苦海浄土 わが水俣病 (講談社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 方言が多用されており、詩のようなリズムと、生身の人間の生を描いたリアリズムがある。が、読みづらい。2巻、3巻と続くようだか、これ以上読む気にはなれない。

  • -2016.2.14
    星五つは全ての人に勧める本、といふ基準で付けてゐるので、これも五つ。ただ、多くの人達からの聞き書きやルポルタージュが相互の関係を明示せずに並んでゐるので、編集前のやうな印象を受けた。意図的なものかも知れないが。
    熊本の漁師の豊かな自然に恵まれた生活と、水俣病に侵された後の暮らしとの対比が痛ましい。責任を認めようとしない政府や企業の姿勢や、水俣市民と被害者との対立など、今日の日本でも良く似た構図が繰り返されてゐる。
    少数の犠牲によりその他大勢が「豊か」になることは倫理的に許されない。ただ、世の中を動かすためには、倫理に訴へるだけではなく、さうした「豊かさ」は構造的な弱さを持つてをり、やがてその他大勢にも同じやうな被害が及ぶことを分かり易く示すことも大切だらう。地球温暖化は、さうした問題の一例だ。

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著者プロフィール

1927年、熊本県天草郡(現天草市)生まれ。
1969年、『苦海浄土―わが水俣病』(講談社)の刊行により注目される。
1973年、季刊誌「暗河」を渡辺京二、松浦豊敏らと創刊。マグサイサイ賞受賞。
1993年、『十六夜橋』(径書房)で紫式部賞受賞。
1996年、第一回水俣・東京展で、緒方正人が回航した打瀬船日月丸を舞台とした「出魂儀」が感動を呼んだ。
2001年、朝日賞受賞。2003年、『はにかみの国 石牟礼道子全詩集』(石風社)で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。2014年、『石牟礼道子全集』全十七巻・別巻一(藤原書店)が完結。2018年二月、死去。

「2023年 『新装版 ヤポネシアの海辺から』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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