- Amazon.co.jp ・映画
- / ISBN・EAN: 4522178010989
感想・レビュー・書評
-
何が怖いって嫌になるくらいの親子のリアルさ。おそらくADHDではないかと思われるもうすぐ7歳の男の子、心身ともに疲れたシングルマザーの描写が、息子を持つ母親の身にはグサッとくる。
以下ネタバレ
化け物が出てくる単純なホラーではなく、どこまでも「実は全部母親のノイローゼによる妄想では?」と思わせる作り。ラストも母親が自分の中の負の感情を認めて折り合いをつける(飼い慣らす)ことを表しているのではと思わせる。故に好みが別れる内容。
子どもへの憎しみや不安や夫への執着を認めず押さえ込んだ結果、大きくなったストレスが爆発し、親子心中に至ると思われる内容の絵本。ライターであった母親が自分で書き上げたとみることもできる。大人になるまでは入ってはいけない地下室(もともと夫のものをしまい込んだ、母親の心の奥を象徴したような部屋)、見てはいけないババドックというのも、母親のドロドロした感情とその心であり、暴れ出しそうなのをなだめ、その存在を認めて適度に餌を与えて付き合っていくのだと想像できる。
ホラーに出てくる母親というのは絶対的な母性を持っていて子どもを命がけで救うということがパターンとしてあり、(もちろん、母親が恐怖の元凶というものもある)その雰囲気を出しつつも、その絶対的な母性という幻想に冷や水をかぶせてくるのが怖い。現実にあり得る怖さが受け入れられる人には面白い映画です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
レビューはのちほど
-
2019年11月17日鑑賞。シングルマザーのアメリアは、子どもが見つけてきた絵本「ババドック」の怪物に怯え、不眠が募るうちに…。Amazonプライムで鑑賞。スカッと血しぶき、楽しめるホラーでは全然ないが、「ホラー」の可能性や面白さを存分に味わえるよい映画だった。考えてみれば幽霊やゾンビも宇宙人も、常に現実世界で人々が怯えるなにかのメタファーだったんだよねえ…。ヒロインの、元は美人でいい人なんだろうけどやつれてどうにもならなくなっている感じの表現、演技力がすごかった。助けを得られず孤立し、さらに深みにハマっていく負のループから抜け出すためには、結局周囲の助けを得るしか無いのだけど…。どうすりゃいいのかねえ。
-
子役選びとその子の演技が天才的映画。
お母さんがひたすら可哀想でこちらも精神的にやつれそう。
中盤あたりまでありがちな物語で進むけど、最後は「おぉ?」と引っ掛かりがある終わり方で良かった。 -
★世界中の映画祭を席巻! 全米最大の批評サイトRotten Tomatoesで驚異の98%Fresh! ! (2015.5.15現在)
ホラー映画史上に残る傑作が遂に日本上陸! !
★名前と姿をみたものは、“ババドック"から逃げられない…。妄想か、現実か。闇に潜む怪物がシングルマザーに襲いかかる! !
★ジャンル映画の聖地、シッチェス国際映画祭2部門受賞ほか、世界各国の映画祭で合計35部門受賞と50部門以上ノミネート! !
<受賞歴>(一部抜粋)
・シッチェス国際映画祭 審査員特別賞、最優秀女優賞受賞
・英国エンパイア賞 最優秀ホラー賞、新人監督賞受賞
・オーストラリア・アカデミー賞 作品賞、監督賞、脚本賞受賞
・ニューヨーク映画批評家協会賞 初監督作品賞受賞
★『エクソシスト』を世に送り出した鬼才ウィリアム・フリードキン監督も自身のツイッターで絶賛! !
「この作品よりも怖い映画は見たことがない。私だけでなく見た人すべてを怖がらせるだろう。」
≪STORY≫
本当の姿を知ったものは、死を欲してやまなくなる…。
夫を悲惨な事故で失ったシングルマザーのアメリアは、一人息子のサミュエルと共に暮らしていた。サミュエルは学校でしばしば暴力的な行動を起こす問題児。言うことを聞かない息子に手を焼き、アメリアは疲れ果てていた。一方、サミュエルは、母親の読み聞かせで眠りにつくのが習慣で、その日はアメリアの知らない一冊の本を取り出し、彼女に読んで欲しいとせがむ。どこか薄気味の悪いその絵本は「ババドック」というキャラクターが登場する不思議な本だった。それ以降、子供部屋に何かがいると主張するサミュエル。アメリアは毎夜騒ぎ立てるサミュエルにうんざりし、相手にしていなかったが、徐々にその謎の存在が、彼女のもとにも忍び寄っていることに気づくのだった…。 -
話はまぁまぁだけど演出がイマイチ。
ババドックは可愛い。 -
2014公開,監督デビュー作,ホラー映画.
昨今流行の「ジャンプスケア」ばかりの,さぁ驚きなさい!というタイプのホラーに慣れ親しんでいると,こういう丁寧な恐ろしさはかえって新鮮に映る.
シングルマザーの母と幼い息子に降りかかる「喪失」のメタファーが怪物である.たしかに超常的な要素でもあり,服喪の暴虐の具現化でもある.
喪失感と憤り,閉塞感がついてまわり,真綿で締めるような,窮屈でやりどころのない居心地の悪さが作品を牽引している.
息子のうっとうしさは筆舌に尽くしがたいものがあるし,疎ましく感じることに罪悪感を覚えるのは巧みな演出故であろう.母の愚行も,どこか擁護してやりたくなるような鬱屈とした背景が描かれ,感情移入してしまう.
着想の妙と俳優の演技が光りつづける,素晴らしい作品.