悪人 スタンダード・エディション [DVD]

監督 : 李相日 
出演 : 妻夫木 聡  深津絵里  岡田将生  満島ひかり  樹木希林  柄本 明 
  • 東宝
3.62
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988104065643

感想・レビュー・書評

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  • 解説:

    朝日新聞夕刊に連載され、毎日出版文化賞と大佛次郎賞を受賞した吉田修一の話題作を映画化した犯罪ドラマ。

    九州のとある峠で起きた殺人事件をきっかけに、偶然に出会う男女が繰り広げる逃避行と愛を息苦しくなるほどリアルに描く。

    監督は、『フラガール』の李相日。

    罪を犯してしまう肉体労働者と彼と行動をともにする女性を、『ブタがいた教室』や大河ドラマ「天地人」の妻夫木聡と『女の子ものがたり』の深津絵里が演じる。

    原作で巧みにあぶり出される登場人物の心理がどう描かれるのか、実力派俳優たちの共演に期待が高まる。

    若い女性保険外交員の殺人事件。

    ある金持ちの大学生に疑いがかけられるが、捜査を進めるうちに土木作業員、清水祐一(妻夫木聡)が真犯人として浮上してくる。

    しかし、祐一はたまたま出会った光代(深津絵里)を車に乗せ、警察の目から逃れるように転々とする。

    そして、次第に二人は強く惹かれ合うようになり……。

  • 出会って二度会ってるくらいでいきなり自分の人生を賭けてしまうような恋愛に発展するという設定にうまく乗れない。深津絵里だと情の深そうなとこがあって納得できなくはないが、逆に金髪が全くにあってなく、どう見てもミスキャストの妻夫木聡に魅力を感じない。

    もともと出会い系のサイトで本当の出会いを求めてる女性の存在というのがウソっぽく、今時の人かと思ってしまう。そのあたりもう少し説明してもらわないと。

    となるとハードルが高いほど恋愛が燃え上がる法則で、逃避行という普通の人生では経験できない状況が恋をさせてるように見えてしまう。

    もともと彼女のことが好きなら男は自首すべきだった。殺人を悔いるなら自首すべきとこだ。二度の間違いで話がややこしくなる。

    面が割れてるのに電話をかけに行くとか、逃亡する恐れがあるのに見張りをつけていないとか、そのわりに逮捕に行くのにはすごい人数が参加するとか父親の柄本明は犯人を殺しには行かないなど逃避行ごっこに周囲も協力的だ。

    祐一は悪人かという問いだが、こうした犯罪者に対して同情するというような映画が日本映画は好きで、感情過多になり自己憐憫に溺れていく。悪人とは何かという難しい問題を、犯罪を犯したからといつて悪人ではないというレベルで語られても反応のしようがない。

    それよりは柄本明が途中で語る大切な人論のほうが幾分かまし。みんな大切な人のために必死に生きているんだという視点だ。主役の二人も柄本明も樹木希林もその視点だとうまくまとめられる。

    しかしそれも考えみれば当たり前のことで画面としては伝わるけどメッセージとしてはピンとこない。

  • 日本アカデミー賞を取ったり、高評価の作品で期待したが、それほどでもなかった。現代は、好きな人が出来にくい時代というようなセリフが印象的だった。

  • とりあえず言いたい、「何故イカの目からズームアウトするのか、と」

    評価の高い作品ですが、イカの件が意味不明過ぎて全然集中出来ず…なんかもうすいませんという感じでした。


    —もとい。

    殺人は犯罪です。
    罪は、罪であり、罰せられるべきものです。

    たとえ、殺すに値する、そうせざる得なかった理由があったとしても。
    その人が全くの、「悪人」でなかったとしても。

    そうして世界が回ってることに、
    あなたは、疑問を感じませんか?
    当然のことと、本当に思えますか?

    あなたが加害者になっても。
    あなたの大切な人が加害者になっても。



    殺人事件のニュースが報道されない日がない今日だが、
    報道が伝える犯人像は、ほんの一部。

    全くの「悪」はあるのか?
    突き詰めたら、答えられない。

    凶悪殺人犯でも、
    美しい夕日に心を動かすこともある。
    誰かを愛することもある。
    そして、彼を愛する誰かが、どこかにいる。

    全くの「悪人」は、いるんだろうか。
    ただ、誰しもが、心のどこかに、「悪人」になる可能性を持ってるだけ。

    …まあ、そもそも、「悪」って何?
    というのを考えるとややこしいけど…それぞれの「正義」と「悪」があるのを知った上で、社会的規範としての「悪」が犯罪として決められている。


    何が何でも、殺人はいけない。
    理由なんて、本当はない。
    そう、決まってるから。


    正直、あたしは被害者女性の行動がすべてを招いたのでは?と思ってしまう。
    自業自得だろう、と。

    だけど、殺しちゃった以上、彼女は被害者であり、妻夫木は加害者になる。「悪人」と言うしかなくなる。

    褒められた人間でなくても、殺してしまったら、負け。
    語弊あるだろうけど、そうゆうことなんだ。

    煮え切らないけど、そうなんだ。



    某少年探偵が、「真実はいつも一つ!」って言ってるけど、
    本当は、「真実」はその人その人の中に様々ある。

    でも、「事実」は一つなんだろう。

    誰が殺したかという「事実」
    そして、人を殺すことは罪であるという「事実」

    「事実」に事情はいらない。
    というか、それを加味してたら、全員が「悪人」であり、全員が「被害者」になってしまうから。

    事実は事実として、絶対的でなくてはならない。



    でも、日本人は、割と加害者の殺人動機とか、背景の部分に関心が高いように思う。
    殺人事件の報道も、それこそ某少年探偵のストーリーも、大半は加害者の殺人動機や生い立ちに関心が集まる。

