福島第一原発観光地化計画 思想地図β vol.4-2

  • ゲンロン
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784907188023

感想・レビュー・書評

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  • ダークツーリズムに続いて、読み応えのあるないようでした。 ちょっと、夢というか現実できるかは??だけど、こういうアイディアをだしたり議論するために、忘れてはいけない3.11によって起こった津波・地震・原子力災害の事象が残った今の状況に慣れて忘れてしまい、ちょっと遠いとこのことだと思うのでなく自分なりに興味を持ちつつちょっとは思考し続けようと改めて思わせてくれました。

    震災遺構をどうするかって話もやはり時間がかかるんだと思うけど、形あるものですから保存するとなれば人工物なのだから人の手が必要ですよね。 奇跡の一本松のように手厚く?でも、決めれないのであれば現状維持? 一筋縄ではいかないですよね。 一つ思うことは少しでも自分の目で見ておきたいと思うこと。

  • 原発事故地の観光地化はチェルノブイリで先行して行われており、それ自体は新味もない妥当な提案。

    この本自体には、読むべきところも多いが
    モンダイは音頭をとってる東のゲスさ。

    前書き・後書きとも中二病丸出しの寒々しさだが、
    それ以上に、津田との対談中に見せた「命名権」への執着ぶりがゲスさをよく表している。

    観光地化に動いてるグループは幾つかあるらしいので、それぞれ切磋琢磨していくのが良いのでしょう

  • この本のとおりに実現できるのかはわからないですが、僕も福島を観光地化することには賛成で、さらに、原発周辺地区の一部を再開発してこのような施設、それは博物館でありモニュメントでありホテルでありショッピングモールであり、そういったものにするのには、いろいろな批判がありそうですが、それでも、理にかなっている、と僕は思います。
    ボランティア、寄付、NPO、税金、そういった「きれい」なお金や人々だけで、力強く復興をするのには無理があると思っています。独立採算できるくらいの強いコンテンツを福島第一原発事故というものから抽出あるいは融合させて、「どうだ!」というくらいの気持ちで提示していくことはすごく大事なことのように感じられます。

  • 福島第一原発を単なる記念碑としてではなく観光地とすることで記憶にとどめていこうという企画。突拍子もないけれど、インパクトはあるよな・・

  • ダークツーリズムという観点は良いのだが、青写真がしょぼい。しょぼすぎる。説得力がないし、方向性がおかしいでしょ。なんじゃこれ?の連続。寄せ集めの放言もいいところ。F1は行きたいが、こんなふうになるならば、文字通り終わり、だよ。

  • 福島第一原発事故の風化とタブー化を防ぎ、事故の教訓を後世に伝えるためにも観光地化はひとつの方法であると思う。人は利己的な生き物なので、被災地の復興を考えた場合においても、観光地化は必要なことだろう。

    この本はいろいろなアイデアが詰まっていて、福島の復興を考える出発点としては貴重な本だと思う。表紙にあるモニュメント「ツナミの塔」は嫌悪感を覚えるし、中には疑問符が付くアイデアもあるけれど。

    井出明さんの提言「ガイドを育てる」と「ダークツーリズムから考える」、そして堀江貴文さんの提言「福島にスペースポートを!」に共感した。

    ダークツーリズム(負の遺構の観光)において、ガイドの育成はとても重要。被災地の解釈を行う役割(インタープリター)もそうだが、観光客と被災者の間に立って軋轢を防ぐ役割(ネゴシエーター)が担えないとうまくいかない。また語り部とガイドは異なるということも分かった。語り部は主観的、ガイドは客観的ってことのようだ。両者を混同するとうまくいかない。

  • ようやく読み終わった。β4-1チェルノブイリ本の続編。福島復興の具体的なアクションプラン。
    人間にとって風化に抗うことはとても難しいことで、今日この日にこんな事を書いている自分も強く実感している。今日は3月11日。
    単純に面白かった。夢のような構想もたくさんある。素人目、そしてどうしても現地を遠巻きに見てしまうものからすると、足を運びたくなる夢プランはやっぱり楽しいのかもしれない。
    不謹慎とされればそうだけど、それでも、こんなプランが実現して、足を運んで、学んで、楽しめる空間が出来るなら、それを応援したいと思う。僕は。
    なんだかすごくキレイゴトになってしまった。

  • 前編の「チェルノブイリ・ダークツーリズムガイド」に、原子力災害を経験した地域のその後を見て、福島第一原発観光地化ということに明るい光を見たと思っていた。本書には、それを前提にして、福島を中心とした東北を具体的にこうしていこうぜ、という提言が多数掲載されている。のだけれど、多数すぎるかな、という印象を持った。未来のイラストは清く明るくて、それは悪いことではないんだろうけれど、何か明るすぎるんじゃないか、と、特に論理的ではないけど感じるのだった。
    建築という視点からどうするか、といういくつかの提言や、オフィシャルとアンオフィシャルのはざまにある東京電力復興本社の社長インタビューなど、コンテンツは多岐にわたる。
    チェルノブイリは、ウクライナで一番有名な地名になってしまった、という。確かにそうだろう。日本はどうか。原子力発電所に県の名前がついているところは少ない。福島と島根だけである。僕の住む静岡県にも原子力発電所があるが、浜岡という、もうなくなった自治体の名前がついている。ここで事故が起きたら、静岡がシズオカになるのだろうか、それともハマオカなのだろうか。視点をいろいろ変えて読む。
    本書は多岐にわたり、賛成できること、疑問視するようなことが混ざっているが、ともあれ一読する価値はある。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784907188023

  • 藤村龍至さんがどこかで発言していたが、時代を先どる提言は同時代の“学者さん”たちの放言的な批判にさらされる。彼らはそれらの批判に責任を持つ気などさらさらないが、傍からみると糾弾する側がえらく見える…ジレンマである。クリエイターはいつだって批判に耐えるロジックとメンタルの強さが必要だ。

    さて「ダークツーリズム」は、本当にこの国の義務教育で育った“ふつうの人たち”に訴えかけることはできるだろうか。「ラディカルな思想」と「耳障りのよさ」の狭間で揺られ、どこに着地するかに全てはかかっているのだろう。

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著者プロフィール

1971年東京生まれ。批評家・作家。東京大学大学院博士課程修了。博士(学術)。株式会社ゲンロン創業者。著書に『存在論的、郵便的』(第21回サントリー学芸賞)、『動物化するポストモダン』、『クォンタム・ファミリーズ』(第23回三島由紀夫賞)、『一般意志2.0』、『弱いつながり』(紀伊國屋じんぶん大賞2015)、『観光客の哲学』(第71回毎日出版文化賞)、『ゲンロン戦記』、『訂正可能性の哲学』など。

「2023年 『ゲンロン15』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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