自閉症の僕が跳びはねる理由―会話のできない中学生がつづる内なる心

著者 :
  • エスコアール
4.13
  • (142)
  • (141)
  • (67)
  • (12)
  • (1)
本棚登録 : 1334
感想 : 184
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784900851382

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 障がい者の方の心理を少しでも学びたい方に
    オススメ

    少しでも障がい者の方の気持ちを理解したい

    共に支え合っていきましょう!

  • 世の中、「言葉だけ」を知っていることが多すぎるなと痛感。
    「自閉症」という言葉を当たり前に聞き慣れた風に生きてきたけど、まったく理解していませんでした。

    自分を閉ざす…と書いて自閉

    でも、本当は閉ざすどころかもっと知ってほしくって
    理解して欲しいんです。
    むしろ私たちが理解できないことから逃げているだけのように感じました。

    わからないものは怖い
    わからないものを調べ、わかった風に分類する。
    人間ってそんな簡単じゃないと思います。

    こんなに綺麗な感性を持った人たちがいるんだと知ることができて嬉しいです。
    こんな汚らしい世界にもまだまだ白くてキラキラした部分があるといいな。

  • テレビなどで話題になっている本。自閉症の僕の内面を書いて、どれだけ患者や家族が救われたか。社会的に意義のある本です。

  • 2017/8/11
    やっと読めた。

  • 私たちが知ることができなかった、自閉症の方の内面を少し知ることができた。

  • 自閉症という障害への認識がガラリと変わった本。
    今まで自閉症は知能や精神の障害だと思っていた。それも間違いではないと思う。実際、彼らの内面は自閉症ではない人の内面とはかなり違って、独特なものであることは確かなようだ。
    しかしそれよりも何よりも、自閉症は身体と精神の接続不良の障害であるというように本書を読んで感じた。著者は何度も自分の身体を上手く扱えない、身体と馴染まないことに苦しさを訴えている。それは巻末の物語を読んでもわかるように、身体という牢獄に囚われている感覚なのだろう。

    我々自閉症ではない人は、当然のように外側に現れていること(表情や仕草、言葉など)が内面を表していると思い込んでいる。空腹を感じれば「お腹が空いた」と言葉にして口から出す。それでコミュニケーションが成立する。しかし自閉症の人はこの精神→身体の接続がうまくいかず、単純な「はい/いいえ」といった言葉でさえも本当の内面とは違ったことを話してしまうことさえあるという。
    これはとても恐ろしいことのように感じるが、自閉症でない人も類似した経験をしたことはあるのではないだろうか。たとえばお葬式の場面など、悲しいのに笑ってしまうこととか。

    自分の身体がうまく制御できない著者の悲痛な叫びは、以前テレビで見たトゥレット障害に苦しむ人と重なった。彼らも意思に反して激しい動きをして時には自分や他人を傷つけてしまったり、叫び声や汚い言葉が勝手に口から出て行ってしまったりと自己嫌悪や羞恥に悩まされていた。ただ、トゥレット障害の人の場合は症状が出ていない時は発話による意思疎通は可能であるらしいのだが。
    自閉症の人もトゥレット障害の人も、精神というより神経の問題なんだろうか。

    同じコマーシャルを自閉症の人が好む理由が「知らない土地で知っている人と会ったらホッとするでしょ」という回答だったのはハッとさせられた。確かに外国に行って日本人に会ったら妙にホッとしてしまうし、実際日本人の店員さんと長時間立ち話をした経験もある。「日本人なんて今までたくさん話してきたし日本に帰ったらいくらでもいるのに、わざわざ外国でなんで嬉しそうに日本人とばっかり話すの?」と言われているような気分なのかな、自閉症の人が同じものを好むことに疑問を呈されるのは。同時に、自閉症の人がいつも「知らない土地」にいるような気分なんだと察せられて、なんて苦しい状況にいるんだろうと思った。

    最後に。著者のように自分に合った意思伝達手段を見つけてコミュニケーションをとれるようになる自閉症の人が増えればいいな、と思う。
    この本は新しい世界を見せてくれた非常に有益な本だが、あくまである一人の自閉症の人が書いた本であって、自閉症の人全員がこのように考えているわけではないだろうからだ。
    「自閉症の人は~」と一括りにするのは「男は~」「女は~」はたまた「人間は~」と語るくらいの暴論だろう(このレビューでも何度かそういう書き方をしてしまったけれど)。あくまで理解の一助と認識するのがいいと思う。

  • 1人でいたい人なんていない。
    自分で思ったように手足が動かないんだ。
    動いている方が安心なんだ。
    言葉は反射的に出ているだけ。

    だから わかって そばに いて 欲しい。

    自分が 奇声を発し 手足がへんなほうに動き
    じっと してなさい って言われて
    みんなが 困った顔して 
    周りのみんなを 苦しめている
    そんな自分が いやで しょうがなかった

    でも お母さんが そんな 僕が居てくれて 嬉しいんだと言ってくれた
    それで つらい気持ちが なくなった

    お母さんが 手を とって タイプのように 文字を打つことを 教えてくれた
    何度も何度も 教えてくれた
    そして ついに 童話まで書けるようになった

    すぐ 言いたいこと 聞いたこと 忘れてしまう
    でも タイプのように うてば かたちに残る

    何度も何度も 繰り返せば
    頭にのこる

    人々は 困ってる人や 悪口 批判を すごく言う
    そして 笑っている
    僕は そんなことで 笑えない

    僕は きれいなもの 美しいものには 感動できる
    すべてのものは キラキラと 動いている
    それを見るとき 幸せに なれる

    僕は 原始時代から 来た 人間
    人間が 地球を 壊してしまったから
    もう一度 大事なものを 教えにきたんだ

  • 『自閉症』と『おもい知的なしょうがい』を併せ持ち、会話が全くできないものの文字盤や筆談でのコミュニケーションが取れる”著者本人”が見た世界。おもいしょうがいがある子供がいる家族、支援に関わっている人にぜひ読んでほしい本。発達特性の本の中で最も売れている本の1つの為、多くの書店で試し読み&購入ができます。

  • 20170115読了
    NHKのドキュメンタリーで筆者を知って図書館で借りてみた。文字盤での会話を見ていて重度の方だなぁと思っただけに、内面の言葉をこんな風に表現する力があることに驚いた。

  • NHKドキュメンタリーで筆者の特集を見て図書館で予約しました。
    よく分からないけれど、何も分からずに暴れているとかではなくて、色々感じていること困っていることに触れられたと思います。

全184件中 51 - 60件を表示

著者プロフィール

1992年生まれ。重度の自閉症でありながら、パソコンおよび文字盤ポインティングによりコミュニケーションが可能。著書『自閉症の僕が跳びはねる理由』が現在30か国以上で翻訳され、世界的ベストセラーに。

「2020年 『世界は思考で変えられる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

東田直樹の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三浦 しをん
湊 かなえ
恩田 陸
ダニエル・タメッ...
村上 春樹
大野 更紗
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×