以外も巻き込むことになるので、成功させることの優先度は高いはず。
人を信じるときに責任も押し付けるのは最低、責任をとることは最低限必要だけど、勝手に信じられた人のフォローも必要だと思う、不要な失敗体験を部下に押し付けることにもなりかねないので、経験上。 -
松下村塾。
本気で生きていた時代。
後悔しない生き方、自分の心に火をつける方法。
もう一度、松陰神社行こうと思った。