スローフード宣言――食べることは生きること

  • 海士の風
4.25
  • (8)
  • (10)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 197
感想 : 13
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784909934024

作品紹介・あらすじ

オーガニックの母が辿り着いた未来のかたち

半世紀前―カルフォルニア州バークレーの小さなレストランから「おいしい革命」は始まった。

全米に地産地消を広げ、世界中の料理人と教育者に影響を与えた著者の集大成


‐‐‐
“オーガニックの母”アリス・ウォータースが、生涯のテーマであるスローフードの世界観についてファストフードの世界観と比較しながら初めて語る。

私たちは食べることを通じてその世界を生きている。

「何を大切にし、どんな世界をつくりたいのか」

1970年代から人と食と地球に人生を捧げた著者が問いかける。


読み終えたとき、目の前の食事から、忘れかけていた大切なものが見えてくる。

美しさ、働く喜び、シンプルであること……

私たちのこころとからだを解きほぐす滋味あふれる言葉たち。

ほんの少し足をとめて、世界の豊かさを感じてみませんか。


本書「はじめに」より

「この本でお伝えするのは、食べることが人の暮らしと世界にどのような影響をもたらしてきたか、そして、その道筋を変えるために私たちにできることは何かということです。参考文献を並べた学術的なものではありません。すべて、実体験からお話します。食べることは、生きること。これが私の人生を導く哲学なのです。」

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • アリス・ウォータース『スローフード宣言』レビュー | greenz.jp
    https://greenz.jp/2022/11/01/wearewhatweeat/

    海士の風
    https://amanokaze.jp

    スローフード宣言(海士の風)|書籍|英治出版
    http://www.eijipress.co.jp/book/book.php?epcode=5041

  • ゆっくり味わって生きていきたいとおもった

  • P163 著者の大切な本の著者デイビットブラウワーの言葉 地球環境にはCPR Conservation(保存)preservation (保存)Restration(修復)が急務で、CORのために一生を賭けてもいいの思うのなら、立ち上がって行動するのは“今”だと言っていたという。行動するしかない。

  • アリス・ウォータース著、シェ・パニースのオーナーであることは当然であるが、彼女のもつ強い信念と、食と健康に対する強い意識を学べる本。あたりまえにある、いつでも同じ品質のものが食べられるという病気にかかっているファーストフード病の人は、自然と季節がもたらす滋養を感じることができないことがあたりまえになっている。忘れかけていた目の前の食事のこと、Amazonフレッシュで買い物にいくことなく食材が家の前に届く、ウーバーイーツでどんな食材で作られたものかもわからない食べ物を食べる、便利さを追求した結果、シンプルに食材の大切さを捨ててしまった人たちに対する痛烈な警鐘を鳴らしている。そういえば、タコスも同じ味な気がするし、ポテトもジャガイモを揚げ、酸性ピロリン酸ナトリウムに浸けて変色を防ぐ。こんなものを食べているのよ、とファーマーズマーケットでその日美味しそうな食材を直接買って、作った料理と全く違うということを示す。
    幼稚園からマッケンアンドチーズ、ハンバーガー、ホットチョコレート、を食べさせられる学校教育で、おそらくファーストフード人間をどんどん養成している。意識している人は、家からお弁当を持っていくし、Bentoという単語が通じるくらいだ。ちゃんとしたものを食べさせたい、というふうに考える人がNYに多いのも、やっぱりファーストフードの弊害が出てきているからだ。信じられないくらいの量がスーパーに並んでいるけれど、廃棄率30%と聞くとそうだよねと思う。レストランでも、スーパーでも、この廃棄を減らせばもっと値段が安くなるのにと思う。多ければ多いほど良い社会は、いつの日か破綻するだろう。
    著者のこの考え方の原点は、フランス生活にある。旬の野いちごの美しさ、アメリカでは全てが工業的で、旬なものではなく、均一の工業的な食べ物が並び、週末にまとめ買いするホールフーズの工業的な食材、加工品たち。美を全く感じない。
    確かに、アメリカの食事は美味しいが、全てが商業的に成り立ちすぎていて、健康とかそういうものさえもおかねで買う。五感を駆使して、(心にとって)美しいものを。素晴らしいメッセージだと思う。

