- Amazon.co.jp ・電子書籍 (249ページ)
感想・レビュー・書評
-
サナトリウムもの。きれいなお話でした。ただ類書のほうが好きかな?
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
前回の緊急事態宣言時、図書館は閉館していたが電子図書は借りられると知って予約をしたものが今回の緊急事態宣言になってやっと回ってきた。
表紙の画像をみて何となく予約をしたもの。
「死」に真正面から向き合えないような卓也。その卓也が発光病という病気のまみずというクラスメートと関わることになる。
まみずは回復する見込みもなく、余命も宣告されている。
まみずは死ぬまでにやってみたいことを卓也に代わりにやってくれるように頼むのだが、卓也は真面目にその願いを叶えてやる。
そして二人はお互いひかれあっていくのだが・・・・。
発光病という病気が架空のものであることがちょっと引っかかった。
月に照らされて光る、ということが大事なのかもしれないけど、死を目前にした少女と姉をなくしてそのことに色々な思いをかかえている少年の物語であるなら、その病気に拘ることもないような気がした。
リアリティを求めなくてもよいのかもしれにないが、実際にある病気のほうが私としてはしっくり行った。
卓也と香山の友人関係は読んでいて爽やか、私の好きな展開だった。
電子図書、携帯で読めて中々いい。 -
姉の死からうまく立ち直れていない卓也。
高校生になったある日、「発光病」を患い余命僅かな同級生の女の子の元に
お見舞いに行くことになり、それから彼女のやりたいことリストを代理体験
することになってしまい・・・といったお話。
月光を浴びると体が光ってしまうという治療法の見つかっていない病気。
その設定以外はとても現実的(もっとファンタジー寄りかと思ってた)。
こんな評し方をすると両者に失礼かもしれないけど、住野よるさんの
『君の膵臓をたべたい』によく似た印象。
似てるから面白くない、とは言っていないので誤解なく。
これから死にゆく者。
大切な人の死に取り残されていく者。
それぞれの気持ちや、ふたりが触れ合っていく中で変化していくものが
繊細に描かれていて読んでいて清々しかったな。
死を扱っているけど、「号泣必至」とか「お涙頂戴」とかじゃない。
泣かせてくれるのも好きだけど、抑え気味なこんな感じもいいね。