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感想・レビュー・書評
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外務省のラスプーチンこと佐藤優氏が書く、世界史の読み解き方のガイド。過去の歴史的事象を現在の情勢のアナロジーとして捉えるというスタンスで世界史を学び、現状を理解するというアプローチを取っている。
戦争と冷戦の時代だった20世紀が終わり、21世紀は国際協調の平和な時代になるかと思ったら全然そうはならず、多くの国が排外的になっている。これはどうしたことかと疑問だったが、本書の説明を読むとだいぶ納得がいった。目から鱗とまでは言わないが、こういう見方をすると現在の情勢も特に不思議ではなく、なるべくしてなったのだと思える。
そして大変残念なことに、人類が順調に進歩して過去の失敗を繰り返さず平和な世界が実現するという希望は、実現しなさそうだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
面白い。
結局見方もだけど、色々学んで行かないと見えてこないなあと。 -
こういうご時世なので本棚にあった本を。
こういう流れがあっての今のロシアだなとそれなりの学び。 -
読むのに時間は掛かったが世界の状況を地政学に基づいて理解するのに適した書だと思う
イランがなぜこうなったか、
EUがどうして作られたのか
などなど、興味深いことが多かった。 -
一章で脱落。
1章新帝国主義
新帝国主義→アメリカが衰退した結果。植民地を作らない。中国、ロシア
豪→潜水艦がほしい。日本から購入。
ロシアの歴史教科書→帝国主義
イギリスの歴史教科書→自国が弱いと知っての帝国主義
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愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶのだ!
本書の主題は、複雑化する現代社会を過去の歴史(歴史はいつも過去だけれど)の類似点から未来を予測してみよう、ということだ。
現代はナショナリズムや民族意識による紛争が見立つようになってきたけれど、ナショナリズムとは何というところから出発して過去どのような経緯で現在が成り立っているのかというところに注目し、将来どうすればよいのかを検討する。 -
難しくほとんど理解できなかったが、チェコに関する記述が面白かった。
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アナロジー(類比)で歴史を見る。編年体では歴史は分からない。英国の歴史の教科書は相反する立場に生徒を置いて歴史を見よと教えている。翻って日本の歴史の教科書は知識は網羅すがそれでは歴史を読み取ることはできないという。なるほどね。
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現代の世界史における混迷の状況を、主に宗教紛争の立場から分析した一冊。
学生時代の専攻が宗教学だったこともあり、若干難しかったが勉強になった。 -
宗教と戦争 2016.7
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【久保田和男先生】
「世界史は、ビジネスパーソンにとって最大の武器である」という言葉ではじまります。世界史のすべての分野を網羅しているわけではなく、筆者の歴史見方「アナロジーによる世界史の見直し」が、近現代史(特に東ヨーロッパ)の過去と現在を往復しながら展開されます。その目的は現代社会の見方を研ぎ澄ますことであり、「歴史とは過去と現代の対話である」(E.H.カー)という歴史学の金言が思い出されます。だからといって、かれが歴史学者ではないところが、本書の面白いところ。本書の内容よりも筆者の人生の方が面白いかもしれません。かれは、執行猶予付きの懲役刑をうけた犯罪者なのです。インテリジェンスのプロとして外務省で活躍して彼は外務省と政治家をめぐる事件に巻き込まれてしまいます。外務省を追われた彼は、憑かれたようにベストセラーを連発し、論壇人として活躍するようになったのです。そんな佐藤氏の史観はきわめて穏当で鋭いです。高専高学年、専攻科生に一読を勧めます。この手の本は、自分のお金をだして購入し真っ赤になるまで書き込んでください。 -
外務省で情報収集されていただけある方の、世界史感は面白い。大変勉強になりました。
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導入部分の話や本の構成についての記述で期待したが、話が飛び飛びでついていけなかった。自分自身の知識不足もあるが知識のない人向けに書かれていないのでおすすめしない。著者の本は他にも読んでいるが、どれも何を言いたいのかまとまりのないものが多く身にならない気がしているので、今後はあまり読まないと思う。