  • 「食べること」を出発点に、暮らし方、生き方、働き方を考える一冊。単にテーブルに乗ったものをどう食べるかではなく、その食材がどこで、どう作られ、どう調理され、捨てられる部分はどうなるのか、までゆっくり考えること。ゆっくり考えるということは時間を使うということ。スマホ一つでなんでも探せてなんでも買える時代に、自分の価値観にふさわしい食材を探して回ることや、調理の工夫を自分で経験することをしようというもの。あらゆる食材が一年中手に入り、旬というものがない。あるのが当たり前になると、関心や有ることへの感謝がなくなってしまう。多く買えば安くなるというのは、適正量にわざわざ追加料金を払って買い足すことであり、お得かもしれないが無駄である。自分で食べ物を作ることは、お金を刷るのと同じである。多様性の価値は、全てのものに価値があることを理解すること。季節や旬を感じることとは、完熟を知ること、などなど。良い食材を使うことは結局大地を守ることにつながることまで思いを馳せること。「価値観が人の行動を決め、人の行動が文化を作る」など、改めて肝に銘じたい。

  • 地球に感謝して、スローペースに生きていきたい。


    ファーストフードに染まってるんだな、わたしたち…
    この本を読む前から簡単調理系が好きじゃなくてほぼ使っていなかったけど、より頼らず自分で作っていこうと思った。

    工業化された農業の仕組みにも驚愕だった。
    日本もそうなのかは分からないけど、日本は食を輸入に頼っているので、ということは工業化された野菜や果物を摂取しているということ。
    そんな食品食べるの、なるべく避けたい…
    やっぱりオーガニックか。

  • 人生の成功、失敗に関係なく人生を楽しむコツは、喜びを感じられる能力を磨いていくこと。

    その言葉にスローフード文化の良さが詰まってる。
    シンプルに生きることは大変で面倒だけど、手料理をしたり、運動したり、そうやって五感を使う生き方、今までは、これでお金を稼げる?とか
    時間をもっと有効活用できるのでは?とかもっと効率化したいと思っていたりもしたけどこのままで良いのかもしれない。
    もっとやること減らしていい、儲けるために、効率的に生きるために人生過ごしているんじゃない。今目の前のやりたいこと、なりたい姿のために生きていく。

    酢酸エチルとか、自分に馴染みのない食べ物(添加物)をとろうとしている時は一度立ち止まった方がいいのでは?という表現も好きだったな。

  • 「オーガニックの母」とよばれるアリス・ウォータースさんが、食に対しての思いや、自身の経営するオーガニックレストランでのエピソードなどを語った一冊。
    食べものにも、安さ・速さ・質より量、が求められる現代社会。人々はファストフード的文化にすっかり染まってしまっているが、本当にそれで良いのか?もっと「食べる」ということにきちんと向き合うべきではないのか?

    「食べることは、生きること」という彼女の哲学。
    私たちが何気なく日々食べる食材、それをきちんと選びとっていくことが、これからどういう地球・社会にしていきたいのか、どう生きていきたいのか。そういった大きな選択をしていくことに繋がるのだと、気づかされた。

    大切に育てられた旬の素材を選び、シンプルな調理法でいただく。一口一口、感謝して味わいながら。
    難しいことを考えなくても、まずはそこから始めればいいのだと思う。
    とても感銘を受けた。折に触れて、読み返したい一冊。

  • 知人に勧められて読む。前半はかなり納得できた。ファストフードでき価値観を食ってるんだと。料理作ることが益々好きになった気がする。

    学び
    文化は意識の下にある信念の体系
    旅を楽しむ 目的だけではない
    畏敬の念は自分が大きな何かの一部であるということを感じること

  • 効率一辺倒になりつつある世の中に、食というメタファーを通して、もう一つの選択肢を考えさせてくれました。

    便利でいつでもどこでも同じものが大量に食べられるファストフードに対して、どんな育ち方をした食べ物でそれをどんな風に食べるかを丁寧に考えながら旬やその人の思いを汲み取って料理して食べるスローフード。

    単なる食の話で、スローフードいいね、で終わらせては行けない気がしています。ましてや、料理好きな人だけの話でもない。

    文化として体現して、食以外のことにも思いを寄せていく

    ファストフードの力学が働かないように、フローフードを体現できる場所、それはただ食べるだけじゃなく、繋がりを感じれる場所がファストフードのようにたくさん作らないとです。そのために経済圏を作らないと、まで書いてくれているのがなんか希望でした。

全13件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

アメリカで最も予約が取れないと言われるレストラン「シェ・パニース」のオーナーであり、世界中にスローフードを普及させ、「おいしい革命」を引き起こした料理人。1971年にカリフォルニア州バークレーでレストランを開業し、地産地消、有機栽培、食の安全、ファーマーズ・マーケットなど、今や食のトレンドとなった重要なコンセプトを実践、それはスローフード革命として世界中に広がった。ライフワークの一つとなっている「エディブル・スクールヤード(食育菜園)」は、学校の校庭に生徒がともに育て、ともに調理し、ともに食べるという体験を通して、生命(いのち)のつながりを学び、人間としての成長を促す教育活動として「エディブル教育」に発展し、日本にも広がっている。

「2022年 『スローフード宣言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

アリス・ウォータースの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×