邪魅の雫 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社 (2006年9月27日発売)
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本棚登録 : 3492
感想 : 417
5

自分の質量と世界の質量。
これは言うまでもなく
世界の質量が勝る。

世界と言う広大な物に対し
個人はあまりに矮小な物だが、
僕はどうだろう。

どんな本を読んでも
どんな話を聞いても
どんな映画を観ても
僕は僕というフィルター越しでしか
世界を感じることが出来ない。

つまりどんなに広大な世界も
僕からすれば、
僕フィルターを通した
「僕の世界」と言うことになる。

そこで僕は、
「言うまでもない」世界と僕の関係性を見失う。

そんなあなたに「邪魅の雫」

京極堂の騙りが
読む人の世界と個人の関係を整える。
今まで以上に
憑き物落しの作法が理解し易い作品。

そして、もう一つのテーマは
「ばかやろう」
登場人物の莫迦さに苛々してると
自分の莫迦さに気付かされるよ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エンタテイメント
感想投稿日 : 2011年3月22日
読了日 : 2010年9月4日
本棚登録日 : 2011年3月22日

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