- Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
- / ISBN・EAN: 9784904816011
感想・レビュー・書評
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図書館で借りたが、これは手元に置いておきたい一冊かもしれない。(追記)で、買ってきた。
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この本が描く、恐らく今では取り戻せないだろうどこか温かい世界に思いが広がり、感慨深くしばし眠れなかった。昭和28年、東京都大田区に古書店を開き、多くの作家、学者らに愛された筆者による随筆集の復刊。多くの客の言動は、どこか奇妙で哀しいが、どんな理由であれ、本が好きだ、という心情を知る故か、描かれる姿はとても愛おしい。すべては30年以上前の物語。電子図書で騒がしい昨今、「本」の魅力を改めて感じるのに最適の一冊。
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いや~、素敵な本に出会いました。
触れるのもドキドキするような、布張りの手触りのよい装幀に、まずほっと心がなごむ。
中を開けば、街の片隅のちょっとした風景が、穏やかな筆致で季節感たっぷりにつづられ、かと思うと、時折ぷっと吹き出したくなるような面白い話が、軽快に語られる。
気取りがなく気負いもなく、でもどこか品の良さを感じさせる小気味よい文章、錚々たる作家たちとの心温まる交流や、本への惜しみない愛情など、とても一介の古書店主とは思えないほどの一級の随筆ばかりだ。
文章からあふれてやまない著者のお人柄こそが、山王書房が多くの作家たちに愛された所以なのだということが、ありありと伝わってくる名著であった。
時々手にして読みたいかも。買おうかな。 -
2011年1月19日読み始め 2011年1月21日読了。
布張りの装丁からして素敵な本。
内容はもっと素敵。古本屋店主の著者が、お客や作家との交流を暖かく描いたエッセイが収録されているのだけど、これがどれもこれも味わいがある話ばかり。安易な郷愁や自慢話ではなく、どんな大作家も普通のお客さんも同じような視線で見ているのがとてもいいです。
著者本人も、ごく普通の店主ですよとは書いているものの、なかなか楽しい人物像がエッセイからも浮かび上がっています。この愛すべき本に、著者の人生がぎゅっと詰まっているような気がします。
本がスキな人なら、きっとジーンとくる、冬の陽だまりのような本でした。 -
肉体的コミュニケーション
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本はやっぱりいいんだ。
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本屋を通り過ぎていった人たちと、本の記録。
著者は本が好き、人が好き、話が好き、という人だったのだろう。まるで自分もその本屋にいたことがあるのでは、と思わせるような自然な語りがとてもいい。 -
昔の古本屋店主のエッセイ。昔の(今も)古本屋さんは、心から本が好きなことが伝わってくる1冊。本っていいなぁ…。
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本が好きな人の話ってなんでこんなに楽しいんだろう。
「某月某日」に登場する井上さんの話が心に残った。