- Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
- / ISBN・EAN: 9784861346651
作品紹介・あらすじ
あの雪の日から五年。美里は作家になり、秋山はお絵描き教室を開いて、そして少し大人になった。二人は再会し、お互いを深く想い合いながらも、それぞれの人生を歩もうとする。次に会う約束はしない。それは二人にとって暗黙の決まりだった。けれど、歳月を経て変化したことが、二人の絆をより強いものへと繋いでいき-…。優しい色彩を塗り重ねる、無二の愛の物語。
感想・レビュー・書評
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すごくすきなところもいっぱいあるのに、やっぱり朝丘さんの作品は同性愛の苦しみがテーマになりすぎてて、わたしにはむりだとおもった。同性カップルだと子供ができないとか、制度的に結婚できないとか、だからってなんで緩慢な自殺とか寂しい恋愛とか言われなきゃいけないのか。子供ってそんなに大事ですか、男女カップルでも子供ができなかったり作らなかったりする人はたくさんいるし、子供つくるためにひとは生きてるわけじゃないよ。結婚できないのは国の制度のせいだよ。どんなにハッピーエンドを描いていても、同性愛自体を肯定することはないんだとおもった。それにすごく苛立つ。ホモフォビックなBLなんていらない。朝丘さんの本、すごいすきなときもあるのに、時々だめだってなっちゃう。これはだめな方だった。
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あの雪の日から五年。美里は作家になり、秋山はお絵描き教室を開いて、そして少し大人になった。二人は再会し、お互いを深く想い合いながらも、それぞれの人生を歩もうとする。次に会う約束はしない。それは二人にとって暗黙の決まりだった。けれど、歳月を経て変化したことが、二人の絆をより強いものへと繋いでいき??…。優しい色彩を塗り重ねる、無二の愛の物語。
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サイトで読んだことはありましたけど、本で出てたので迷わず購入。
もう・・・何回泣かせればいいんですか・・!!!
読んで辛かったり痛かったりですが、続きが読みたい読みたいとなる本。
アキは自分よりも年下ですが、こんな考え方出来ないよ・・・
こんな考え方出来るようになりたい。
きっと、今後も何度も読み直すことになるだろう。
BL小説好きなので色々な二人を読んできたけど、一番好きな攻めかもしれない。 -
「春恋」の続編。前作ではまだ若くて自立できていなかった二人が、5年の歳月を経てそれぞれに成長している様子が描かれています。
意地を張ったり、強がってみせたりして本音が見えなかった二人がやっと両想いになったかと思ったら、今度は親にバレたことで結局別れることに。
生活力があれば、もっと大人だったら。
そんな、「非力さ」というどうにもならない理由が切なかったです。
解決するのは年月だけ、という状況で、まだ互いを求めて止まない真剣な気持ちがあってもあきらめなくちゃいけなかったのは不本意だな…と胸が痛くなりましたが、アキも美里もそのことを受け入れたんですよね…
そして、5年後の二人は別々の道を歩んでいるけれど、その人生は確実に相手を愛した記憶が影響していて…
周囲の人達とのかかわり合い、特にシーナと美里の関係は痛かったです。シーナに依存しているかのような美里、あえて二番目に甘んじているシーナ。どう見ても上手くいきそうにないww当て馬人事が悲惨でした…
アキも女性と付きあったりしてみても、美里への気持ちは消えることなく深く静かに潜行していたようです。
彼らのぐるぐるに巻き込まれた人々は傷ついたかもしれないけど、それも恋愛のうちだと思えます。解決するのは年月。
シーナも救済してあげてほしいです…
やっと、正々堂々と自信を持って恋人同士として一緒に生きていく道を選べた二人に、心からよかったねと言いたいです。
ほっとしました、ほんとに。
寄り添う二人の日々の掌編が、どれも甘くて満足です。
アキが美里の両親に挨拶に行くシーンはけっこうツボでした。エロシーンじゃないけどツボ。
お父さんと和解できて、一緒に酒を酌み交わす場面もよかったです。
ペーパーは同棲9年後!!工藤が二人のイチャイチャにお邪魔虫で楽しかったです! -
「春恋」の続編。本としてはこれで完結。でもきっと物語は静かに続くんでしょう。
とにかく、全編通してアキの愛情の記録と言うか、、
本当に愛する人を見つけた人ってこんなふうに優しい人になれるんだなぁと。
BLってボーイズラブの略なんでしょうけど、ボーイズというにはちょっと無理のある年齢になった男の子(それでもまだ男の子。特に美里君はアキの前だとすごく子供っぽい)2人。
実際、「子供」の恋愛ってその時限りで将来の見えない話が多いのですけど、朝丘さんの作品はどの登場人物もその後の未来がちゃんとあることを想像させてくれます。
生きている人の生きている様を丁寧に切り取って精錬して私たちに見せてくれる朝丘さんの作品は、特別なドラマチックな出来事がなくても、私たちが毎日いろんなことにつまづいて、悩んで、喜んで、生きていくその日々こそ、愛しい生というドラマなんだと思わせてくれる。
SFやファンタジーといった日常からかけ離れたフィクションを好む私が朝丘さんに嵌ってしまった理由は、この「切り取り方」の美しさが、いろんな意味で自分を安心させてくれるからなんだと思います。
ここ数年の朝丘さんの作品は、特にその傾向が強いように感じます。
秋色はBL特有のハラハラファンタジー設定はありませんし、Hシーンもほとんどありません。
これだけを読むと、淡々と綴られた日記のように思うかもしれません。
前編にあたる「春恋」と合わせて読んで、2人の未来にそっと祝福を贈ることで自分も少し幸せになれる。
そんなふうに読んで欲しいなと思います。