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- / ISBN・EAN: 4517331042679
感想・レビュー・書評
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芥川賞作家・綿矢りさによる同名小説の映画化で、恋愛経験のない主人公のOLが2つの恋に悩み暴走する様を、松岡茉優の映画初主演で描くコメディ?のようで、意外とシリアスな青春ラブストーリーみたいな作品。
作家、綿矢さんは、かなり癖になるような作品の多い好きな作家さんだ!しかしながら、まだこの原作は読んでおらず先に映画化されたものを観たけど、やはり、綿矢さんらしい内容がツボにハマる。
主演女優の松岡美優さんは、実は、そんなに好きな女優さんではなかったのだけれど…一人芝居、喜怒哀楽の表現が上手いですね〜(見直しました!思わず感情移入してしまった。)
一人ミュージカルみたいなところは、かなり驚いたけど!(◎_◎;)笑 本の中ではどんな表現になってたのか興味がある。
何だか、懐かしい気分にもさせてくれた主人公のヨシカの心の動き(浮き沈みというか)
奥手なのか内弁慶的な性格なのか…内向的ともまた違うような、この年頃の妄想とあっけからんとしたような彼女。展開される現実が、怖いけど、普通の一般的な女性に紛れ込もうとしている。感受性やずっと変わらないでいたい気持ちと相手との距離感を埋められず寂しいと感じる事とか、ひっくるめて、今の自分を探ってる感じがまるで心象風景を見ているように思えた。
中学校時代の初恋の人って、
いつまでも純粋で美しいものと捉えがちだよね〜って頷く思いがしました(^_^;)
中学校時代の好きな男の子が「イチ」で
OL時代に知り合った男の子が「ニ」って失礼な話だけど、綿矢さんらしい発想だなって妙に感動した(^^;;
私自身も滅茶苦茶、奥手な人間なのに…
そうねぇ、中学生の頃に好きだった片想い君は”神”ってくらいの神聖な存在だって気がする、、ま、実際は気がしただけだったけどね(-。-;
大人になって再会した時は、あの頃の初々しいビクビクしながらも純粋に追っていた気持ちは何だったんだ!(お互いに)って思えるくらい、いきなり時計の針が勢いよく回った感覚があった(誰しもそんなものなのか〜?知らんけど…。)
OL時代は自分を大きく見せようとイキがっていた気もする クールに常にまわりの男友達とも連帯感が大切でグループ同士の付き合いが幅を利かせてたように思う(クールだって〜(" ̄д ̄)!孤立するのが怖かっただけじゃない‼︎)グループで連んじゃったりしてたら、その中に好きかもしれない?なんて恋愛感情を抱いた人がいても、決して自分の想いを本人に言うことなんて出来なかった!グループの仲間意識にひびが入りそうで…(・・;)
バカバカしい!( ̄^ ̄)そう思えたら大人になった!(なんて嘘だけど…)
好きな人に告白するのは昔から苦手だし、自分を無理に繕おうとすると、自分が自分でなくなる感覚で妙な言動に出てしまう。
この作品を観てたら、そんなヘンテコな自分の姿が蘇ってくるような恥ずかしい気持ちと共感する思いが湧き上がって、淡い擬似恋愛した気分になった(*^^*)
昔?の記憶の中に…
グループ仲間の男の子が「hiromidaニって俺のこと異性って思ってないだろ⁉︎」って言われた「え〜!今更…そっちだって思ってないでしょ!」って笑って返したら「…。」
しばらく沈黙があって「そっか、分かった。」って言われた、 (エッ(・・;)何が分かったのよ〜と心の声が呟く)いつまでも、グループで群れてる場合じゃない…。 時の流れが現実味を帯びて寂しい感覚になった(´;ω;`)
まるで、ヨシカが「イチ」と再会して、
「イチって昔から、君って呼ぶ人だっけ?」 って言った感覚に似てる。
名前を覚えられてもいない気づきはリアルに現実の時間に引き戻される。
少しネタバレ抜粋…
OLのヨシカは同期の「ニ」からの突然の告白に「人生で初めて告られた!」とテンションがあがるが、「ニ」との関係にいまいち乗り切れず、中学時代から同級生の「イチ」への思いもいまだに引きずり続けていた。
一方的な脳内の片思いとリアルな恋愛の同時進行に、恋愛ド素人のヨシカは「私には彼氏が2人いる」と彼女なりに頭を悩ませていた。そんな中で「一目でいいから、今のイチに会って前のめりに死んでいこう」という奇妙な動機から、ありえない嘘をついて同窓会を計画。やがてヨシカとイチの再会の日が訪れるが……。
原作:綿矢りさ(芥川賞作家)
出演:松岡茉優、渡辺大知(黒猫チェルシー)、石橋杏奈、北村匠海(DISH//)、古舘寛治、片桐はいり 他
監督は「でーれーガールズ」の大九明子。2017年・第30回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品され、観客賞を受賞。
なかなか、面白かった!
