- Amazon.co.jp ・電子書籍 (374ページ)
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
なぜ人間は、5大陸で進む道が異なっていったのか、生物学や言語学などの観点で説明される。
圧倒的な知識見分から論ぜられる分析は、人文学的な解釈(共同幻想)が多い「サピエンス全史」を上回る根拠を感じる。
ちなみに、ひろゆきが選ぶ人生ベスト1が当著「銃・病原菌・鉄」。
----------------
一部の人種が今では圧倒的に優位になったのは、地形や動植物相を含めた「環境」差である。
たとえば、密林で狩猟・採集生活をしている人々は、そこで生きるための豊かな知恵をもっている。
だが、これは外の世界では通用しない。
他文明を征服できるような技術が発達する条件は、定住生活にある。
植物栽培や家畜の飼育(栽培化・家畜化しやすい野生種はユーラシア大陸に偏在)で人口は増加し、余剰生産物が生まれる。
▼
生産物の管理のために、役人や軍人、技術者といった専門職が発生し、情報を伝達するための文字も発達していく。
東西に長く大きなユーラシア大陸は人口が多く、競合する社会の数も多かったため、技術の発明や改良に有利。
地形的にも、他文明の技術を取り入れて利用できる交易路も確保されてきた。
▼
また、家畜と接することで動物がもたらす伝染病に対する免疫力も発達していた。
遊牧民と違い、人口稠密。
南北アメリカ、オーストラリア、アフリカと決定的に違っていたのは、まさにこれらの要因だった。
----------------
結局は、人口増加の要因があり、実際に爆発的に人口増加された地域が文明が大進化、変化するタイミング。
移住・順応・人口増加のサイクルこそが「大躍進」への淘汰の過程そのものであり、発展の礎である。
----------------
最終的に著者、人種による生物学的な優劣は存在しないとしている。
過去500年間、世界を支配したのがヨーロッパ人であったのは、ヨーロッパ人が生物学的に優れていたわけではなく、単に地理学的要因に過ぎない。 -
オーディブルで聞いた。最初の色々な人種の移動のところはあまりたまに入らなかったが、家畜化の話や病原体の盛衰の話は面白かった。
-
人類がどのような経緯をもって進化し地域格差を生み出したのか理論とファクトベースで書かれている。読み応えがあり面白い。
以下、印象的な一文
「歴史は、異なる人びとによって異なる経路をたどったが、それは、人びとのおかれた環境の差異によるものであって、人びとの生物学的な差異によるものではない」 -
サピエンス全史を読んだときと同じような感想を抱いた。人間ははたして農耕民族となったことで、生物界の頂点には立てたが同時に何を失ったのだろうか。
-
歴史を読み解きながら、考える力がつく良書。
-
「現在世界に見られる、一部の民族集団の経済的・文化的優位は、なぜ生まれたの?」という疑問に、主に科学的なアプローチを用いて徹底的に答えてくれる本。上巻は食糧生産と、それを由来にした社会形成の関係性を論点にしたものが中心となっていた。この巻でなされた前提に関する議論が、次巻でどのように展開されてゆくのかが楽しみ。 訳文が、直訳っぽくて多少読みづらく感じるが、元々平易な文体で書かれていると見られ、読むの自体はそこまで大変ではなかった。一般向けの歴史・科学の本として面白い。
-
途中でやめた