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- / ISBN・EAN: 4589921401074
感想・レビュー・書評
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敗戦間近のドイツ、ヒトラーを中心に描かれた作品。アンネの日記についての本を小学生の時に読んだのがきっかけでヒトラーという人を知り、興味を持ちました。独裁政治をしていたヒトラーを崇拝した人がいたということは今でも興味深く感じます。しかしヒトラーも人間であるということ、負けているという現実を見て自業自得だと思っていく様がドキュメンタリーのように描かれていて見ごたえがありました。
独裁政治をしてすべての権力を得たヒトラーが戦争という闇に飲み込まれて破滅していく姿と、ヒトラーを崇拝している人たちが砲撃の中ダンスをして楽しんでいる姿を見て、日本を振り返ると・・・いつの時代も、結局、国のトップといわれる人たちは、国民のことは何も考えずに自分たちの私利私欲だけが先行しているのではないかと思ってしまいます。国民がいるからこそ、国民という大事な財産があるからこと国が成り立っているということをわかっていないとも思ってしまいます。
また、人間より怖いものはこの世の中にいないのかもしれません。人間が人間を恐ろしい魔物、怪物にしていることに人間は気づいていないことが多いと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最後の12日間なので、ドイツ軍が完全な劣勢状態から始まり、その後無惨に死んでいくのみです。栄枯盛衰がもう少しわかりやすいと良いと思いました。
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戦争映画はあまり好きではないが、現実に目を向けるために鑑賞した。総統の命令は絶対で 、そこに疑いを持ったら異常とされる風潮が恐怖だった。ナチスがどんどん追い詰められ、降伏するくらいなら自殺をするという人々の悲しい最期が描かれる。
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追い詰められたヒトラーが,側近が提案するにもかかわらず最後まで降伏を拒み続け,自殺したあとで自分の体を焼却するように部下に命令している…追い詰められても「まだ戦える」と思っているのは頭がおかしいのかそれとも本当にそう思っているのか。最後の12日間とあるが,ヒトラーが自殺してからも話は続く。その後も降伏か,徹底抗戦かで揉める幹部たち。
本映画は,ヒトラーの秘書だった一人の女性の語りから始まる。この人は,おそらくホンモノだろう。自分がナチスに加担したことについては,年取った今も,大きな重荷となっているのは当たり前だろう。
狂気的なヒトラーとそれに巻き込まれた指導者たち。その幹部のなかにはヒトラー信者もいるし,冷静な者もいる。町では愛国少年たちがお国のために闘おうとしている。子どもの純粋な心は戦争色にも染まりやすい。これはどこの国でも同じなのだろう。
外国の役者の顔を覚えるのが苦手なので,「あれ,この人だれだっけ」と思うことがたびたびあった。というわけで,もう一度,最初からじっくり観てみることにしよう。
《NHKプレミアムシネマ》の解説を転載
独裁者ヒトラーがベルリン地下の要塞で過ごした最期の12日間をドキュメンタリータッチで描く歴史ドラマ。「ベルリン・天使の詩」などで知られるスイスの名優ブルーノ・ガンツがヒトラーを熱演、強烈な印象を残す。歴史家ヨアヒム・フェストの同名ノンフィクションとヒトラーの個人秘書ユンゲの回顧録をもとに、ドイツの映画監督オリバー・ヒルシュビーゲルが、ヒトラーの人間性を真摯(しんし)に描き論争を巻き起こした問題作。 -
ヒトラーも人間なんだなと改めて感じる。戦時中は冷静な視点だけではなく、思考がとらわれたり思い込んでしまうリスクを再認識できる作品でもある。
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ドイツの敗戦が濃厚の中、ヒトラーが最後にどう過ごしたか、彼の自殺後のドイツを描く。
とにかくヒトラーの演じ方が鬼気迫っており、その怒りがこちらに十分伝わった。
あまりドイツの史実について詳しくはなかったが、彼の自殺がもたらしたもの、信奉者(そしてその家族)の自殺や国内の空気感というものを、たとえフィクションながらでも知ることができた。 -
これは見ていて辛い映画.
