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- / ISBN・EAN: 4988135804396
感想・レビュー・書評
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公開当時から気になっていた作品。
「人生にルールなんてない」という言葉が心に残った。何かを始めるときに遅すぎるということはない。早すぎるということはない。生きたいように生きればいい。そんな風に生きられたらいいなあ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ベンジャミンとデイジーは、一般的な形での幸せは味わえなかったと思うけど、世界で彼ら以外に味わうことのできなかった幸せの味は知っているんだと思う。
ベンジャミンの最期が、デイジーの腕の中だったのが、私の中では凄く印象的な場面。
実際ずっと一緒にはいられなかったし、永遠なんて信じるのが難しかったと思う。それでも、人生の幕を閉じる瞬間に、ベンジャミンはデイジーに抱かれ、デイジーはベンジャミンのその人生と向き合い、寄り添っていた。それが、とてもよかった。
大切な人と、同じように年数をかけて年をとっていくこと、
積み重ねていけることの愛おしさを、とても感じた。 -
お互いに小さな失敗を繰り返して、それぞれの世界で適度に好き勝手に生きていて、でも大事なときにはちゃんと結ばれていいなあとおもった。
設定はファンタジーなのに
二人が人並みの醜さ未熟さを持っているところのリアルさと、
静かなエンディングがわたしはすきです。 -
時が重なるのはほんの一瞬で切なくなる。けれど彼のように遡っていようといまいと、出逢いがあれば必ず別れの時は来る。今この瞬間、大切な人たちと共有する時間を大事にしたいと思いました。
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デイジーの事故時の描写
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予告編は面白そうだったのに実際に見るとパッとしない、というよくあるパターンでした。
主人公は優柔不断でセックスにルーズな性格。「快楽は金で買える」とか言っちゃう。ヒロインの貞操感もどっこいどっこいですが、主人公がクズすぎるのでそんなに目立たなかったと思います。
雰囲気を楽しむ映画と割り切ってみればそこそこ良かったです。
しかしベンジャミン…殴りたい。 -
ただのエンターテイメントだと思う。でもなぜだろう、最後の最後のあの演出で涙腺がゆるんだ。それがいったい何故なのかわからなくて、悔しかった。ただのエンターテイメントかと思っていたけど、ちゃんとした主張があったんじゃないか?と考えるとすぐにわかった。今までやってきた何もかも職業も家柄も性別も関係なく、どんな『数奇な人生』を送ろうと『永遠なんてないんだ』。簡単なことだけどみんな知ってるだけで気づいていない大切なこと、タイトルの付け方最高です!
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生とは、死とは、人生とは...。人が生きる以上誰しも逃れることのできない根源的で普遍的な問いを、ベンジャミンという「数奇な人生」を通して描いた作品。
人は死すべきものとしてこの世に生まれ、そしてこの世を去る。そこで人は人に出会い、それぞれの人生が交錯する。それはちょうど時計の針同士が重なり合い、また離れていくことに似ている。だから、ベンジャミンの針が例え逆に回っていたのだとしても、本質は何も変わらない。そこで人は出会い、重なり、去ってゆく。それが互いに自らの人生を生きるということなのだろう。
劇中では、ベンジャミンがインドに行ったこと、ラストに水が流れ込むシーンなど象徴的な場面が多い。特に、逆に回る時計が針のないデジタル時計へと取り換えられたことは、今を生きる私たちに何かを投げかけている。
「老い」とは身体的な衰えのみならず、精神的な喪失の過程でもあるのだろう。言い換えれば、人間のどうしようもなさ、儚さ、哀しさ、脆さ、そして愛しさが時や水の流れの様に訪れては去ってゆく事実を正面から受け止めなければいけないということだ。
本作はそういった喪失の過程を悲劇としては描いていない。あるものをあるがまま、まるのまま受け止め、そして愛しむ。それは「あなたにも必ず居場所はある」と言ってくれているようでもあった。。ある程度人生経験を積んだ、大人の作品だと思う。