アルテミス 下 (ハヤカワ文庫SF) [Kindle]

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  • 月面に人類が移住した2080年代の世界が舞台。
    アンディ・ウィーアーの2作目ですが、「火星の人」や「プロジェクト・ヘイル・メアリー」とも同じく、主人公ジャズ視点で話が進む。
    主人公はサウジ生まれ、お父さんが優秀な溶接工、自らも溶接工として優秀な才能を持ちながら運び屋(ポーター)として働くジャズ。
    いわゆるムスリムの女性という雰囲気は一切なく、20代半ばという年齢を鑑みてもなかなか破天荒なキャラクター。

    とある大富豪からとんでもない仕事を依頼され、大金に目が眩んで引き受けるももどんどん危険なことに巻き込まれていき、有毒ガスが発生させ、多くの人の命が危険にさらされ・・

    酸素に満ち、火気を徹底的に恐れ、アルミを製錬し鉄のようにあらゆる場面で使い、軽い重力でジャンプして移動する月面文明の世界観はぎりぎりイメージできる感じで嫌いじゃない。
    ものづくりへの想いが感じられる設定なんですが、細かいことをやりすぎなのか、少し分かりづらいような気がするのが残念。
    溶接工ですが、時にはダクトテープも活用します。さすがアンディ・ウィアー。
    ドタバタの破壊工作は実に面白いのですが、ジャズ視点で語られる月の文明社会の世界観についていくのは結構大変。

    本作は映画化の話があったようですが、その後の「プロジェクト・ヘイル・メアリー」が先に進んだせいか、こっちはストップしているよう。
    ジャズは非常にスマートな一面もありますが、どうにも年齢の割に子供っぽい描写が目立つので、アニメの方が親和性がありそうです。結構映画向きのストーリーな気がするので、いつか見てみたいです。

  • 思案の末にしぶしぶ下巻にとりかかる。久々に途中挫折かと思った上巻とは裏腹に、下巻はなかなかいいぞ。最初っからこういう行動原理で描いてくれればいいものを。主人公のキャラがチンピラすぎる。変なはなしだけれどやっぱり「ザリガニの鳴くところ」ってすぐれた作品だなぁといらぬ比較なんかしてしまう。
    人類初の月面都市のさまざまな設定は興味深い。小さな子供連れで何年も暮らすのだったら教育機関は必要なのではないだろうか?やっぱり民間企業での運営になるのだろうか?とかいろいろ想像も広がり、月を見上げながら近い将来実現するだろう都市を想像するのは楽しい。
    映画化されたら設定もいろいろ手を入れられるだろうし面白いものになるかもしれないな。

  • アンディ・ウィアーの「アルテミス」上下巻を読み終わりました。

    ふむ。

    映画「オデッセイ」からの、小説「プロジェクト・ヘイル・メアリー」を経て、小説「火星の人」とアンディ・ウィアー作品に触れてきました。あまりに面白いことに気がついたので、「火星の人」と「プロジェクト・ヘイル・メアリー」の間に発表されている小説「アルテミス」も読んでみました。

    ふむ。

    「火星の人」と「プロジェクト・ヘイル・メアリー」は、宇宙での極限状態でのサバイバルものだったのに対して、「アルテミス」は月面都市での犯罪アクションもの、と、全然方向性の違う作品でした。

    主人公は、観光都市化している月の都市「アルテミス」に住むアラビア系の26歳の女性。月社会の底辺を支える労働者階層。頭はいいけど、犯罪ギリギリのことも平気でやってのける、ちょっと過激な女の子。

    他の方の感想にも書かれているけれれど、先の2作と比べると、主人公に共感が抱きにくかったかなー。

    とはいえ、月面都市が現実化したら、こんなふうな仕組みで、こんなふうな生活になるのかなーというのが想像できて楽しかった。

    これこそ映像化したら楽しそう。
    でも、撮影難しいかな。アニメ化、ならいけそうだな。

  • 詳細は、『あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノート』をご覧ください。
    http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1792.html
    とにかく予想もできない展開。
    機械的なことの詳しい説明などついていけないような、わかったような。
    後半は面白くて一気に読み終わりました。

  • 上巻に書きました。

  • 主人公は月で育ったから地球に戻されたくないという考えが面白い。月のメンバーは月での生活を愛してますね。

  • ライトノベルな感じですね。
    ハラハラドキドキな展開ですけど安心して読んでいけるような。

  • 設定はおもしろかったけれど、内容は、ふつうのミステリかなーという気も。殺人事件が起きて主人公が巻き込まれ、犯人をさがす、という。月の危機を救うサスペンスアクションにもなるけれど。
    ミステリやアクションがそれほど好きではなくなってきたので、単なる好みだけど、「火星の人」のほうが好きだったかも。
    これ続きがありそうっていうか、その気になれば「月面探偵」とかいってシリーズにできそうな。

  • 軽口の一人称語り口は最後まで慣れきれなかったけど、最終的にはキャラを好きになったしもう少し読みたいと思うくらいはハマった。徹夜本になるくらい、クライマックスは面白かった。

  • 年末年始はアンディ祭り。

    「火星の人」のおもしろさにやられて
    アンディ・ウィアーを
    続けて読破。

    第2作目の舞台は月。

    月面にいくつか作られた
    バブルと呼ばれるドーム。
    人類初の月面都市アルテミス。
    まるで独立国家の様相。
    そこで暮らす人々。

    主人公は最下層から
    昇りつめようとあがく
    女性ジャズ・バシャラ。


    科学的知識に基づいた
    精密な設定。

    そこを舞台に軽口と
    勢いで突き進む
    主人公は健在。

    今度は女性。
    科学者でもない。

    しかし、やる気はたっぷり。

    合法/非合法の品物を運ぶ
    ポーターとして暮らすジャズが、
    大物実業家のトロンドから
    謎の仕事の依頼を受けるところから
    物語は動き始める。

    アウトサイダー的な
    ポジション。
    ダークな仕事の匂い。

    危険。
    リスク。
    問題発生。

    上巻はやっぱり個人的な
    上昇志向だけに
    感情移入しにくいが、
    後半になって
    アルテミス全体の問題を
    ジャズが救うという
    フェーズに。

    こっちも俄然
    盛り上がる。

    そこからは一気の展開。

    自由奔放で
    魅力的なジャズの
    活躍を楽しんだ。

    アンディは
    月面都市アルテミスを
    舞台にした物語を
    さらに構想しているという。

    今度はSFミステリだとか。

    どんどん広がる
    アンディ・ウィアーの世界に
    大いに期待したい。

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