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潔いタイトルと松岡茉優さんのファンなので気になっている映画です。「万引き家族」で違った茉優さんに出会えました!潔いタイトルと松岡茉優さんのファンなので気になっている映画です。「万引き家族」で違った茉優さんに出会えました!2018/07/06
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しずくさん、コメントありがとうございます!
この映画、松岡さんの魅力全開でした!松岡さんファンの方なら是非。
タイトルも目を引きますよね...しずくさん、コメントありがとうございます!
この映画、松岡さんの魅力全開でした!松岡さんファンの方なら是非。
タイトルも目を引きますよね。どういうことなんだろうって。
松岡さんが『万引き家族』にも出演しているのを発見したときは嬉しかったです。
未見なのですが、ものすごーく楽しみです♪2018/07/06
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2017年公開作品。テンポが、すごく良いです。松岡茉優さんの喜怒哀楽が目をひきます。凄い才能を感じました。相当に拗れた主人公を見事に演じてます。主人公の拗れ具合が過去に見たことがあるように思ったのですが、「私をくいとめて」と同じ方の監督作品なんですね。脇を固める俳優さんも、いい味出してます。面白い作品です。
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ファンである松岡茉優さんが主演しているのと「勝手にふるえてろ」のタイトルに惹かれてチョイス。
ヨシカは発達障害かな? 最近は生き辛い主人公たちが本当に多いこと! 序盤ではヨシカがバスの乗客や釣りをしているおっさん、カフェのウェイトレスと意気投合して誰とでも気楽におしゃべりしている場面があったが、妙にテンションが高すぎて不自然とは思っていた。ヨシカは職場の同期である二に告白されるが、彼女の心の中には中学時代から片思いしている同級生イチが居続けている。ヨシカは絶滅危惧種が好きでアンモナイトをネットで購入したりもしている。
ヨシカは実際は序盤に描かれたように誰とでも話せていたのではなく不器用なヒロインで、あのシーンは願望だったのだと終盤になるに従い分かって来た。
ラストで、待ちに待った「勝手にふるえてろ」のセリフが使われる。
ヨシカは自分をすべて受け入れてくれるニとやっていこうと決心したのだろう。「勝手にふるえてろ」と言ってニにキスをする。「勝手にふるえてろ!」は二に向けたのではなく、臆病だった自身に言った言葉だったのだ。 -
わたしの世界の王子様
東京で経理の仕事をしているヨシカ(松岡茉優)は中学生の時から思い続けている相手・イチ(北村匠)が居た。卒業以来会ったことはなく、脳内で個人的イチ名シーンを再生しては思い出と恋心にひたる。そんな毎日が続いていた。
そこに、社内でヨシカを気にかける二(渡辺大知)という会社の同期が現れる。
二と追いかけられる恋を楽しむか、イチを追いかけ続けるか。
そんな甘い状況だけ聞くとただのラブコメに聞こえてしまうが、この作品の闇は深い。
学生時代は根暗。
大人になった今でも絶滅した動物を朝まででも調べて楽しむようなヨシカは、街で会う人たちと妄想の中で楽しく会話をする。
自分に興味を持ってくれる存在を自ら作り出したヨシカとは裏腹に、再会したイチは今も皆んなから気にされる存在。
その住む世界の違いに圧倒されながらも、イチの世界に入り込むチャンスが訪れる。
名前の無いイチにかけられた、"心無い言葉"。
大切にしてこなかったものに大切にされることはない。
しかし、大切にしてくれるものだけを大切にするべきなのか、
考えさせられる内容だった。 -
凄い評判良かったので楽しみだったんですが期待しすぎたかな。
主人公の妄想についていけない時があった。
またずっと好きだった人との再会後のお話は見てるこちらも精神的にきた。
松岡さんや、その他の出演者さんの演技はとても良かったと思います。 -
2018年9月2日鑑賞。シンガポール行きの機内にて。妄想OLヨシカの「イチ」への中学時代からの恋と、デリカシーのない同僚「ニ」からの告白の行方は。原作も面白かったが映画もよかった、観終わるとこの役は松岡茉優以外には考えられない、ドハマリぶりというか彼女の演技力・表情や佇まい、存在感に目を奪われた。(涙まで流してしまった)なんか、ドラマや映画で人気の女優が役を演じている、という感じじゃなくて「実在の人が懊悩するさまを覗き見ている」という感じにさせられるところがすごい…。原作をアレンジした、妙な対話や唐突なミュージカル風の演出も観ているときの「???」感含め嫌味でなく楽しめた。男の子二人もまさにイメージ通り、という感じ。日本映画はまだまだ面白い。