自閉症の僕が跳びはねる理由―会話のできない中学生がつづる内なる心

著者 :
  • エスコアール
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  • Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784900851382

感想・レビュー・書評

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  • 『風になる』にひきつづき東田直樹さんの中学生の時の作品。

    58の質問に答える形で、自閉症について書いている。
    なかでも、58番目の質問「自閉症についてどう思いますか?」の答えは中学生とは思えないほどの思慮深いもの。自閉症でない中学生ではここまで深くものごとを考えてはいないのではないかと思うほど。
    加えて、決して上からの発言ではなく、どこか恥じらいというか、優しい心遣いが感じられて、読む側の心を和ませてくれる。

    P140僕たちが存在するおかげで、世の中の人たちが、この地球にとっての大切な何かを思い出してくれたら、僕たちは何となく嬉しいのです。

    NHK番組「君が僕の息子について教えてくれたこと 」で彼のこの作品がディヴィッド・ミッチェルさんの目に触れ、20カ国以上に翻訳されたとを知った。それは自閉症と暮らす人々にとって本当に幸せなことだったと思う。

    そして、自閉症の症状について知れば知るほど、自閉症の人とそうではない人の差はないように思う。
    程度の差はあれ、みな、表現の仕方がわからなかったり、思ったことと違う行動をしてしまったり、自分をコントロールできないことがあったり、している。
    お互いに、ちょっと想像を越えるところを想像しながら、生きていかれる余裕をもっていかれたらいいなと思う。


    創作もやさしさに満ちている。

  • 僕の言いなりにならないでください。

    彼のこの一言に出会えて、
    この本を読んで良かったと思った

  • 2014.10―読了

  • 友達に勧められて読んだ本。
    障害のこととか自閉症のことに関してはほとんど無知だけど、この本を読んで、当事者の声を聞いて、障害とは何かという入口に立てた気がする。
    何より読みやすいし、「なるほどそうだったのか!」という発見が多かった。
    ぜひ続きも読んでみたい。

  • ビブリオバトルチャンプ本('18.10 校内読書週間)

  • 私の次男もADHDとASD(自閉症スペクトラム障害)と診断されています。ADHDが強く、ASDは薄いようなので、東田さんと特性がよく似ているわけではないけれど、本の中には、次男にも当てはまるところがありました。子どもを知る手がかりになります。

  • 1つ1つのことばがとても丁寧で透き通って感じた。素敵な本に出会えた。

  • 革命とも言えるのではないだろうか。自閉症の人の感情が文字として世界に伝わった。もちろん自閉症の人も一人一人ちがうとは思う。しかしながらコミュニケーションの糸口をもらえただろう。
    物の見え方、身体への認識、不安と落ち着くこと、意思と違う行動…

    転じて、私たち一人一人もすべて違っているわけで、違うと理解し合えないところをスタートとして、理解しあいたい、すこしでも理解しあえたらハッピーという姿勢を持てたら。いつもなんでわかってくれないのという感情が勝ってしまう私を含めた多くの人々にも是非読んでほしい。

  • 自閉症や発達障害と言われる人達はこの本を読むまで本能の赴くままに無意識にあのような行動をとっているのだとばかり思ってたけど、実はそうではなくて本人たちは自分が奇怪な行動をしていると自覚じていて、自覚していてもどうにもならない状況だということがよく分かった。今までとは違う視点を与えてくれた一冊。

  • 読み始めてすぐに涙が溢れました。わたしには自閉症傾向はないはずですが、なぜだか共感できることが多くて、安心しました。あぁそうだよね、そうなんだよね、本当に。という感じで。

    言葉の表現や周りのものへの興味関心、刺激への反応、コミュニケーション、散歩や緑、水に入ると落ち着く感じ……読んでいくうち胸のあたりが暖かくなって、読んだ日にはぐっすり眠ることができました。1週間以上痛かった喉の痛みもなくなりました。びっくりです。

    後半の小説も……もうなんかうぅぅとなりました。東田さん、この本を書いてくださり本当にありがとうございました。努力の上にある言語化能力に尊敬しかありません。

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著者プロフィール

1992年生まれ。重度の自閉症でありながら、パソコンおよび文字盤ポインティングによりコミュニケーションが可能。著書『自閉症の僕が跳びはねる理由』が現在30か国以上で翻訳され、世界的ベストセラーに。

「2020年 『世界は思考で変えられる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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