月の満ち欠け [Kindle]

著者 :
  • 岩波書店
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感想・レビュー・書評

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  • 輪廻転生ものとでもいうのか。
    瑠璃と三角、小山内と梢という2組のラブストーリー。

    愛は時空をも超える。
    確かに良い話で、次どうなるかが気になり一気に読み切りました。

    ただいろいろと気になるところもあり、めでたしめでたしと手放しで喜べる話でもないです。自分の子供は一体誰なのか?年齢差がありすぎる状態での再会は今後どうなるのか?

    新たな悩みが増えそうで、自分はモヤっとしました。死というものを改めて考えさせられました。

  • 輪廻転生の話。
    面白くて一気に読めてしまった。
    主人公が最後に自問するあたり、そういうことがもしかしたらあるかもなと思わせられました。

  • るり が好きな人と会うために、
    前世の記憶を持って生まれる話。

    私も娘がいますが、
    もし娘が前世の記憶を持って、
    知らないおじさんに、会いたいと言ったら
    ひくなー笑

    前世はあると思いますが、
    記憶は消されて正解です。
    知らないから、いい世界だと思う!

    純粋なラブストーリーとおもいきや、
    父親の私としては、複雑です笑

    「瑠璃と波瑠は照らせばひかる」

  • 生まれ変わりもの。映画化もされてたけど、あまりストーリーを知らずに読んでみた。
    今度は誰に生まれ変わって…とか人間関係がわからなくなってきて軽くメモを取ったよ。読むのが止まらないし、面白いと言えば面白いのだけど。なんか怖かった。
    生まれ変わっても愛する人に出会いたいという感じのロマンチックものだと思っていたのだけど。執念みたいなのを感じるし、何気にホラーだよ。背筋がすーっと冷たくなるような恐怖。
    だいたい、自分が産んで大事に育てていた娘が7歳で豹変して過去の記憶を持つ女性の中身になるのだとしたら、ぞっとするよね。
    私は生まれ変わらなくていいやと思った。こんなの繰り返すのしんどいし不自然だわ。まぁフィクションなんだけどね。
    とにかく思っていたのとは違って、ちょっと変わった話だったなと思いました。
    読後感もなんとも薄ら寒い…。ハッピーエンド?なのかもしれないけど、なんとなく心がざわざわしました…

  • ああ、やっと会えたね。良かったね。

  • 何度生まれ変わっても、その人の側にいたいと思える恋なんてできるのかなぁ。

    話がややこしくて疲れたけど
    どこか印象に残る小説だった。

  • 3.3 死んでもなお会いたいほど好きな人はいますか?と言うのと、自分の小さい娘の中に大人の女がいるってどうなのって思う。生まれ変わりのどんでん返しか後半にある。人が人を好きになる不思議は描けているかな。

  • 人格未熟のストーカーが時代を超えて実人生を生きる人を混乱させる物語

    オーディブルで聴きました。
    男性の方が恋愛に関してロマンティックだなと思うことが多い。それは良くも悪くもなくただの主観なのだが、今回はそのロマンティックな世界観をずっと聞かされている気分だった。

    女性のセリフ、言い回しや語尾などに
    違和感があり、舞台のような、日常から離れた...というか、文字通り台詞となっており、男性が想像で書いたような違和感に包まれ物語に集中出来なかった。

    この作者の作品は初めてということや
    予備知識でどんなジャンルの物語なのかも知らずだったので、初めは何が起こるのかワクワクしながら聴いていた。

    途中から物語の方向が見えてきて
    ミステリーでも謎解きでもなく
    誰も答えを出せないものに
    長い物語の核心を落とし込んでいくのに気づき
    不安がよぎりはじめた。

    最後まで希望を持って読んだが、落胆した。
    誰も救われない。
    思考の持って行き場を奪うテーマだった。

    瑠璃や瑠璃の夫の人格が未熟であることは
    良いとして、瑠璃自身の人格の描き方が浅くて感情移入以前に解釈すら出来ない。

    瑠璃の空虚感はどこからきているのか
    自身がそれにきちんと向き合うこともせず
    始まったばかりの恋愛の続きに執着している

    始まったばかりだ、夫とはそれなりに向き合い
    それなりに実のストーリーがある。

    瑠璃が執着する男とは多分まだ何も始まっていない、自分の空虚や未熟な人格を埋める何かを持っていたとしてもそれに気付くまで
    関係性が深まっているとは、描かれていない。
    ただの逃避にすら感じる。
    誰かに幸せにしてもらおうとしている態度が
    ぷんぷん見受けられる。

    最悪なのは未熟な人格のまま転生を繰り返すこと。ただの夢見る執着女は、夫との関係性にも責任を取らないまま、人の人生を使って、振り回し、転生を繰り返し、愛する(愛が何かもわかっていないのに)男を追いかけまわす。自分のために。もちろん相手の男の幸せについてなど考えられる余地もない。

    それはただの幼稚な執着である。
    だれも幸せにしない。
    ストーカーが時代を超えて
    実人生を生きている人を混乱させる話ではないかと苦笑する。

    メタファーのように老妻を亡くした後の鳥と老人の話が出てきたが、それとこれとは全く違う話である。

    そこでも落胆した。

    愛とか恋とか純愛とか数奇な運命とか
    科学的にはわからないこともあるとか
    奇跡とかそういう物語のジャンルではない

    もしも
    人格未熟のストーカーが時代を超えて実人生を生きる人を混乱させるホラーものだと
    いうふれこみがあったなら楽しめたかもしれない。

  • 書店に立ち寄り 普段ならあまり近寄らない「岩波文庫」の棚へ… 平積みされ「映画化」というポップ 帯にかかれていた伊坂幸太郎さんの文にひかれてぱらっとページをめくる。 

    瑠璃という女性の「生まれ変わり」が話をつなぐ 
    ~私は月のように死んで生まれ変わる~ 
    それぞれの人がそれぞれの時に… 瑠璃に出会う

    読み始めてから読了まで 先が気になって仕方なく…一気読み。
    私にとって 小説を読む醍醐味のひとつは「一気読み」
    いろいろなことから距離をおいて 没頭する感覚がたまらなく好き。

    「月の満ち欠け」読み始めたら 没頭できる1冊だと思う

  • 取っ付きは悪かったけど、加速度的にぐんぐん引き込まれた。
    ラストは涙

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著者プロフィール

1955年長崎県佐世保市生まれ。『永遠の1/2』ですばる文学賞、『鳩の撃退法』で山田風太郎賞受賞。おもな著作に『リボルバー』『Y』『ジャンプ』など。

「2016年 『まるまる、フルーツ おいしい文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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