漫画「こち亀」の日本推理作家協会に所属する作家さんによるアンソロジー小説集。
何より京極夏彦さんが書いてるというのに目が引かれたが、トップの大沢在昌さんも含めて、そうそうたる面々である。
大沢在昌さんのあとがきにあるように「伝家の宝刀ともいえる自身の人気キャラクターを惜しげなく投入」した作品も多いが、その上で「こち亀」の雰囲気が感じられるのが、さすがというところである。
個人的によかったのは、今野敏さん、東野圭吾さん、京極夏彦さん。今野敏さんの「キング・タイガー」は、ウンチクや細かな描写が、正に「こち亀」の雰囲気。ほとんど両さんも出てこないのに、これはすごい。東野圭吾さんは、乱歩賞という作家のネタで、「こち亀」を書くという点もおもしろいが、両さんの暴れっぷりもよい。京極夏彦さんは、細かいネタもさることながら、大原部長と丸井で話を進めてくという点がおもしろい。京極作品としては、バカ話に持っていきながらも、話がきちんと落とすと、よくできてるなという感じです。サクッと京極堂シリーズの後日譚にもなっていて、ニヤッとしました。
他の作家さんも、元ネタの作品も読んでみたくなる作品で楽しめました。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年7月13日
- 読了日 : 2019年7月13日
- 本棚登録日 : 2019年6月29日
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