月の満ち欠け [Kindle]

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  • 岩波書店
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感想・レビュー・書評

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  • 最近ディズニープラスで見てる、Xファイルみたいな話だと思った。
    奇妙な女の子の描写には引き込まれたけど、生まれ変わりの始まりが大学生との不倫というのはなんかちょっとなあとなっちゃった。

  • 映画化するとのことで手に取った一冊。
    生まれ変わって愛し続けると言う純愛がテーマ。
    「自分が死んだ後どうなるのか?」少しでも考えたくなった。
    前世の来世もあるという考え方は一つの考え方としてはありだと思う。来世でも同じ人を愛せる愛情はすごいが、いきすぎた愛とも捉えられる。
    個人的には、今を生きることが重要だと思うし、死んだ後のことは死んだ後考えたい。死への興味を示していたヒロインに感情移入は難しかった。

  • 映画化を知って読んでみた。

    面白くはあったけど、、、、そもそも偶然、出会って付き合った2人がそんなに深く愛せるものかなぁ??
    それもそんなに長い期間でもなく何度か逢瀬を重ねただけの2人が、、、、。

    繰り返してやり直してる方も、ずっと待っている方もそんなに長い時間の中で変わらない結びつきをもてる関係性だとは思えない。

    それならもう1組の、、、、、ならまだ、少しは理解できる。

  • Audible で聴了。
    受け入れ難い事実に対する登場人物の反応がそれぞれ興味深い。劇的な再会で物語は幕を閉じますが、瑠璃の「もしかしてどこかで生きているかもしれないよ」との叫びが思い出され、読み終わった後も、自分のなかでの物語の広がりを感じてしまいます。
    巻末の特別寄稿まで含めて、聴いて良かったなと思った1冊でした。

  • 正木瑠璃の小山内瑠璃の小沼希美の果たせなかったアキヒコくんとの再開。緑坂るりが果たせた。その瞬間長い時間をかけ生まれ変わったるりとアキヒコの時間は止まった。最後の言葉がしみる。ずっと待ってたんだよ、と。

  • 佐藤正午は『書くインタビュー2』(小学館文庫)で、成瀬巳喜男の映画『乱れ雲』について触れ、「この映画は噓をほんとうに見せるために注意深く、手間をかけて、細部にこだわって、物語を一から作り上げている」と評している。「嘘をほんとうに見せることに成功している」。まさに、この小説も、素晴らしい水準でそれを成し遂げている。「とことん醒めた目で」読むことは「不可能なのです」。
     キーワードは「瑠璃も玻璃《はり》も照らせば光る」。そして、照らすのは満ち欠けする月でなくてはならない。
     人妻の瑠璃さんと大学生のアキヒコ君の不倫関係になるのだが、不倫が不倫として重く、業になる前に、瑠璃さんは死んでしまう、彼女が、「月が満ちて欠けるように」、と言った言葉の余韻のあるうちに。しかし、宙に浮いた彼女の想いは、満ちては欠ける月のように見知らぬ女たちに乗り移り、受け継がれ、彼女たちは、その呼びかけに応じてアキヒコ君の存在を求める、聖女が一心の信仰と受苦によってイエスとの一体感を得たように。
     月の満ち欠けは地球の影によって起こる。地球は太陽に照らされ、月に影を落とし、それを地球から見ると、明るい部分しか見えない。影は不在、見えない・見たくないもの、陰部そして隠されたもの、として不全の象徴で、ケガレの要因ともいえる。自らの陰で目を曇らせ、美しきものを見えなくしてしまっている。
     地球はこの世で、月はあの世(想い)のたとえか、あの世はこの世の影で曇らせられる。
     地球という光への障害が外れ、太陽に照らされて、月は満ちて浄化され、その光で、瑠璃が美しく照らされ、その光がアキヒコ君に届けられた。

  • Audibleで読了。

    時空を超えた恋愛小説。
    限りなく現実世界でありながらも、ほんの僅かなファンタジーが潜んでいる。道ならぬ恋とは、これくらいでちょうど良いのでは。実は泥沼な痴情のもつれが小ざっぱり表現されていて私は好感が持てました。

    冒頭から大人びた、ではなく本当に大人の話し方をする謎めいた少女が登場してどんな怪綺譚が始まるのかと疑うし、気をつけていないと人物関係に振り落とされてしまう。でも最後にちゃんとまとまっていて、すっきり読み終わりました。

  • 大好きな洋ちゃんの主演映画の原作とのことで、手にしてみた。時代と人物がこれでもかというくらい絡み合って、ゆっくり話は紡がれているのだが、ジェットコースターの様相を見せる場面もあり、楽しめた。

  • 映画があると聞いて、複雑そうだから予習の意味も込めて小説を読んだ。

    うーん。ファンタジーを差し引いてもこの瑠璃という女性に共感できない。というのが率直な感想。
    純愛?これは純愛なんだろうか?
    確かに、逢いたい思いが強くて魂が受け継がれていくという話は良いけれど、それによって周囲の人を振り回しすぎで、元のご主人にしてみれば、やっと立ち直ったところに現れて、そのために犯罪者にされてしまう。仕返しのつもりだったのか?
    自分は再び生まれ変わる。希美の話でこの瑠璃という女性の身勝手さを感じずにはいられない。
    最初と最後だけならすんなり共感できた気がする。

    さらに小山内の妻もまた生まれ変わりか?と思わせる内容も出てきて、こちらは小説内では完結していないため、読んだ者が想像することとなる。

    亡くなった人ともう一度逢いたい。生まれ変わるなら、もう一度。という思いは誰しもが一度は思うだろうから、小説として良いと思うが、なぜか嫌な気持ちが残って終わってしまった。

    映画はどうだろう…

  • この物語は最後の3ページのために紡がれていたといっても過言ではないくらい、最後の場面が感動的だった。映画が公開されると知り、本を借りて読んだらさくさく読めてよかった。ときどき分かりにくい言葉回しをするなぁと思ってもそれが終盤に繋がるのでがんばって読み進めてほしい
    ただの感動系で終わるかと思いきや、終盤近くで仄めかされた「ある事実」に不穏のスパイスが落とされる
    それについてはそのまま流されるので、今後どうなるか先は読者の想像になるけど、笑えない物語が続いていそう

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著者プロフィール

1955年長崎県佐世保市生まれ。『永遠の1/2』ですばる文学賞、『鳩の撃退法』で山田風太郎賞受賞。おもな著作に『リボルバー』『Y』『ジャンプ』など。

「2016年 『まるまる、フルーツ おいしい文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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