ワーク・シフト ─孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025> 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025> [Kindle]
- プレジデント社 (2012年7月31日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (430ページ)
感想・レビュー・書評
-
--読書メモ 2015/10/19--
・現状のまま2025年になった場合と努力した場合の2025年の未来予想図が書かれている詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
未来の働き方を形づくる5つの要因そしてそこから「漫然と迎える未来」の暗い現実と、「主体的に築く未来」の明るい日々を対照的に描きそのためには働き方をシフトすることを提案している。
要因1はテクノロジーの進化、1990年にはまだ社内メールはなく、携帯も持っていなかった。パソコンでできることも限られていてググるなんてできない。著者はこれから注目すべき10の現象をあげている。例えばバーチャル空間やAIなど。後10年で何が来るのか?おそらくすでにある技術だろうが。
要因2はグローバル化の進展、8つのポイントがあげられているがこれはもうほぼ起こっている。インドと中国がエンジニアと科学者の人材輩出大国になるというのはまだこれからだが。
要因3は人口構成の変化と長寿命化、中国で言う80后、子供の頃からITに馴染んだ世代が2025年には影響力を拡大する。(年齢的には当たり前だ)そしてベビーブーマーの一部は貧しい老後を迎える。
要因4は社会の変化、しかしこの中であげられている現象には「自分を見つめ直す人が増える」などよくわからないのもある。全般には家族のあり方を含め多様性が広がるというところだ。
そして要因5がエネルギー・環境問題の深刻化、二酸化炭素排出を抑えるためにテクノロジーの進化と合わせて会議はバーチャル空間で、モノも人も移動しなくなるというがそれはどうだろうか?
これらの要因から導き出される「漫然と迎える未来」では人々は時間に追われ、人間関係は希薄化し幸福感は減衰し、格差が拡大し新たな貧困層が生まれる。そして明るい未来を築くための3つのシフトがこれだ。
第一のシフトはゼネラリストから連続スペシャリストへ。テクノロジーの進化がゼネラリストを用無しにする。終身雇用は崩れるので希少価値のあるスペシャリストでしかも他の分野に転出する覚悟がいるとか。そんな人はいつの時代でも大丈夫だろうよ。その他大勢の解法にはならないような。
第二のシフトは孤独な競争から人的ネットワークを活かして、ポッセ(同じ志を持つ仲間)を作ること。充実したポッセの条件はいろいろ書いてあるがワンピースのルフィ一味とでも考えれば良いのだろう。
第三のシフトは大量消費=満足できる給与を捨ててでも、やりがいのある仕事と充実した経験やワークライフバランスを優先すること。そしてその選択を理解することだ。(理解したうえで忙しい仕事と高給を選ぶ人はいっぱいいると思うのだが)
要因については細かな差異を無視すれば方向は同意できる。しかし、そこから導き出される未来像がいまいちピンとこないものばかり。で、あまり共感はできなかった。ここに書かれた3つのシフトが実行できる人はいつの時代、どこであれやってけそうだしな。原初の発刊は2011年で書かれたのが2010年とするとすでに5年経っている。後10年で変わるものがどれだけあるかだが。 -
過去と現在の状況から予測できる2025年の社会を、目に浮かぶような描写している箇所が興味深い。確かにそうした社会変化の兆しは表れているし、それに近い状況が少なからず発生するのだろう。ただ、それが太い潮流となるのか、多様化の一端に留まるのかは分からない。とは言え、将来を見通す力をつけるうえでは参考になる書籍である。
時間と集中は重要で、プロになるには1万時間が目安という。1日3時間で年間1千時間、10年間で1万時間ということになる。そうすると、これから何かのトップになることを目指すと、1日何時間割けるかがポイントになるということだな。
仕事や職場は人生の一部ではあるが、重要な一部であることに違いない。それを有意義にすること、不愉快なものでなくすること、自らの能力伸長や社会貢献に展開すること、など、これまでとは異なる仕事の価値観と成果が求められるようになる。