不幸が詰まっている. -
ヒトラー最後の12日間を、主に秘書の女性の立場から描いた作品。
ソ連軍とのベルリン攻防戦の最中、すでにパーキンソン病の症状が進んだヒトラーが、思うに任せない戦況と時に無責任にも映る将軍に激しく罵倒する姿や、千年帝国の幻想への執着、ふとした時に見せる弱気な姿などを淡々とかつ迫力十分に描き出す。
務めて陽気にふるまうエヴァや、信念をもって事に当たる軍人たち、逆に総統の指示に依存して自暴自棄になっていく将軍たち、はたまた戦争末期の混沌に犠牲になっていく若者たちと、周囲の人々や戦争のむなしさもまた映画には示されている。最後まで総統への心酔を捨てられなかったゲッペルス夫妻の、子供たちを殺めていく描写はさすがにつらい。そして孤独な独裁者として死んでいくヒトラー。そのあとに残された無能な将軍たちの姿は独裁者に依存した組織の悲しい終わりの姿でもある。
最後の、免罪符のように出てくる戦後の回想は、どうしても自己弁護に聞こえてしまう。一方的に断罪できはしないけれど。 -
TVにて
ヒットラーのこうだったのかもしれないという作品.実際は秘書だった人からの事実ではあるのだろう.砲撃されるシーンは迫力満点. -
約3時間の長い映画で淡々と進むのだが引き込まれてしまった。女性陣の時点からも丁寧に描かれていてドラマとしてとても良い感じ。それぞれの立場の思いの言葉に現れないせめぎ合いが緊張感を醸していて、とりわけゲッペルス夫人の存在感が素晴らしい。ヒトラーが映画の様に終盤であんなにキレまくっていたのが史実なのか脚色なのかはわからないが士官たちがカリスマや人望や崇高な理念に捉えられていた様には見えなかった。秘書も収容所で600万ものユダヤ人が殺されたことを知ったのは終戦後だとエンドロールで述懐している。一次大戦で民族の尊厳やプライド迄根こそぎにされたドイツ国民にとって崇高なゲルマン民族の神話はそれがないと精神崩壊するぐらいに追い詰められていたのだろうか。。。反動、と言って仕舞えば簡単だが、それを体現する様なカリスマにはどうしても見えなかったし、実際、身近なグループの中ではあんな感じに過ぎなかったのかもしれない。。ヒトラーといえば演説しでアジってるイメージしかなかったが、それだけではとうぜんないのだなとわかる。また、ナチ内も一枚岩では全然なく、それなのになお、あのような狂気に全体として収束してしまったのか、結びつくのか、理念とか理性とかプライドとかそう言うもののが収束するときの危なさ、謎な面を普通の感覚と地続きのものとして何となく感じさせてくれる。
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何年も前から途中まで放棄したという状態で放置していたが、ついに全部見た。
もっと早く見るべきだったといういい映画だった。
ヒトラーを始めナチの高官が本人にしか見えないというのはすごいよな。俳優って。
「日本のいちばん長い日」と比較してしまう。あの映画の切腹シーンを見ながら「早く死ねよ」と思っていた。演出として。それからするとみんな銃を口に咥えてさっくりと死ぬのが良かった。 -
『独ソ戦』を読んだ後に観た。
大東亜戦争(太平洋戦争)における死者(日本側)が300万人であったのに対して、独ソ戦では2000万人にも及ぶという。太平洋戦争と欧州の戦争は、全く別の戦争だった。(後発帝国主義国の先発帝国主義国への戦いという類似点はあるにしても)
なんで、日本はこいつらと同盟なんて結んでしまったのか。。。。。 -
ヒトラー自身が書かれた映画を見たことがなかったから、人の優しさを持ってるおじいさんとして描かれていていたのに違和感があった。あの饒舌に民衆を煽って、民衆が呼応している印象が強かったから。最後の秘書へのインタビューが流れ、この人は本当にホロコーストのことを知らなかったのか疑問に思った。ユダヤ人への迫害は昔からあったからそれを知らなかったなんてあり得るのかとも思うけど、実際インターネットが波及した現在でさえ、私自身政治の本来の姿を見ることが出来てるとは言えないので彼女は本当に知らなかったのかもしれない。
最後に、このヒトラー役の人がハイジのお爺さん役を演じていたのには驚いた。見なければ。 -
めちゃくちゃうまいし重いが、エンタメではない。