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現代の歴史観を勉強するためにも、必読の書だといえるだろう。
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イランの世俗化からの原理主義への回帰という視点は新鮮だった。アナロジーで世界をとらえるという発想は後付けのようにも感じる。難易度が高いので再読してみたいが、『地政学で世界を読む』がすでにウクライナ危機を何年も前から予測していたのに対し、今頃論じられても著者のロシア関係の外交官の経歴が生きないのではと感じざるを得ない面もあり残念。比較して読みま押すと面白いかもしれないが、まとまった時間が必要だろうし他の知識を身につけてからのほうがいいかもしれない。
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1914年に始まった戦争の時代はいまなお続いている。
アナロジーとメタファーの違い
1、神には知恵がある(アナロジー)
2、神は獅子である(メタファー)
2008年を境目として、世界が新・帝国主義の時代に突入した。
自由主義の背後にはつねに覇権国家の存在があり、覇権国家が弱体化すると、帝国主義の時代が訪れる。
植民地を持たず、全面戦争を避けようとするのが、新・帝国主義の特徴です。
ファシズムとナチズムがまったく異なるものである。ナチズムはアーリア人種の優越性というデタラメな人種神話で作られた運動。それに対して、ムッソリーニにファシズムは
「イタリアのために頑張る者がイタリア人」と言ったように、ファシズムは人々を動員することで、みんなで分けるパイを増やしていく運動。
日本の選択は、帝国主義とファシズムを織り交ぜて、アイロニカルに述べるならば品格ある帝国主義を志向しなければならない。
日本は帝国主義国なのだから、均質な国民国家と思ってはいけない。沖縄という外部領域があるわけです。帝国主義国は外部領域を構造的に差別してしまうのですから、せめて帝国主義国らしいアファーマティブ・アクションをきちんとおこなうべきです。 -
不思議と眠くなる。
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「植民地を持たず、全面戦争を避けようとするのが、新・帝国主義です。」
佐藤優さんの本。内容の似たような本を大量に出しており、勝間さんや池上さんとかぶる。この本では、歴史に基づく新しい視点を提供している。それにより見えるつながりもある。 -
歴史の「大きな物語」を描く努力が必要。
アメリカは原潜しか作ってない。ディーゼル潜水艦を作ってるのはドイツ、オランダ、スウェーデンだが太平洋をまたにかけられる性能ではない。それができるのはロシアと日本。しかしロシアから買うわけにいかないから、オーストラリアは日本の潜水艦をほしがる。
対象の「内在的論理」を知ることが重要。
歴史には二種類ある。ゲヒシテとヒストリー。後者はいわゆる単純な編年体。前者は歴史を意味をもつものとして描く。ヨーロッパでは、神学部がないと総合大学を名乗れない。
EUの本質「コルプス・クリスティアヌム(キリスト教共同体)」これは、ユダヤ・キリスト教の一神教的伝統と、ローマ法、ギリシャ古典哲学という要素から構成された文化総合体のこと。 -
世界で様々な国籍の人と話したい、仕事がしたいと思うならば、歴史の理解は必要だ。
ちょっとした誤認が、人間関係を大きく揺るがす。例えば、イエスキリストが名前ではないってこの本で初めて知った。キリスト教徒の人にとっては常識なんだけど、キリスト教に興味を持たなかった自分には驚きだ。
もちろん、イスラム教徒間での争いも、歴史的背景を知る必要がある。民族の争いが戦争であり、民族の線引きは何か。原初論なのか道具論なのか、それ以外なのか。国も宗教も人が作ったものであるから、争いの元は人であると考えると悲しい。民族を考える上で、エトニという言葉があって、自分の名前と同性の人に親近感が湧いたり、同じ大学の人と仲間意識を持ったり、ナショナリズムを語る上で大切な言葉。
また、標準語も、出版業界が儲けるために普及させるようになったっていう時代背景や、資本主義は労働を対価として生きていくシステムであることなども面白い。 -
誰も歴史を俯瞰してまとめる作業をしなくなったことに危機感を提示したのは確か浅田彰だったと思うのだけれど、それから30年経ってますます危機的な状況に陥っていることに本書は継承を鳴らしている。
大変わかりやすく、まだ説得力のある内容だと思う。特に、帝国主義にすらなりきれない安倍政権の危うさを浮き彫りにしているところは見事だと思う。