みずうみ

  • ニューフォイル
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784902943122

感想・レビュー・書評

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  • 2015/10/09

  • 人と本気で対峙する。そこから希望が少しでも見えるかもしれない。ちょっとだけ前に進んでいける。

  • よしもとばななだから気分よくなる本に違いないと思って読んだけど、違った。自分より辛い状況にあった人の気持ちなんて、わかり得る訳がない。そう思っているけど、それは以前この本を読んだからだったのか、その前から思っていた事だったのか。主人公がそんな人に魅かれたり好かれたりするのは、偶然なのかタイミングなのか引き寄せているのか。

  • よしもとばなな、20年前にすごく『キッチン』が好きで、一時期全く読めなくなって、最近やっと読めるようになった。

    この作品は最初の四分の一が主人公の状況や過去の説明で、こりゃだめだと思ったけれど、なんとか読み進め、中盤は恋人との動きや社会とのやり取りがあって面白く、最後は恋人の独白で、まあまあかな〜と。

    ありそうで現実にはたぶんない設定や、第六感に近い能力、死や性と密着した話は昔と変わらず。
    主人公が哲学的なことに次々気付くのも…
    もっとゆったりとした長編が読みたいかな〜
    説明でなく。

  • 窓越しに対話していたらいつの間にか付き合う事になった彼。彼はなにかとてつもなく暗く重いものを抱えていて、私もそこそこ抱えているけれど、そんなの超えるほどすごくって、本当に彼のこと好きになってしまうかもしれない。なり始めているのかもしれない。
    という話。

    今の私にとってぴたり、とくるストーリーではなかったけれど、何かの折にきっと読み返すことになるんだろう。

  • 痛みや傷をかかえて、
    出会う二人、出会うべく二人。

    今までで一番重たい内容だった気がする。
    だけどもその暗い内容に関わらず、
    淡々と、すーっと入ってくる言葉。

    人と、自分ときちんと向き合うことの大切さを感じた。

  • 一度ひとりでなくなると、もう、元の生活には戻れない。
    中島くん

  • なんか以前読んだことがあった気がする。吉本ばなならしい透明感のある小説。

  • 心の奥の、とても深いところで繋がり合う、ちひろと中島くんのお話。
    うまく表現できないけど、なんか安心する二人の関係が、沁みました。

  • ・底の底にいるときは、その場所にしかない独特の甘みがあるものだ。


    ・ただ、その環境に心底うんざりしていたのは確かだ。

    ・私は体で知っていたのだ。自分が受けている生ぬるいが確かな差別を。

    ・それは、誰ともわかちあえない道筋だった。

    ・「これが絶対だ」と思うのがこわいのかもしれない。
    いつも水のように流れていたいし、それを眺めるように見続けたいのだ。


    ・いつでも、なにかしらがうまく届かない感じがした。

    ・いつそうなってもおかしくはない、ということを私は悲しい夢で毎回確認するのだ。

    ・なにも確かではないふたりの日々。

    ・あの人がいるところが、私にとっての帰るところ。なので、私は一日何も考えずにいられる。

    ・せっかく世界と気持ちよく遊びながら、少しでもましなものを残そうと、
    ちょっとでも高く飛ぼうと思ったのに、退屈だなぁ、というふうに思ったのだ。


    ・違いを正すために戦うことだけが大切なのではなく、
    違うということを知りぬき、違う人びとの存在理由を知るのが一番大事なのだと思う。


    ・「・・・あのさ、僕たちみたいな人間は、結局いつでも真ん中にはいないんだ。
    はじっこの存在で、あまり目立たない方がいいんだと思うんだ。
    たいていの判断はみんなと逆になるし、目立てば必ず悪く思われる。
    でも、最後のところでゆずれないものだけは持っていないと、
    ただの世捨て人になってしまうから」


    ・なぜいっしょにいるのに、こんなにも遠いのだろう。

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著者プロフィール

1964年07月24日東京都生まれ。A型。日本大学芸術学部文藝学科卒業。1987年11月小説「キッチン」で第6回海燕新人文学賞受賞。1988年01月『キッチン』で第16回泉鏡花文学賞受賞。1988年08月『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞受賞。1989年03月『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞受賞。1993年06月イタリアのスカンノ賞受賞。1995年11月『アムリタ』で第5回紫式部賞受賞。1996年03月イタリアのフェンディッシメ文学賞「Under 35」受賞。1999年11月イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門受賞。2000年09月『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞受賞。『キッチン』をはじめ、諸作品は海外30数カ国で翻訳、出版されている。

「2013年 『女子の遺伝子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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