月の満ち欠け [Kindle]

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  • 岩波書店
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感想・レビュー・書評

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  • オーディブルで一気に読んだ。続きが気になってあっという間に読了。
    るりという女の子?女性の生まれ変わり、前世の記憶を辿って愛する人の元に現れる。
    年下のレンタルビデオやさんの三角(みすみ通称さんかく)と人妻るりは時を経て巡り合う。

  • オーディブルにて。
    大切な人に会う為に 生まれ変わる。
    凄く強い愛で素敵な話ではあるけれど
    ずっと モヤモヤしたものを感じてた。
    うまれ変わりの子を産んだ 母親の
    気持ちを考えてしまう。
    自分が大変な思いをして産んだ子供は
    どこにいるんだろう?
    受け継がれたであろう 性格や話し方
    親子だなあと実感できるはずの我が子は、、、、、

    母親として ちょっと辛かった

  • 面白くて、スラスラ読めました。
    生まれかわりのお話ですが、構成が凝っていて時代が前後します。
    表紙の雰囲気と「月の満ち欠け」という題名に難しい話かと思いきや、ファンタジー色の強いストーリーだと私は感じました。

  • 既婚者である正木瑠璃がビデオ屋の店員の三角哲彦と恋に堕ち、不倫をするが、電車に轢かれて亡くなってしまう。正木瑠璃の三角哲彦を愛する強い思いから、「るり」と言う名前の女性もしくは名付けられる予定だった女性に生まれ変わり、三角哲彦に会うために試行錯誤を繰り返す。
    現実としてあり得ない話だが、小説の中では生まれ変わった正木瑠璃以外は困惑し、犯罪を犯してしまう者も現れる。ハッピーエンドとなっているが、正木瑠璃のストーカー気質で自己中心的な想いや振る舞いに恐怖を感じた。

  •  audibleで読んだ。
    映画も見たが、小説では映画で省かられたサイドストーリーも語られてあって理解が深まった。

  • 輪廻転生の物語(ファンタジー)、読み進めながら、遠藤周作の深い河を思い出しました。深い河では、亡くなる間際の奥さんの言葉を手掛かりに、遠くインドのガンジス川まで出向くが、会う事が叶わず、という展開だったかな。また、三島由紀夫の豊饒の海にも、似た展開(探しに行くが会えない)があったような。この、月の満ち欠けでは、思わぬところに(身近なところに)に転生起こり、それが誰かなのか、に気づき(教えられ)、途方に暮れる、という展開。あったら良いねというか、あったら主人公のようにかなり混乱するでしょう、という感じの物語、直木賞受賞作、★三つであります。

  • どんどん引き込まれて短時間で読み終えまた。瑠璃と言う名前がとても素敵で、そこから物語が。
    でもこういうことってあるかもしれない…そんな思いのする小説でした。

  • はじめに出てきた、瑠璃が「命」という文字ばかりを書くのは、そういう意味だったのか。

    少女が月の満ち欠けのように生まれ変わるという、完全なフィクションではあるが、とても引き込まれた。
    もしかしたら、現実世界にこういうことは本当に起こってたりするのかも、、、とも。

    最後は会えたんだね。哲彦くんに。

    他にも生まれ変わりはいるかもしれないということは、真崎は正木の生まれ変わりなのか…?

  • Audibleで。

    朗読が自分のイメージと違う作り方で、セリフの多い作品ということもあって、聞いていて辛い部分が多々あり。ストーリーや描写・表現も私には深みが感じられなかった。それでも、最後まで挫折せず聞き終えられたのは、私が気づいていない何らかの魅力がある作品だからなのか?

  • 前世の記憶を持つ一人の女性を巡る数奇な物語。主人公の壮年の男が愚鈍で独白を追うのにやや苛立ちを感じはしたものの、亡き娘の記憶を保持する人間を見た普通の人のリアクションとしては満点で、安易に信じず、かといって疑うのも憚られるという匙加減はあまりにもリアル。

    文章は写実的かつ説明的ではあるが、ストーリーテリングは中々のものであり、リーダビリティはそれなりに高い。しかしながらその説明口調が運命的なラブストーリーとしてはやや情緒に欠ける印象があるのも事実で、ドラマ性はそこまで感じなかった。と、いうのも主目的である再会の大元となった物語と比較すると、他の世代の物語はその過程に過ぎず、言葉こそ悪いが踏み台のように感じてしまったせいかもしれない。転生自体、本来生まれ歩むべきはずだった人間の人生を抹消してるのと同義であり、そこに対する言及がなかったのも個人的には少し思う部分がある。

    しかしながら佐藤正午の語り口は個人的には好みであり、こうしたどう転ぶかわからない現代の不思議な物語を書かせたら天下一品ではあるし、久々の佐藤正午作品は読書リハビリとしてはちょうどよかった

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著者プロフィール

1955年長崎県佐世保市生まれ。『永遠の1/2』ですばる文学賞、『鳩の撃退法』で山田風太郎賞受賞。おもな著作に『リボルバー』『Y』『ジャンプ』など。

「2016年 『まるまる、フルーツ おいしい文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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