近い将来には、どこで生まれたかではなく、才能とやる気と人脈が経済的運命の決定要因になる、というのは意味深い。とは言え、性別や人種、エリアおよびそれに起因する貧富の差は関連する要因になはるだろう。それでも突き抜けるのは、才能とやる気がベースにあり、それから積み上げる人脈が大切ということなんだな。
これから重要なのは、知的資本、人間関係資本、情緒的資本とされていたが、最後の情緒的資本とは、最近読んだEQと通底するものは同じ。自らをコントロールし、他社との関係をコーディネートできないと、自ら描く成功にはたどりつけないのだろう。
行動をシフトするには、①普段あまり行かない道を歩くこと、②人との付き合いの面でカメレオン人間になること、③プルを心がけること、とあるが、これらを実践しないといけないな。特に②は気を付けたい。
働き方のシフトのうち、第一のシフトは、高度な専門技能を磨き、自分ブランドを磨くこと。第二のシフトは、少人数の盟友グループ・バラエティに富んだ大勢のネットワーク、打算のない友人関係の3種類の人的ネットワークを育むこと、第三のシフトは、家庭や趣味、社会貢献などの面で充実した創造的経験をすることを重んじる生き方に転換すること、ということだった。これらは私個人にも大切だし、日本社会にも大切な考え方だと思う。 -
2025年、私たちはどのように働いているのか。ITがさらに進化した世界で、昼夜なく仕事に追われ、生身の人間と接することもなく孤独を感じる日々か。それとも、世界中の同志と議論を交わし、本当にやり甲斐を感じる仕事に打ち込める毎日か。どんな未来も、今なら選び取れる。そのためには、3つのシフトが必要だ。
-----
3つのシフトとは、ジェネラリストからスペシャリストへ、独占から恊働へ、消費から生産へ、という3点。既にいろいろな本を読んできてしまったので、よくよく考えたらさほど目新しい点はなかったな、という感想。「こうしなさい」という主張がある本ではないからかもしれない。さまざまな可能性を提示して、「あなたはどうする?」と投げかけるような本だった。
目新しくないとはいえ、シフトが簡単だという意味ではなくて。価値観にもよるのだろうけれど、2と3はかなり意識を変えないと難しいと感じた。 -
テクノロジーが発達する世界で職を見つけられるには、高いレベルの専門技術が必要
弁理士や企業の知財部員が行う仕事はどの程度機械に持っていかれるのでしょうか。
期限管理や書類の形式的不備チェックは、機械でできるでしょう。毎年法律が変わるといっても、それすら機械が適切に条文の意味を把握し、最新の法律に即したシステムを自分で構築するかもしれません。
明細書、クレーム作成はどうでしょうか。これも、ある程度は機械に任せられるのではないかと思っています。膨大なデータマイニングを使って、思い付いた技術を言葉として適切な表現に起こしてくれるかもしれません。
では、どういう仕事が人でないとできないのか。人と接して行う作業しかないのでは、と思っています。人と接して行う作業とは、他社との交渉や、アイデアの拡張などです。
機械に仕事を持って行かれないように、人でしかできない仕事をもっと模索したいと思います。 -
予想された未来の働き方は、個人が強くならなくては生きていけない厳しい世界で、その兆候は今少しづつだけど、現れてきていると思う。
-
ベストセラーだったので買ってみたけど、ビジネス書で良く言われている正論が書いてるだけで、新鮮さを感じなかった。飽きてしまい最後まで読めなかった。
これから社会に出る人たちへの啓発本としてはいいかも・・ -
二年前の本だったのか。某ブロガー主催のソーシャルリーディングで取り上げられていたのでなんとなく内容も含めて把握していた。
だからか、後半に進むに連れて段々と退屈になっていったところもある。
そんな私的な事情はさておき、本書で取り上げられている内容はどれも示唆に富むよい内容だった。
これまでの10年で世の中がどう変わったか。
そして次の10年がどうなるか。
ちょっと考えるだけでも希望と恐怖が入り混じるような状況だからこそ、冷静に自分の将来を考えるよいきっかけを与えてくれる本だと思う。 -
かなり、厳しいが説得力あるお話。
まずは自分の価値を差別化する。
そして、3つの人脈を持つ
価値観を変化させる。
根底にあるのは、増えていく選択肢をその選択の結果を認識したうえで自分の意志で選べるかということ。
いつの間にか温度が上がってゆであがってしまうようなカエルにならないよう、気を付けて人生を歩んでいこうと思う。