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- / ISBN・EAN: 4547462008305
感想・レビュー・書評
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御都合主義だが泣いた
今敏監督のなかでは、「千年女優」なみにシナリオが通俗といへるが、一方でカタルシスはどの作品よりも超えてゐた。シナリオの起伏としては「パーフェクトブルー」や「パプリカ」のほうがおもしろかった。
長所とも短所ともとらへられる、とにかく行きあたりばったりなのに、偶然が重なって進展する御都合主義のシナリオ。そのせいか、全体として安っぽいドラマの仕上がりである。ご都合主義すぎるが、いちおうそれなりに見られる。
人物背景もありきたりで深くない。猫が帰ってこないだけで女子が父親を刺すなよ…… ヂヂイと言はれたくらゐでカッとなるなよ……とツッコミたくなる。それくらゐ単純である。
作画はこまかい。しかし、今敏ふうの演出が今作でも光ってゐるわけではない。
このアニメ映画でいちばんおもしろいのは、後半で赤ん坊の正体が明らかにになってからの捕物だ。さすがアクションはしっかりしてゐて、このひとは脚本よりやはり演出がうまいとわかった。
そしてカタルシスは感動した。ひいきめに鼻につく通俗性よりも、このカタルシスは評価する。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
見ていて心地の良い映画。ストーリーも展開も良かった。
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家出娘とオカマ(作中まま)とオッサンのホームレストリオ。
家族のように暮らす三人が、赤ちゃんを拾って起きる様々な出来事。
年末の東京のお話。アニメにする意味があるのかというくらい、日本の社会を見事に描き、人間臭さがめいいっぱいあふれ出ている作品です。でも、これはぜったにアニメじゃないとダメだと思います。実写だったらこの作品のよさは出ないと思います。
内容は文句なしに面白いです。見るなら作品と同じ年末に見るのがおすすめです。 -
ストーリー
『PERFECT BLUE』『千年女優』の今敏監督による長編アニメーション第3作。クリスマスの夜、ゴミ捨て場で赤ん坊を見つけたのは、3人のホームレス―かつて競輪選手だったというギン、元ドラッグクイーンのハナ、そして家出少女のミユキ―だった。赤ん坊の母親探しをはじめた3人は、さまざまな事件に巻き込まれることに。やがて母親を見つけるのだが…。現代の東京を舞台に繰り広げられるドタバタ喜劇、いやむしろ“ドタバタ奇跡”と言うべき物語だ。
東京の街をリアルに描き込みながらも、アニメらしい誇張表現を多用して、カジュアルな雰囲気の作品になった。めまぐるしく転がっていく状況の中に3人の過去への清算を巧みに織り込みながら進んでいく脚本(今敏と『カウボーイビバップ』の信本敬子の共作)が見事だ。音楽を担当するのが鈴木慶一とムーンライダーズの面々という人選はニヤリとさせられるところ。あたたかい余韻の残る佳作となっている。(安川正吾) -
TVにて
ホームレスの3人が赤ちゃんを拾って始まる悲喜劇.ぐるっと回ってドタバタ大円団.よくできた脚本で,面白かった. -
すごいよかった…!
2021/12/06
めちゃくちゃいい -
2021/4/1 再見。
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クリスマスの奇跡。
上質な伏線が繋がって繋がって、エンジェルがたくさんの幸せな奇跡を起こすお話。本当に惜しい人を亡くした。この監督のアニメをもっと見たかった。
ハナちゃんめっちゃ好き。長生きして欲しい。
自称・元競輪選手のギンちゃん、元ドラァグ・クイーンのハナちゃん、家出少女のミユキ、三人は新宿の公園でホームレス生活を送っていた。クリスマスの晩、ハナちゃんの提案でゴミ捨て場にクリスマス・プレゼントを探しに出かけた三人は、赤ちゃんを拾う。赤ちゃんに「清子」と名付け、自分で育てると言い張るハナちゃんを説得し、三人は清子の実の親探しに出かける。