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感想・レビュー・書評
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コンプライアンスは難しくない。常識的であることだ。
その通り。この言葉の重さを感じます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読み物としては面白いが、現実はどうなのか。
一方からの視点だけでは評価できない。
犯罪に手を染めてはいけないのは当たり前で、それ以前の段階でサラリーマンはみんな苦しんでるんじゃないのかな。
極端な例を持ち出して、美談に仕立てても、現実はそんなに甘くないでしょう。
子供の頃の道徳の教科書どうりの世の中じゃないんだから。 -
働くことの尊さについて再認識
損得だけではないものに突き動かされるかのように戦うしんがり達
同じく働くものとして共感 -
凄い人達がいたものだ。
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登場人物が多すぎる&金融のことがわからなさすぎて理解が追いつかない。ノンフィクションだから仕方がないです。
これを原作としてわかりやすく整理した(?)ドラマ版は気になる。 -
無能な幹部と苦しむ社員の姿がリアリティあり。
当時を知らないけど、旧態依然とした会社ならあり得る。 -
金融業界が大きく動いた1990年代、現在では考えられないような飛ばしなどの不正があった時代。
話には聞いていてもイメージできていなかったことをよく理解できた一冊。
時を置いてまた読み返したい。
実名で当時のことを語っていること、その実在の方々・山一の方々の、社内調査への強い思い、執念を感じ、働くこととは、会社とは、ということも考えさせられた。
どんな仕事にも一生懸命、真っ直ぐに取り組むことで、報われるんだ、頑張らないといけない。 -
企業の倒産前後の様子を人の会話を軸に描いた経済小説。まさに20年前に実際におきた内容だからこそ、とてもイメージがつきやすく、興味をもって読み進めたと実感している。悪者探しではなく、事実の究明と公表のために取り組み続けた姿に、愛社精神というものを感じ、日本人が抱く日本の企業に帰属する価値観に触れた実感している。
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山一證券の自主廃業の真実。TVドラマが良かったので、読んでみることに。金融の素人には少し難しいが、何とか完読。サラリーマンって大変ですね。
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会社や経営者を信じて人生のすべてを賭けたサラリーマンの悲哀。こんな目に遭っても会社に愛情を持っている事に違和感を感じる。これは20年近く前の話だが、最近でも東芝や不正ではないがシャープなど会社に翻弄されるサラリーマンの話は枚挙に暇がない。これからは何のスキルも持たずに漠然と就活をして、取り敢えず採用された会社に入るというのは極めてリスクが高い。昔はこういう就職が安定していると言われたが、今は逆なのだろう。
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1997年11月、四大証券の一角だった山一証券が自主廃業の発表をし、2600億円の簿外債務が明らかになる。まだ高校生だった私にとっても、野澤社長の涙の会見は非常に心に残っている。友人のお父様が山一証券勤めだったため、当時のことはよく覚えている。
本書は、その簿外債務の流れを特定するために、転職せずに最後まで山一証券に残って職務を果たした12名の実話。
負の遺産がかさんでいき誰も止められなくなっていく経緯など、実話ゆえとてもリアル。コンプライアンスの概念と、一人一人の善悪の判断が重要であると改めて感じた。 -
証券界に籍を置いたことのある者として、いつか読もうと思っていた一冊。
著者が、あの「清武の乱」の清武氏であることに途中できづき、氏がジャーナリストであることは、読了して初めて知りました。
著者の作であることが、興味を削いだことは否めません。
そのせいなのか、12人の関係を理解しながら読むことをしなかった。
しばらくしたら、再読したいです。 -
1997年11月、創業100年従業員7500人を超える大手の山一證券が自主廃業を発表した。涙で顔をぐちゃぐちゃにしながら「社員は悪くありませんから!悪いのはわれわれですから!お願いします。社員が再就職できるようお願いします!」と頭を下げる野澤社長の姿が印象的だった。終身雇用、年功序列があたりまえで会社に入ってしまえば老後まで安心という時代が終わった瞬間だ。野澤社長だってババをつかまされてしまった被害者だとは言え、会社の暴走に気が付かず、止めることができなかった罪は大きい。
バブルって不思議な時代だった。土地の値段も株もどんどん上がる。お給料だって貯金だって増えていく。だから元本保証なんて無謀な約束して売りに売りまくって成績を上げていく証券会社や銀行は、保証できなくなった時に苦肉の策で「飛ばし」、つまり決算前だけ第三者に一時的に転売し損失を隠すというアウトローなことを平気で行っていたのだ。山一だけではない。そういう時代だったのだ。
