人を助けるとはどういうことか――本当の「協力関係」をつくる7つの原則
- 英治出版 (2009年8月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862760609
感想・レビュー・書評
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人を助ける・支援するというのは、兎角、 上下の関係に陥ってしまいやすい。
支援する対象を理解するという手順を欠いた場合、専門性や良心さらには人間関係そ のものを無碍にしてしまう可能性があると いうことがよく分かる一冊。
そうならないために、正しく寄り添うため の質問「どうしてほしいですか?」が素直 に聞けることの重要性を理解できた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本は、人との繋がりを持つ場合、気を付けるポイントを明確に示している。
こんなことも助ける行為なのだなと、あらためて認識する。
コンサルって確かに失敗する事がある。
もう少し早く知りたかった。 -
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誰かを助けるときに何に注意すべきなのか。助けられる人はどう感じるのか。家庭内の小さな支援から職場などでの身近な人の支援、また仕事としての支援まで、様々な支援に関わる人を対象として書かれている。
また逆に支援される人は、支援されるときにどう対応したらよいのかなど、支援される側の立場でも書かれている支援についての専門書である。 -
【たくみ】
まだ読んでませ〜ん!積読!
間違って2冊買ってしまったのだけど、もう一冊は誰かに貸したまま…。 -
ヒトとヒトの関係性では、助ける、助けられる、つまるところ、ギブアンドテイクは多かれ少なかれ生じる。本書はその関係性に科学的にメスを入れたものである。
ヒト同士の関係で書いてあるが、ヒトとシステムでも当てはまる部分は多く参考になる。システムにヒトの考え方をそのままインプリ出来ない今は実現には難が多いとは思うが。
とはいえ、結局は主観的なものであり、引用がいくらあっても、この本の読者の価値観でさらに歪められてしまう類のものだろう。
ヒトとの関係、システムの開発などで、失敗を経験したのなら、全く関係なさそうなこの本は読む価値がある。つまり、助ける、助けられるという関係に生じるダイナミズムの理解が足りていないと気付くこともあるだろう。
『"「君が一人で勝手に助かるだけだよ」出典化物語 忍野メメ』という言葉があるが、所詮は問題は当事者のものであり、助かるのは自分自身、相手は助けられないと自覚すべきであると考える。 -
支援学の観点から、支援をする時に気をつけた方が良いことを記載している。具体例は載っているものの、イメージがつきづらく、実践で意識していくのが若干難しいかと思った。
実践するには数あるポイントをしっかり覚えて、意識していくことが大切になると思う。 -
人を助けるとはどういうことか。失敗しがちなたくさんの注意点を、事例をあげながら解説。要点は1つ。相手が何を求めているかを知ることからはじめること。これを怠ると逆におせっかい、ありがた迷惑になる。
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2011年2月10日のブログから
http://jqut.blog98.fc2.com/blog-entry-1144.html
なぜかまじめに書評です。
夫婦関係、恋人関係、親子関係、職場関係、友人関係などで悩んでいる心優しいすべての人たちにお勧めしたい本です。
そして、気づかないうちにアンヘルプフル・ヘルプをもたらしてしまいがちな、まじめで相手のためになりたいと思っているキャリアカウンセラーの卵たちにも……。クライアントのことを思って一生懸命に支援をしようとしているのに、なかなか思うようなキャリアカウンセリングができないと悩んでいるとき、きっと何かヒントがあるはずです。
本書の以下の言葉は、私たちがキャリア・カウンセラーとして、もっともっと鍛錬をしていく心の支えにもなります。
『われわれが、支援者としてもっと有能になれたら、誰にとっても、人生はよりよいものになる』。
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「人を助けるとはどういうことか~本当の協力関係をつくる7つの法則」
エドガー・H・シャイン著 英知出版刊
日曜日に自宅で仕事をしている父親に小学生の子供が勉強を教えて欲しいといいよる、嫌な顔一つせずに勉強を教えて仕事に戻る優しい父親。
でも、本当に子供が求めていたのは、学校であったことを父親に思いっきり話すことだったのかもしれない。勉強の件は子供なりに一生懸命に考えたきっかけ作りだけだったのかもしれない。優しい父親は見当違いの支援を子供にしたのかもしれない。
本書は「支援学」の本である。著者であるシャイン氏は、組織心理学の大家だが、本書では「アンヘルプフル・ヘルプ」、つまり役に立たなかった支援を扱っている。そして、そう陥らないための心構えを伝えてくれている。
人事部の役割は、経営層、社員の双方に有効な支援を提供することだといってもいいだろう。研修を企画するのも、参加する社員にそれが役立つと思うからであり、評価制度を見直すのも、それが社員のモチベーションを喚起し、会社業績の向上に貢献すると思うからだ。
でも、よくよく考えてみると、独りよがりの支援をしてはいないだろうか。それは本当に相手が求めていることなのだろうか。ピントのずれている支援はしていないか。提供する側が役に立つと思っているだけで、提供される側には迷惑なだけなどという支援をしてはいないだろうか。
本書では本当の支援関係をつくるためのポイントが整理されているが、中でも最大のアドバイスは「控えめな質問をする」ということだ。
本当の支援は相手との対話なくしてはできない。対話のきっかけをつくるのが「控えめな質問」だ。最初に相手が言ってきたことに反射的に対応することが本当の支援になるとは限らない。問題の真の解決のために何を支援すればいいのか、実はこれがわかっておらずに「アンヘルプフル・ヘルプ」を提供してしまっているケースは多い。仕事でも、家庭でも。それでは信頼関係も作れないし、相手の満足も得られない。
日曜の朝、外出前の妻が2着の洋服を指して「どっちがいいかしら」と聞く。さて、あなたはどんな返答をするだろうか。