フランケンシュタイン (光文社古典新訳文庫) [Kindle]

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  • まだるっこしさが故に、関心が読みながら薄れてしまう

  • 1800年代前半といえば、日本の江戸時代末期。スイス、ドイツ、英国、北極圏?と意外なスケール、また重層的な語りで物語が展開。(語りは冗長でちょっと退屈だが) 94年版の映画は見た事があるし、伊藤潤二の短編漫画も読んだが、本小説とはだいぶ違う。かなり身勝手な創造主のマッドサイエンティストとその被創造物のモンスターの苦悩、対決、絶望の悲劇的な話し。ただ正直フランケンシュタイン(創造主の方)には1mmも感情移入出来なかった。むしろモンスターの孤独にはちょっと同情してしまった。いずれにせよ、怪奇小説、SF小説の金字塔であることは間違いないと思うが、ホラー的な怖さはない。

  • 風光明媚な景色が目に浮かぶ美文。読む前は陰鬱で凄惨な文章を想像していたがどの場面も紀行文のように美しかった。科学者である青年フランケンシュタインは死骸を繋ぎ合わせて人間を作り出すが、ついに命が宿った瞬間その醜い姿に恐れをなして研究室から逃げ出してしまう。人間からの愛に飢えた怪物はやがてフランケンシュタインのもとに再び姿を現し……。
    徹頭徹尾、フランケンシュタイン青年が自己憐憫と自己防衛の念に駆られているのが胸糞悪い。自己顕示欲と挑戦心から命を作り出したのは紛れもなく自分であるのに、責任を果たさずぐずぐず己の不幸を嘆くばかり。「おれを作り出した義務を果たせ」「同じくらい醜く同じ欠陥を抱えた伴侶がほしい。そうすれば二度と姿を見せない」と訴える怪物の話にフランケンシュタインは一度耳を傾けるものの、結局は約束を破って怪物の伴侶を作るのをやめてしまう。その結果最も大切な友と妹(妻)を失って初めて怪物を殺す決意をするが、結局は他者への愛よりも憎悪が彼を動かしたのだと思うとやるせない。また人間からの愛を求めてやまなかった怪物も、結局は創造主からの憎悪を受けて逃げ続けている間が生まれて初めて他者から必要とされて生の意味を感じていた時間であったのじゃないかと思う。

  • 何度もメディア化されているホラーの名作。
    禁忌を犯して人造人間を生み出し事に後悔の念を抱く、天才科学者フランケンシュタイン。
    知性や感情を獲得し人間との交流を求めたが、醜い見た目で人々から恐れられ、自身の望まぬ誕生に苦悩する人造人間。
    フランケンシュタインの周りで起こる殺人事件は人造人間の仕業なのかー?
    フランケンシュタインへのイメージが変わること間違いなし!!
    ホラーが苦手な人にこそ読んで欲しい、切なさ満点の物語です!
    秋の夜長に、人間と怪物のほろ苦いお話はいかが?

  • 開発と科学、創る者と創られる者の関係を考える一冊。
    200年前の19歳の少女が書いた本と想像し難いほど、余韻がある。

    印象深い一文:「私の教訓はともかく、せめて私の実例を見て、学んでいただきたい。知識を得るのがいかに危険なことが、そして、自分の故郷が全世界だと思っているような人間のほうが、自分の本性が許す以上のものになりたいと憧れる人間よりも、どれだけ幸せかということを」。

  • 2018/11/18読了。

  • 2016年8月30日に開催されたビブリオバトルinいこまで発表された本です。テーマは「ペット」。

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