上級国民/下級国民(小学館新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 国民に上級も下級もあるか、くだらない分裂と陰謀論しか生まない馬鹿な言葉だ、と思っているのでタイトルから読もうか迷っていた。が、橘氏の本はどれも面白いので読みはしめた。面白かった。
    弱者男性。男性差別。馬鹿らしいアンチフェミの造語のようだが、読んでみると、なるほど、面白い分析だ。
    同著者の「バカと無知」を読んでから本書の男女の考え方の違いを読むとさらに面白いと思う。

  • 現象の背景を知ることにより、社会構造を理解することができた。

  • 貧富の差って途上国ではすごく顕著だけど、日本にだってあるわけで。
    日本の貧困層って海外と違って都市で物乞いをするようなタイプではないので、可視化しづらいのはあるかもしれない。でも幸福度という尺度を使えば学歴で確実に差があるのが現実。
    なぜ上級国民、下級国民のような分断が起きるのか、戦後の日本経済が歩んできた歴史をかなり深いところから分析していて面白かった。
    また日本だけでなくアメリカをはじめ世界の人々の格差にも踏み込んでいた。
    右とか左とか、正直政治のことはあまり知識がないのだけど、すごくわかりやすかった。
    人類の歴史を長いスパンで見れば、やはり今の世の中って色んな意味で異常だってこともよくわかった。
    生きていく上で何が正しいのか、余計によく分からなくなったのが正直なところだけど、視野はすごく広がった。

  • 図書館の電子書籍で。マジョリティの分断という考察。大卒か否か。教育の本質は格差拡大装置。教育を受けて現在の状況を打破する。教育の自由化と一般化はstautsの変更可能性を提供。富と性愛の分配。性愛のマネタイズ=エロス資本。知識社会化・リベラル化・グローバル化⇒究極の自己責任社会(自由で個別)。自分の自由を保障するために相手の自由も保障する。法に触れていなければ好きにすればいい。結果は自分で引き受けよ。先進国のベーシックインカムは国籍管理=排外性。生活が保障されても性愛は分配されない。いつかは知識社会も窮まって,別のステージへ。運と自由について考えさせられた。

  • 私はもちろん下級国民だと思う

  • 現代が知能差によって分断され、上級と下級に二極化していると主張する一冊。近代史の流れやグローバルな状況など、知っていると役に立ちそうなことが随所に書かれています。

    ---
    PART1 下級国民の誕生
    平成の30年間で日本はどんどん貧乏に
    日本のサラリーマンは世界一会社が嫌い
    平成の労働市場は団塊の世代の雇用を守り、若者の雇用を破壊してきた
    働き方改革は団塊の世代が引退したから進んだ

    PART2 モテと非モテの分断
    現代社会は学歴によって分断
    女性の方が幸福度が強い
    男性の方が不安定性が大きい
    男がモテる要素は金と権力、女は若さ

    PART3 世界を揺るがす上級/下級の分断
    農業革命が人口爆発、産業革命が豊かさの爆発
    前期近代は領土を求めて争いが行われた
    戦後は経済成長が争いのテーマ
    後期近代は自分の人生を自由に選択可能になった
    知識社会化・リベラル化・グローバル化
    リベラル化=自己責任
    市場が大きくなると格差が広がる

  • ・嫌韓・反中のネトウヨは「日本人アイデンティティ主義者」であり、日本人であること以外に誇るものがないものたちである。
    ・現代社会では、知能で分断されており、知能が低いものは脆弱なアイデンティティしか持てなくなり、名目上はマジョリティだが意識の上では「社会的弱者」であり、だからこそ自分より弱いマイノリティに激しい憎悪を向ける。
    ・「ポピュリズム」とは「下級国民による知識社会への抵抗運動」
    ・サイバーリバタリアン「右派」;個人の自由な選択を尊重。行動経済学に基づいて、人が無意識に合理的な行動をするように環境を設計する。⇦漸進主義であり、巨大な社会の分断は解決できない。
    ・サイバーリバタリアン「左派」;ユニバーサル・ベーシックインカム⇦貧困国の経済合理的な選択で富裕国のベーシックインカムは破綻する。世界に膨大な数の貧困層がいることで成立しない
    ・仮にベーシックインカムが成立したとすれば、そこは「モテ/非モテ」問題が顕在化する=少数のモテ男が女を独占する

  • かなり辛辣ですが事実が淡々と書かれている、という気がします。平成は、団塊世代の雇用を守るための30年間。令和の前半は、団塊世代の年金を守るための20年になる。そして持久戦を繰り返し(ひたすら対症療法を繰り返し)、日本が生き残ることが出来て、2040年を迎えることが出来れば、高齢化率が徐々に下がり始める、と。リベラル化することで実現される、身も蓋もない世界(次作の無理げーに繋がる世界)が、橘玲さんの淡々とした筆致で描かれております。☆四つであります。

  • 割と面白く読めた
    上級、下級とはモテと非モテである。
    本能的な部分としてもきっとそうだろうと理解できる。
    そうした社会で生きていくには現状への適合か他者評価の2択なのだという。
    BIは導入してもより悪化を招くばかりで自ら生きていくにはそれしかないのだろう。

  • トランプ政権人気の理由、ブレクシット、ボボスなど現在世界中で起きていることやポピュリズム台頭の理由がよくわかった。「それしか誇るものがない人たち」にとってはそれが合理的。著者の著書の中でもかなり好き。

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著者プロフィール

2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)、『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』『橘玲の中国私論』(以上ダイヤモンド社)『「言ってはいけない? --残酷すぎる真実』(新潮新書)などがある。メルマガ『世の中の仕組みと人生のデザイン』配信など精力的に活動の場を広げている。

「2023年 『シンプルで合理的な人生設計』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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