    責めるのはその人間ではなく、彼の犯した殺人という「事実」
    彼がどんな人間だろうと、殺人という「事実」は、ブレることなく、罪でなくてはならない。


    社会で生きてくには、本当に正しいかわからなくても、
    逃げられない「事実」と「罪」があるんだ。

    妻夫木に大切な人がいたら、
    「悪人」には、ならなかったんだろうか。

    大切な人がおるかね?
    というのは、そうゆうことなのかな。

    残念だけど、万人を大切には思えない。
    殺したいと思うような人間だって、いるかも知れない。

    それでも、本当に大切な人がいれば、「悪人」にはならないのだ。
    なれないのだ。

  • 「まあ、ほぼ『罪と罰』だなあ」という感想以上のものを抱かせてくれる作品であれば良かったけど、罪と罰をいかにも簡潔にしたような感じだと思った。
    原作を読んでいれば、映像上での感情の補足具合が違うのは承知の上だけど、なぜそこまで愛し合えたのかがちょっと理解しがたい…
    …とは思いつつも、理解しがたいのに激しく愛し合うというところが、現代の世の人間関係の希薄さとかを浮き彫りにさせるのかもしれないとか、ストーリーを振り返ってみて感じる気もする。

    あと、あの後ミツヨが普通に働き始めることができているというのが、あれ?という感じだった。
    何日くらい逃げたのか、ミツヨのことは報道されていたのか、ああもあっさり日常に戻れるものかなあ。

    そして久石譲はさすがだなと思った。

  • 出会い系で出会った男とすぐに寝て
    それから二日もしないうちに
    運命感じて何年でも待つよと言いつつ
    自首しようとする男を引き止め一緒に逃げすぐセックス
    光代ともっと早く出会っていればこんなことにはならなかった

    っておーい!

    誰かー!

    ほんとどうしかようかと思いましたけど
    何!この薄っぺらい展開!と

    佳乃が殺されるのは自業自得な部分もある
    うっかり殺してしまった祐一も悪い
    チャラチャラした増尾も相当悪い
    だからと言ってたまたま(二か月ぶり?)
    出したメールで会った二人が
    「本気でメールしたのに」とか言って
    (しかも最初は偽名だったのに)
    錯覚したような愛に逃避行
    そんな自分に酔っているうちに本当の愛になりました
    ・・・としか最初は思えなくて

    ただ祐一の親に捨てられてさびれた漁港で
    祖母に育てられたという孤独は
    だんだんわかってくるんだけど
    光代はただ寂しかっただけなんじゃないの?と

    何故だろう
    光代にだけ感情移入ができない

    それなのに引き込まれるのは出ている全員
    ほんと誰がどうとは言えないくらい
    全員の演技がすごすぎて

    光代が使った毛布を抱き締める祐一
    現場にまいてあったあのスカーフ
    そしてお弁当
    泣ける・・・

    一番の悪人は
    年寄り相手に漢方薬を売りつける悪徳商法の人たち
    悪意しかないマスコミ

    「今の世の中大切な人がおらん人間が多すぎる」


    【悪人 予告編】
    http://www.youtube.com/watch?v=lw-o2Pcivpk

  • ‘お前は そうやって生きていけばいい’

  • 久々の目黒シネマはこれと「告白」の二本立て。
    それぞれが話題性があっていい作品な上に、この二本を組み合わせるのはテーマが近くて良かった。

    悪人におけるメッセージが気になって、自分の中では
    ・大切な人がいるということの価値
    ・当たり前のことをどれだけ特別視できるか
    という感じの感想が一番想いを言語化できているのかな、と感じた。

    確かに今はなんだかんだ独りでも生きていけてしまう時代だから、ああやって非日常空間にでもしないと他人の不可欠性を描写するのは難しいのかもしれない。
    普通のラブストーリーや家族愛の話じゃこのレベルの深さは描けないし、
    陳腐に映ってしまう気がするから。

    深津絵里が受賞できた演技力は、この感じをリアルに、違和感なく表現できたところにあるんじゃないかと、素人ながらに感じた。

  • 小説をうまくまとめていると思う。というか出てくる役者さん達の演技がすごい!

  • 温かい飲み物を用意して、腰を据えて観て欲しい種類の映画。静かな展開な映画だが、とにかく全ての出演者の演技が丁寧で細かくて胸に響く。

    不条理が不条理過ぎず、悪は悪過ぎず、しかし愛だけは最高の純度で描かれている。深津絵里さんの役の純粋さと妻夫木聡さんの役の純朴さがとにかく切ない。

    描写はとてもリアルだけど、夢物語にも近い愛の突き詰めた形に想いを馳せてしまうそんな映画でした。

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