64(ロクヨン) [Kindle]

著者 :
  • 文藝春秋
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感想・レビュー・書評

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  • そこかしこで大絶賛でいろいろなところで昨年のベスト1にもなっていたので期待して読んでみたのだけれども……うーん、そーーーんなにすごい?と思ってしまった……。
    たしかにラスト近く、犯人を追うところはすごくサスペンスフルでおもしろくて時間を忘れて読んだけれども、それは本当にラストのほんの少しだけだったし。それよりも警察内部の刑事部と警務部の確執とかの話が長くて、くどく感じてしまって。単にわたしが会社とか組織内のあれやこれやに興味がないからかもしれないけど。刑事部に所属することがそんなに大切か、とか、警察組織をそれほど愛するとか誇りに思うっていうのがよくわからなくて。現実に、会社とか組織で働いている人なら共感できるのかもしれない……。
    マスコミ対応が大変だ、っていうところはよくわかったけど、現実もこんな感じなんだろうか。大騒ぎ、怒鳴り合いはもちろん、つかみ合い、大乱闘みたいな。警察もマスコミも自分の仕事や保身が大事で、事件解決自体はどうでもいいみたいな……。ちょっとがっかり。

    海外ミステリと比べてもしょうがないけど、海外ミステリだったらこういうマスコミ対応のあれこれなんか、皮肉なユーモアとかで、もっとエンターテイメントにするんじゃないかなあとかもちらっと思ったり。

    そして、結局、最初の問題は解決していなくて、まあ受け入れられなくはないんだけど、なんかすっきりしない……。

  • 面白い。

    読んだ本が二冊連続で当たり。うれしい。この本もTwitterで教えてもらいました。ニッポンの書評もそうなので、紹介してもらった本があたりと言うのを「SNSフィルタリング効果」と名付けたい。

    この本。話の終盤までは何の話だか正直わかりません。人々の心の読み合いが続きます。そればっかりなので主題が何なのかわかりません。ところがこれは結構面白い。推理ものの謎解きがバスバスでてくる感じの面白さがあります。なので、この本はこういうものだとずっと思って読むのですが、あにはからんや、本筋も終盤でびしっと通ります。こっちも相当おもしろい。

    しかし、あえて。あえて苦言を呈するなら。ちょっとおかしいところがあります。出てくる人達はすべて人との情報交換を120%以上でこなしています。これは変。普通、人は話している内容の30%程度しか理解できないはずなので、理解できない部分を棚上げして逡巡することが頻発するのですが。全くそのような場面が記述されていません。というか、人の心を読む人達ばっかりなので、120%理解した関係が続きます。この濃厚な人間関係は正直、うっときます。これは息苦しい。

    ただ、この部分だけが残念なところで、それ以外はとても面白い。ぜひ読むべきです。

  • 後半のスピード感はすごい。重ねられた伏線が一気につながる

  • 初めてのWeb書籍。読み始めてみたら予想に反してほとんど抵抗がなかった。
    警察物は組織をどのように取り上げるかで、全然違った切り口になり、それなりに興味深く読める。
    警察のミスで未解決の事件の被害者が加害者になる、それだけなら珍しくない設定だが、警察の広報官を主人公にし、刑事部と警務部の対立も盛り込み、また、主人公の家庭事情も絡めて話に厚みを出している。
    思わず一気読みした。満足。

    • koba-book2011さん
      めちゃくちゃ読むの早くないですか?えー!
      どのくらい、イッキ読みしたんですか?一日?
      僕は楽しみにしていてまだ読めていないです・・・。
      スマ...
      めちゃくちゃ読むの早くないですか?えー!
      どのくらい、イッキ読みしたんですか?一日?
      僕は楽しみにしていてまだ読めていないです・・・。
      スマホで読んだんですよね?
      2013/01/13
    • chapopoさん
      はい、スマホで。
      正確に言えば、通勤の帰り、駅からのバス二回と、家に着いてから翌日にかけての深夜と、翌朝食後…でしょうか。
      最初の様子見の段...
      はい、スマホで。
      正確に言えば、通勤の帰り、駅からのバス二回と、家に着いてから翌日にかけての深夜と、翌朝食後…でしょうか。
      最初の様子見の段階では、Aにも、Web本棚の表紙が小さくて、私の今の視力では、夜のバスの車内灯下では本棚の本が選べない等と泣き言を言ったのですが、コツを掴んでしまってからは一気でした(笑)。
      ありがとうございます。

      2013/01/13
  • 超長かったけど、むっちゃ面白かった。横山秀夫らしい激骨太警察小説。主人公が広報官というのがまたよい、キャリアと叩き上げ、本庁と県警、刑事部と警務部、マスコミと警察、様々な対立と未解決事件64が複雑に絡み合いつつ最後には見事な場所へと収束していく様は圧巻だった。

  • 地方警察が舞台。警備と警務という、いわば現業と、間接部門の対立。本庁と、地方の関係。過去の未解決誘拐事件と、最後に起こる類似誘拐事件。美人の誉れ高い妻と、鬼瓦の自分に似ていることを苦にして失踪した娘。高校時代には剣道部の補欠だったがエリート街道を進む同期と、刑事に復帰したい気持ちをひきづったままの広報官の主人公。様々な対立項が複雑に錯綜する中で、14年前の事件が警視総監訪問に合わせて不気味に蘇る。一気に読める。すごい筆力に感嘆する。

  • 疲れた・・・。
    でも、やっぱり目が離せない。
    毎晩、歯を磨きながら、お風呂の中で、髪を乾かしながら、寝る直前まで読まずにはいられなかった。
    なぜ?
    途中、三上の心の動きを追うのが億劫になってくる面もあったけれど、それが次にどうつながるか、気になって気になってやっぱり読まずにいられなかった。
    これがきっと横山秀夫の世界?
    たぶん、違う作品もまた読む。
    そんな気がする。

  • 圧巻。
    これが横山ワールドなのか...

  • 初Kindle Paper Whiteで読んだ1冊。紙で読むのと遜色なく感じた。内容は盛りだくさん、いくつか謎なまま物語は終わるが希望と絶望がない交ぜになった状態、これもまた現実なのかもしれないと思った。

    このミスで1位も納得。警察小説として新しい視点が新鮮だった。

    Kindle Paper Whiteについて1点。「xx %」が常に右下にあるのが気になった。あとどんくらいか?がリアルに分かってしまう。気にしなければいいだけかもしれないが…。

  • kindle本で読了。このミスの国内版で第一位ということで期待して購入した。プロットは非常によく出来ていて、エピソードの重なり具合も秀逸。映画向き。ただし、現実はここまでドラマチックではないよなぁという印象もあり、星4つとさせていただきました。

著者プロフィール

1957年東京生まれ。新聞記者、フリーライターを経て、1998年「陰の季節」で松本清張賞を受賞し、デビュー。2000年、第2作「動機」で、日本推理作家協会賞を受賞。2002年、『半落ち』が各ベストテンの1位を獲得、ベストセラーとなる。その後、『顔』、『クライマーズ・ハイ』、『看守眼』『臨場』『深追い』など、立て続けに話題作を刊行。7年の空白を経て、2012年『64』を刊行し、「このミステリーがすごい!」「週刊文春」などミステリーベストテンの1位に。そして、英国推理作家協会賞インターナショナル・ダガー賞(翻訳部門)の最終候補5作に選出される。また、ドイツ・ミステリー大賞海外部門第1位にも選ばれ、国際的な評価も高い。他の著書に、『真相』『影踏み』『震度ゼロ』『ルパンの消息』『ノースライト』など多数。

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