地下鉄(メトロ)に乗って THXスタンダード・エディション [DVD]

監督 : 篠原哲雄 
出演 : 堤真一  岡本綾  常盤貴子  大沢たかお 
  • ジェネオン エンタテインメント (2011年10月17日発売)
3.22
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本棚登録 : 653
感想 : 157
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988102344931

感想・レビュー・書評

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  • 2006年公開作品。原作は、かなり以前に読みました。おおまかなストーリーは覚えています。あまり原作を意識しないで鑑賞しました。ありがちなタイムトラベル物では、あるのですが。私は好きです。誰もが、もう会えない親族や友人に会いたい。そして話してみたい。若い頃の父の苦悩や生き様を見てみたいと考えるのではないでしょうか。父との確執を抱える主人公が、誤解を解き真実を知るストーリー展開は、さすがに浅田次郎さんだなと思わせます。そして、私自身が物語の重要な舞台になる新中野に一年ではありますが暮らしていたこと、鍋屋横丁を歩いていたこと。青山一丁目の会社に勤めていたこと。エンドロールで衣装協力をしている会社に勤務していたことなど。なんだか縁を感じたことも、より近しい感情を持った理由かもしれません。それから岡本綾さん、引退が惜しいですね。朝ドラの「オードリー」の頃からのファンです。いい女優さんなのになあ。蛇足ですが、主人公は父親と一度もキャッチボールをしたことがないようですが、私は生前の父と一度だけやったことがあります。父に会いたくなりました。

  • 父との途絶えた想いを辿るファンタジー。

    25年前に家を飛び出して以来、父との確執がほぐれて居ないサラリーマンが主人公。
    父が倒れたと一報を受けた夜、地下鉄の駅への地下道を歩いていた。その時何故か父の風貌を感じさせる男の姿を見かけた。後を追った彼が辿りついた所は、終戦後の町だった。
    家族を守る為、強く生きる為に必死な父の姿を辿る事になるが・・・・。
    堤真一主演で中年男が父への途切れた愛を求める心を描いたファンタジー。
    中年のオヤジさんも若い方で父親の想いを理解したい方にもオススメです。

  • 以前テレビでながら見をしたので少しは知っていたが、概ね新鮮に見る事が出来た。原作未読。
    駅から地上に出たらタイムスリップしていた、という最初の設定はまあまあ自然だったが、それ以降は、地下鉄の走行シーンが唐突に流れタイムスリップするようになるのが腑に落ちない。現在に戻るのは寝起きだったりするし、一貫性がない。
    ともあれ、反発していた父親の人生を、実際に近くで見る事によって理解していく、というストーリーは良かった。が、みち子が愛する人の幸せのために母親を流産させて自分の存在を消す件はもやもやが残る。真次は腹違いの妹と愛人関係にあったのか?その点を原作で確認したいと思った。

    • yhyby940さん
      はじめまして。確かに過去に戻る瞬間に何度も流れる地下鉄の失踪シーンは目障りな気がします。
      はじめまして。確かに過去に戻る瞬間に何度も流れる地下鉄の失踪シーンは目障りな気がします。
      2021/10/22
  • みち子役の岡本綾良かったなぁ。ググってみたら、中村獅童が浮気をして竹内結子との離婚のきっかけになった女優だった。ふたりともキレイだ。どうやら女性の趣味は中村獅童と似ているらしい。ところでみち子はなんで死を選んだのだろう。惚れた真次が腹違いの兄だったから?それがお時に喜んでもらえるような幸せではなかったから?そりゃ結婚して子どもを儲けてってわけにはいかないけど、そもそもふたりは不倫関係だし明るい未来は期待しちゃいなかったんじゃないだろうか。さすがに兄妹はダメってことなのか。でも産まれずして死んじゃうというのは賛成できないなぁ。
    そして岡本綾がすでに引退していて、彼女の最新作は観ることができないってことも残念だ。不倫ってのはどうもいいことがないらしい。

  • 小説は読んでいない。堤さんが好きなので、前から興味があり見てみた。

    雰囲気はとても良い。
    SFチックな内容なのだが、設定や展開は曖昧で唐突。
    時代設定やシーンのセットなどに雑なところも目立つ。
    それが気にならないほどの
    力のあるストーリーかといえばそうは自分は感じられなかった。

    真次がタイムスリップする理由はまぁ曖昧でも良いとしても
    突然みち子もタイムスリップするのは説明が欲しかった。
    過去にいたりいなかったり、時系列や条件が謎。

    アムールが突然現れたりいなくなったりする真次を
    無条件に信じてくれるのも、あまりにも都合が良いかなと思う。

    タイムスリップする度に遡る真次はアムールこと佐吉に
    易者として勘違いされ、彼を励ます言葉を贈り、それなりに
    時代の流れに干渉してしまっている。
    真次もみち子も歴史を変えてしまうことについて
    躊躇がなく、感情だけでやりたい放題で、
    特にラストのみち子の選択はあまりに唐突で悲しく
    また自分勝手でもあると思った。