とはいえ、突然自分の会社がなくなってしまった一般社員には、いったい何が起こったのかまったくわからない。
「しんがり」は、会社崩壊後、内部調査を依頼された業務管理本部担当常務の嘉本氏を中心に、膨大な報告書を作り上げたチームのドキュメンタリーだ。他の社員がどんどん再就職先を見つけて去っていく中で、お給料の保証もない会社に居残って作業を続けた人々を動かすものはなんだったのか。愛社精神か、正義感か。とにかく彼らの手によって会社の不正が明るみに出たのだ。
廃業から20年近く経ついまでも、山一證券OBによる「山友会」が毎年廃業月の11月に行われている。会社はもうないわけだから新しいメンバーが増えるはずもないが、いまだ1300人ほどの会員が所属しているらしい。そこで働く人は皆、誇りを持っていたんだなということがよくわかる。 -
1997年、山一證券は自主廃業を決定し、2600億円の簿外債務を隠していたことを発表する。その発表会見は野澤社長が号泣したことで有名だ。世間は人前で無様な姿をさらす人間がトップだった会社に愛想を尽かしたが、真相はそんな単純なものではなかった。「号泣社長」も被害者のひとりであり、前の経営者たちから貧乏くじを押し付けられたのだった。
しかし、もっと過酷で自己犠牲を強いられた社員たちがいた。山一證券がなぜ不正に走り、廃業となった理由と責任を追う調査チームのメンバーだ。彼らは再就職を顧みず、満足な給与も与えられない中、かつての上司を追求し、勤めていた会社の暗部を暴きだす。著者は調査チームを敗戦軍の最後尾を受け持つ意味で「しんがり」と名づけ、彼らの活躍と苦労、そして山一證券亡き後の人生を追う。
この話が池井戸潤原作なら、一発大逆転があるだろうが、「しんがり」の奮闘むなしく、山一證券は消滅し、彼らのその後も転職を繰り返す人生だった。その意味では、もともと沈む船から逃げそびれた不器用な人間たちだったかもしれない。しかし、「しんがり」だったことの誇りと友情は彼らの生涯の財産だ。山一に居たことも「しんがり」に居たことも、全く後悔していないと断言する彼らには人生の満足度は人それぞれだということを教えてもらった。
目の前にある大きな壁を逃げずに、よじ登って観た景色は最高の景色なんだろう。 -
1997年11月23日、名古屋の自宅で山一證券野澤社長の「記者会見」を見た。号泣だった。その日は、ヤクルトスワローズ名古屋ファンクラブの日本一祝賀会だったが、そんなことも忘れてしまった。
今さら、紹介するまでもない。本書は山一證券の「自主廃業」記者会見後に苦しみながらも、簿外債務である2600億円の社内調査委員会を引き受けた嘉本常務とそのメンバーの数ヶ月を中心に描いた企業ノンフィクションの大傑作。
本書を読むと、山一證券の自主廃業が「突然死」であったことが理解できる。会社がいとも簡単に消滅してしまうのかということに衝撃を受けた。さらに、2600億円の簿外債務については、直前まで知らず27日の日経朝刊のスクープで知った社員が、経営陣も含めて殆どだった。海外子会社を利用した巧妙な隠しだが、社内調査委員会のメンバーは、職探しへの焦りの中で懸命に調査を進めてゆく。
著者が「しんがり」と呼ぶ調査委員会メンバーの動機は様々。常務の嘉本のように貧乏クジを押し付けられた人、使命感あるいは会社への恨みから調査に加わった人。個人的には、嘉本の次の一言が印象的。
「人が変死したら司法解剖するだろう 。山一の廃業も変死のようなものだよ 。だから解剖して 、株主やら社員やらお客さんに説明する責任があるんやな 」。
なるほど、山一證券は突然の変死であった。今後、第二の変死が起きぬよう司法解剖する必要がある。
本書が描くのは、会社消滅という重いテーマ。しかし、山一證券の殆どの社員は職にありつけた。
「だから 、彼らの採用は当たり前のことだ 。会社が潰れても見ている人はどこかにいてくれるんじゃ 。心配ないよ 。何とかなるもんさ 」。
そう、たとえ危機に面しても我々は「何とかなる」ことを信じなければならない。
寝不足必至の良質のノンフィクション。文句無しの★5つ。 -
当時 山一の社長の会見はTVで見て記憶している。
その裏にこんな話が有ったとは知らなかった。 -
WOWOWのドラマ放送と合わせて読み始め、少し遅れて読み終えました。同時代を過ごしていたがら、詳細を知らなかった山一の顛末。引き込まれて読みました。が、ドラマを楽しむなら、見終わってから原作を読むべきだったかも知れませんね。
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新聞、テレビで大きく報じられていた「山一証券破綻」 当時中学生だった私は、不景気だから潰れたんだろうという程度の認識しか持てなかったが、大きな企業が潰れたという衝撃はずっと記憶の中にあった。
この本を読んで、時代背景や不正の事実を知ることができ、大変有意義であったと感じている。
また、不正というものはこのようなメカニズムでなされるものだと改めて認識できた。 -
面白い。
扱う金額が大きくなると人間感覚が麻痺して来るものなのか。日常的なカラ請求から業務上の違法行為まで。そりゃ会社も潰れる。
リアルタイムで詳しく知らない世代がこの出来事、事件を知るためにも非常によい一冊だと思う。