西南シルクロードは密林に消える (講談社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 危険な旅路をこんなにも面白楽しく読めるのは高野さん書籍ならでは
    高野さんのモットーにも通じる
    同じ道程を歩みたいとは思わないけど文化的な面ではとても興味深い

  • こんなに衝撃的で心に響く旅?冒険?記は初めて!

    中国四川省成都からミャンマー北部を通ってインドへ。
    ゲリラの支配するジャングルを陸路で、密入国を繰り返し、「西南シルクロード」を辿るという旅。

    あまりに無謀な旅なので、最初のうちは呆れていたのだけれど、途中から西南シルクロードの旅だったことも忘れるほどゲリラ軍と交流しつつ危険や困難を運?で乗り越えて行く様子に引き込まれていきました。

    総勢ゲリラ軍の兵士8人と土地のポーター19人総勢27人が彼の冒険?のためにジャングルを進むこともあったり、なんだか憎めない高野さんの人間力に私もすっかり魅了されました。

    ミャンマーとインドにまたがる少数民族の苦難や現在も続く今まで知らなかった問題を知ることができ、高野さんの旅に感謝です。

  • 張騫が西域で見た四川の布の交易ルートを辿ると称して、中国からミャンマーの反政府少数民族ゲリラの支配域に密入国し、そのままカチン人ゲリラ→ナガ人ゲリラの伝を辿ってインドにも密入国し、最後はカルカッタから何故か無事に強制送還されて帰国するジャングルの旅の記録。講談社のカメラマン氏と別れたあたりから加速度的に面白くなる。参考文献リストあり。

  • 高野さんの原点と思える旅の話でした。面白すぎる

  • 分厚いが、高野さんの本は、本当に他の追随を許さない。
    本当に、私には真似できない。
    コネを通じて、なぜか、各地のゲリラの保護を受けて、探検をさせてもらう高野さん。
    まぁ、なぜかと書いたけど、一生懸命日本人が自分たちの言葉を学び、辛抱も多い生活を外の世界に広めてくれる可能性もある作家なのだから、当然なんだろうけど。
    高野さんの、現地へ溶け込む姿勢が、本当にすごい。
    ジャングルを2週間ぐらい、歩きにくい中国の配給靴みたいのもので、ヒルに悩まされたりしながら歩くとか、よくぞと思う。

    ゲリラの人が、みんな優しいのだ。そこが切なくなる。
    ゲリラの人は、全員ではないが、基本は人を殺したい、お金を儲けたいなどというっきも力ではないからだろう。人によっては、使命感なんかを持っている。
    そのゲリラと、高野さんの会話が印象的だった。(引用参考)

    でも、今の日本人は、ルフィーの事件でも、中に一人受け子で日本人が入っていて、それが海外にいる中国人へ電子送金などされてしまっている。中国人より、中に入っているその1割の日本人(在住で日本人でないのかもしれないが)であることが、一番恥ずかしい。それを鑑みると、日本人は、中国人化してしまっているのではないか?と危機感を覚える。

  • 地理や地政学がほとんど分からないまま読了したけど、結局高野さんの転生モノとしてめちゃめちゃおもしろいんだ。

  • 19.7.11〜21

  • すごい旅だった。
    この旅は20年ほど前の出来事。今、彼らはどうしているのだろうか。特に、著者に電話してくる独裁者予備軍はどうしているのか。

    エピキュリアン大尉はもう、酷すぎ。息子、生き抜いてほしい。

    ソン・リップたち、巻き込まれ型の人たちの人間模様も面白かった。著者の存在、迷惑でしかないだろうから。

    著者が交易品という考え方は興味深かった。確かに、人から人へと託されている。

    それにしても、今、こういう企画は通らないだろうなあ。20年前の景気の良かった出版業会という視点も興味深かった。

  • 高野秀行作品はエンターテイメントだけでなく教養も得られるから好きだ。

    味の素を使用するのは東アジア文化圏のみという話は記憶に残った。
    うま味を感じられるのが東アジア人に限られるため、味の素は世界的に見れば大ヒット商品ではないらしい。
    私は自炊の際に味の素をよく利用するため、味の素は多くの人が利用するものだと思っていたが、実際は違うようだ。

    あとはナガ人と初めて交流しようとしたのが、イギリスから来た宣教師だというのは面白かった。
    これによって、ナガ人は外部の人間と交流するようになったらしい。
    アイヌ民族にも同じことが言えるかもしれない。
    アイヌ民族の所にも宣教師が訪れ、キリスト教を教えた。
    それがきっかけでアイヌ民族が倭人との交流が活性化したのではないかと想像を膨らませた。

    最後の最後に高野秀行が不法入国者として犯罪者扱いされるオチは笑った。
    やっぱり面白い人の周りには面白いことが起こるな。

  • 現地のゲリラ兵士の世話になって密林を進む冒険記。後日談にあるゲリラ軍同士の攻撃など緊張状態にあるなか、お気楽な目的の日本人がここまで相手にして貰えるのは著者の人脈と度胸と人柄か。
    読者の我々は日日安全に管理されてる暮らしで、ここまでの冒険要素がないと楽しめないということか。貧しい紛争エリアで暮らす人とお気楽日本人のマインドのギャップ。

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著者プロフィール

1966年、東京都八王子市生まれ。ノンフィクション作家。早稲田大学探検部在籍時に書いた『幻獣ムベンベを追え』(集英社文庫)をきっかけに文筆活動を開始。「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白おかしく書く」がモットー。アジア、アフリカなどの辺境地をテーマとしたノンフィクションのほか、東京を舞台にしたエッセイや小説も多数発表している。

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