さよなら、シリアルキラー 〈さよなら、シリアルキラー〉 (創元推理文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 7年前に買ったまま、積読状態だった本。

    以前に読んだ「自由研究には向かない殺人」
    と同じように、海外ドラマを観ている感覚で
    ドキドキハラハラしながら読んだ。
    主人公ジャスパー“ジャズ”は
    連続殺人鬼ビリーの息子で、
    過去に父親から殺人者としての教育を受けていて。
    それが元で夢にうなされたり、苦悩しながらも
    町で起きた殺人事件を解決しようと
    奮闘しつつ謎に迫っていく。
    血友病の親友ハウイーと、
    心を許せるガールフレンド、コニー。
    どちらのキャラクターも魅力的で
    彼らに危険が迫っている部分では
    思わず声が出てしまった。

    普通?の人でも親との関係の中で
    わかりあえなかったり、反発したり、
    親のようにはなりたくない、
    絶対にならない、と思ったり
    そう思う時期があったりするのに
    その親が世間から恐れられている
    連続殺人鬼だったら、、と思うと
    ジャズの苦悩がほんの少しだけ
    わかるような気がする。
    そして自分の気持ちや感情を
    信じられないと思う部分も
    ほんの少しだけ共感できた。

    “誰もが何かにあやつられている。
    配偶者に。親に。上司に。友人に。
    自分自身の衝動に。
    それが暗いものであれ明るいものであれ。”

    この本には2巻、3巻があるので
    早速購入♪

  • 古書店から入手。もう、電子書籍だけなのか、、。
    ヤングアダルト的な話で、主人公の行動にミスがあって物語が進むのだが、前半は勢いがないかなと感じた。後半、本人が狙われ出してからはテンポよく楽しめる。

  • 21世紀最悪の連続殺人犯を父に持つ少年が主人公の異色青春ミステリ。非常にサスペンスタッチな雰囲気に満ちており、全編を通して緊迫感が漂っている。特筆すべきは主人公の高校生という設定の妙であり、青春の裏面とでも謂うべき残酷さが作品の陰惨さや血生臭さと上手く融け合っている。また17歳という年齢は自分の存在が不安定になる年齢でもあり、猟奇殺人鬼を父に持つという特殊な生い立ちを持つ主人公といえど例外ではなく、その幼少期は特異で異常ではあるものの、悩みそのものは他の少年少女と同じ普遍的な悩みであるため共感を呼びやすい点は上手いと思った。また、殺人者として受けた英才教育に葛藤したり苦悩する場面だけではなく、他者を操るその力に酔いしれたり、思春期特有の全能感を覚えて大人を見下し、傲慢に振る舞う場面などがちゃんと描かれていたのが素晴らしい。ストーリー上で意外性はあまりなかったものの、盛り上げる仕掛けは随所にあり、様々な展開を出し惜しみせずテンポよく描き切っているためまるで退屈はしなかった。テーマを明確にしつつ掘り下げながらも、ヤングアダルト小説にありがちな説教臭さがなかったのもポイントが高い。ラストも印象深くまとめられており、早く続きが読みたいと思わせてくれる終わり方となっている。

  • 確かに、設定があまりほかにないような感じで新鮮さは感じた。
    父親が連続殺人犯で、その父親にいわば殺人の英才教育を受けた主人公ジャズは高校生で、人々の白い目にさらされながらも、普通に高校に行っていて、理解してくれる親友ハウイーと恋人コニーもいる。ジャズは、自分のサイコパス的資質を認めていて、いつか殺人を犯してしまうかも、とおびえつつ、そうはならないように願い、自分を律している。
    で、町で殺人事件が起きて、ジャズは気になって調べはじめ……って話。

    ジャズがハウイーやコニーと軽口をたたきあって仲よくすごしているところや、普通の悩みとは重さがまったく違うけど、ジャズが自分はどういう人間なんだろう、どうなるんだろう、とか考えるところは、青春小説みたいで。
    ただ、そういう青春ものっぽい軽い部分と、殺人事件のグロテスクさがなんかマッチしないような、差がありすぎるようにわたしは感じたんだけど……。そこがいいのかなあ?? 
    殺人事件で、身近な人が無残に死にすぎるのもちょっと。。。
    あと、主人公ジャズが親友のハウイーを殺人事件の調査に巻き込むのは軽すぎないか??、とか思った。
    なんだか読みながら、殺人事件パートと青春ものパートがどうもしっくりこない気がしていたんだけど。。。

    次作に続いて、いよいよ父親と対決があるみたいなので、それは期待できるかも?

  • 紙の本で。
    何かが引っかかって、いま一つ称賛できない。普通、名前変えて転居するだろと。そこまで引っ被るかな。ただ、続きも読まないと。

  • 凄惨な殺人事件をテーマにしているものの、若者の清々しさを描いた青春小説でした。
    殺人鬼である父親の呪縛から逃れようとする主人公の姿は、青年期に入ろうとする多くの人にとっての「親」の存在と向き合う葛藤に共通していると思います。続編も気になります。

  • 少年少女向けの小説ということだが、いい大人になっても大事なことが書かれている本。面白い。

    というか大人になってからも、この主人公の葛藤を思い出さなければ、と感じる。なぜなら大人であるから。

    ちなみに電子じゃなくて紙で読みました

  • さよなら、シリアルキラー (創元推理文庫) 三部作と知って「ああ、次買ってないっっ」と絶望wするくらい面白かった。勿論3冊買って全部読んですっげー面白かった。父親がシリアルキラー。その父親に英才教育をされた息子がそれを阻止しようとする物語です。しゅんばらしい。

  • バリー・ライガ初読。田舎町ロボズ・ノッドに住む3桁超えの連続殺人鬼ビリーの息子で高校三年生のジャズが主人公。ガールフレンドのコニー、親友のハウイーと共に連続殺人鬼ものまね師を追う。高校生向きだが、大人でも楽しめる。原題は“I Hunt Killers”。主人公が連続殺人鬼の息子という設定が、高校生が連続殺人犯を追うという無理のある設定をカバーしている。ただ、ジャック・カーリーの『100番目の男』から始まるカーソン・ライダーのシリーズで兄が連続殺人鬼で、事件解決に刑務所にいる連続殺人鬼の助けを借りるという設定のパクリといえばそのままパクリ。

  • 天才殺人鬼の父にエリート教育された
    まじめな高校生が、地元で起きた猟期殺人に挑む。
    悪の力で正義を行う、みたいなヒーロー乗りと
    高校生の若さと生い立ちの苦悩が惹きつける。

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