  • 地下鉄がタイムマシンになって現在と過去を行ったり来たりするお話。過去に向かい自分より若い父親と母親に会う。主題歌Salyu「プラットホーム」が良かったです。曲の印象は森田童子「ぼくたちの失敗」とちょっとかぶりました。

  • 大沢たかおの熱演にぐっとくることはあっても、ストーリーはつまんなかった。

    田中泯の存在感にぐっとなっても、米軍兵でぐっと冷める。

    キャストも豪華なのになんだかな。


    実は熱い心の持ち主のとーちゃんだった、ということがタイムスリップすることによってわかり、不倫相手が腹違いの妹だとわかりました。

    で、母の幸せと好きな人の幸せと天秤にかける
    と愛人に言われてもなんかピンと来ません。

    オムライスの使い方とか、腕時計の使い方も半端だった気が。

    不倫が罪で愛人(腹違いの妹)の死が罰ってこと?

    何を感じればいいのかがわからないなー。
    読解力の低さ故かしら。


    (2006)

  • 原作は随分前に読了。あまり覚えてないんですけど、こんなドロッとした話でしたっけねぇ。 

    父と半目する息子がタイムスリップして若き父と出会って和解する物語。東野圭吾「トキオ」や「フィールド・オブ・ドリームス」なんかを思い出す設定。これは普通に作れば感動的な話に仕上がる「必勝の話型」ですね。

    交通事故で死んだ兄や主人公の愛人の出生の秘密などが絡み、物語としては飽きはこないんですけど、「和解の物語」という焦点がぼやけてしまったのような気が。もっとベタな泣かせの物語にすればよかったのに、なんかモヤモヤする。

    もともと「ご都合主義」の物語なんですけど、主人公があまりに都合よく決定的な場面にタイムスリップして、父親らの秘密が都合よく明らかになるという展開の繰り返しも何だかなぁという感じです。

  • salyu主題歌ツアーその二。初演当時見て以来六年ぶりに主題化目当てで見ました。結末を知った上で見てるので序盤から伏線に気がつき、うわっ、切ないなとたまらなくなったりした。
    でも最初はラストまで長いなあ主題歌遠いわぁとぼんやりみてたんだけども、だんだん真面目に画面を見つめるようになっていってじわっときたりしました。つらい。なんだか全体的に寂しくて、哀愁が漂ってて、でも優しいなあと思いました。
    ハルフウェイに引き続き大沢たかおがいい味出しすぎててつらい。いっちばんいいシーン、雨の中のバーのシーンで気づけばぶわああっと泣いていた。長男を亡くしてつらいけど、言わない。家の中では言えない。ここで、という感じ。
    そのあと、男女の対比がまたこれに拍車をかけてていいなあ。父と息子じゃ語らず、煙草に火をつける。母と娘は問いかけをして、答えを出す。
    父も息子も言葉が足りないのです。
    どうにもならない、ああいう感じが悲しくてもう。自分で自分を殺してしまうのって、愛なのかもしれないけども、ほんとにそれでよかったのかなぁ。とも思ったりした。
    今度こそ原作読みたくなりました。

  • 日本映画専門チャンネルで視聴。

    浅田次郎の原作は未読だが、この映画は非常に良い。
    5年前ぐらいに、メトロに岡本綾のポスターが貼られていたことを覚えているが、メトロを使ったSFというのが面白い。

    兄の死を巡る父子の確執と、自分と自分の母を捨てた父。不倫関係にある2人は、田中泯演じる野平先生を軸として、タイムスリップして戦中戦後の時代が生んだすれ違い、父の姿、2人の関係などの真実を知ることになる。

    岡本綾という女優は、この作品を最後に、本当に芸能界から消えてしまった。しかし、消える前にこの役を演じたということに数奇なものを感じる。「お母さんを秤にかけていいですか?」という台詞。父親を知らないみち子が愛してしまったのが、自分の異母兄弟であると知り、その気持ちを止めることが出来ない。「私はあなたにヤキモチを焼いている」。自分の存在を愛する人の記憶から消すことで、愛する人の幸福を成就させるという、なんという切なさ。「あの」シーンの表情は、渾身の演技だと思う。

    再度、野平先生と再会し、メトロに乗る真次はそうして再生する。記憶の外に消えたポケットの指輪が唯一の愛の証なのだ。真次は実の父と和解し、自分の子とキャッチボールをする。

    篠原哲雄といえば、「月とキャベツ」「天国の本屋」。儚い女性を描かせると天下一品。映画の構造上の問題はいろいろとあるが、この観終わった後の余韻は素晴らしい。円熟期と思える。これだけの作品を作り続けているのもうなずける。

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