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ナチスドイツの敗色が濃厚となり、ヒトラーが自殺し、降伏して終戦に至る。その過程が、軍事面ベースでも外交面ベースでもなく、内部の人間の目線からの、ヒトラーはじめ軍部の人間の心理面の描写をベースに丁寧に描かれた作品である。
ヒトラーは晩年、パーキンソン病を患っていたとされており、作中特に直接的な言及はないが、振戦の止まらない手などから、その辺りも忠実に細かく描かれていることがわかる。
物語はおそらく、生き延びた秘書の実体験をもとに構成されていると思われるが、中枢にいる人間の麻痺した感覚はもはや痛々しいし、大変に罪深い。規模は違えど、それはこの時代のこのドイツの権力者だけの話だろうか、とふと思ったりもする。 -
前から見たかった。やっと見れた。字幕もほうが演技もいかにもでよかったと思う。
どれだけ史実通りなのかは分からないがそうだったんだろうと思わせるリアルがあった。
なぜそこまで総統に入れ込んだの?とは思う部分はあるが時代や環境がそうさせたのだろうか。
気骨のある人も何名か描かれるがそれでも総統の意には逆らえない。そういう空気が蔓延していたのだろう。
この映画だけ見るともっと早く自殺してくれれば多少は被害が減ったように見えた。 -
よかった。
史実に基づくんだろう。
そうか、そうだったのか。
知らなかった。
戦争は怖い。戦争は辛い。どっちも死ぬんだから。
市民は無力で。子供が死ぬ。親が死ぬ。友達が死ぬ。
辛い辛い辛い。
繰り返してはいけない。
ヒットラーは怖い。
今の平和な日本に生まれて本当に良かった。
でもこの平和ボケして何の幸せも感じられない日々に、この映画はとても必要で。自分の幸せを思い出させてくれる。
平和がなぜ必要なのか。
もうすっかり忘れ去ったこの国で。
貧しいこと。死にやすいこと。敵に襲われるかもしれないこと。子供の命が無駄にされること。
いい映画だった。 -
第二次世界大戦末期のナチス司令部を描く。
戦場の情報から隔離された、もしくは聞き入れようとしないヒトラーの暴走。疑心暗鬼と粛清で強く進言できない軍高官たち。
カリスマに依存しすぎ崩壊していくナチスの姿が痛ましい。
兵、国民、そして司令部の軍高官らの命も、紙くずのように散っていく。そして顧みられない。戦争は命の価値をとことん軽くしてしまう。そして、命が重くかけがえのないものだということは、身近な家族や友人に死が降りかかってようやく思い出す。
子供を、妻を自らの手にかけなければならなかった人は、何を思ったのだろうか。
個人的には、シュペーアがヒトラーに対し、命じられた焦土作戦のための破壊活動を無視し妨害していたことを告白するシーンが心に残った。
支離滅裂な他の軍高官たちとは対極的に、自らの意志と思いをまっすぐにヒトラーに伝えていたからだ。
もっとナチスについての知識があれば、もっと楽しめたと思う。 -
若い女性が軽い気持ちでヒトラーの秘書になるところから始まる。最後の数日間のヒトラーは、余裕がなくて人間らしい感じもする。周りの部下も崩壊していく。お母さんが子どもたちに薬のませていくシーンはなんとも悲しい。
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戦争関連の映画は腰が重くようやく鑑賞(ちょうど、前日に独『シュピーゲル』紙の第二次世界大戦の保存動画を観たばかりというタイミング)。
偏ることなく申し分ない内容だった。狂気、人情、倫理、そして戦争。作品を通じてヒトラーの秘書の目線が鍵となっていた。最後の本人のインタビューは、よくおさえてくれたという万感の思い。戦争は、断じて、あってはならない。 -
憤怒する初老の軍人の時と、プライベートでの穏やかで優しい声を出す時のギャップ。人に与えた壮絶な苦しみに、同情を示すことを弱い悪だとし、苦しむのは自業自得だと言ってのける。ヒトラーが犯した様々な大罪を抜きにしても、精神的な面での異常さを感じる。そしてそのような要素にコントロールされる周辺の人々の異常さも際立つ。
原爆の教育は受けたが、ナチズムについての教育は日本はあまりされていないと思う。ドイツのとんでもない奴がアウシュビッツなどで大量殺戮をしたと記憶しているくらいだろう。もっと心理的な面でどのように人々が動いたのか知られるべきだと思った。日本の軍国主義の時代についてもそうだが。まだこの事実から70年ほどしか経っていないのか、と死んだ人々や病院のシーンを観て、思った。 -
2016年10月頃鑑賞。
某動画の「総統閣下シリーズ」で有名なシーンのあるあの映画。