私の意識とは何か: 生命理論2 (哲学文庫 7 叢書=生命の哲学 4)

  • 哲学書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784886790828

感想・レビュー・書評

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  • 養老さんが何かのエッセイの中でぜひ若い人に挑戦してもらいたいと書かれていたのが気になっていて、わたしはもう50になって若くもないけれども読んでみた。
    でもまぁそれは伏線で、いろいろあってかっこ良くいえば酸いも甘いも味わって微妙に体調も良くなり、「意識」なんてものがあるから苦しまなければならないんだと世界を、いやいや自分を呪っていた時期を通りすぎて、なんとなく中立的に?「意識」というものをわかりたいと最近思い始めたということが直接の動機である。

    いつも誰かの言動に脅かされて、「あのひとはいったいどう思っているんだろう?」と心を砕いていた日々があった。今もそうかもしれない。それは苦しく、ややもすると気の狂わんばかりの混乱を私にもたらす。それもこれも私に意識があるためだ…
    それを乗り越えるためには「意識」が何者であるのかを知る必要があると思い、この本を手にとった次第である。充分にその期待に応えてくれる本だと思う。

    この本は二分冊になっていてタイトルは「生命理論」である。こちらはⅡの「私の意識とは何か」になる。通常はⅠから読み始めるのであろうが、前述のエッセイでⅠは理論的だからⅡのほうが具体的なものを扱っているから分かりやすいかもしれないと養老さんが書いてらしたので素直にそれに従ってⅡから読んだ。
    しかし、それでもわけわからない。数学も哲学もわからない私でもお経のように思える言葉の繋がりを歯を食いしばり、眠気と闘いながら読み通した最後の一文は最高にイカしていた。
    読める人は読んだほうがいい。

    Mahalo

著者プロフィール

郡司ペギオ幸夫(ぐんじぺぎおゆきお):1959年生まれ。東北大学理学部卒業。同大学大学院理学研究科博士後期課程修了。理学博士。神戸大学理学部地球惑星科学科教授を経て、現在、早稲田大学基幹理工学部・表現工学専攻教授。著書『生きていることの科学』(講談社現代新書)、『いきものとなまものの哲学』『生命壱号』『生命、微動だにせず』『かつてそのゲームの世界に住んでいたという記憶はどこから来るのか』(以上、青土社)、『群れは意識をもつ』(PHP サイエンス・ワールド新書)、『天然知能』(講談社選書メチエ)、『やってくる』(医学書院)、『TANKURI』(中村恭子との共著、水声社)など多数。

「2023年 『創造性はどこからやってくるか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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