とてもいい感じでした!
どなたにも、オススメできます~。
この作者にしては珍しい?画期的ほのぼの系(変な表現ですが)
といっても‥
どんな悩みの相談にも乗るナミヤ雑貨店。
その仕組みとは‥?
ナミヤ雑貨店の主人・浪矢老人が、店名との洒落で始めた事だった。
子供からの無邪気で調子のいい相談が多かったのだが。
ある夜、金を盗んで逃走中の若者3人組が、廃屋に逃げ込む。
雑貨店だったらしい建物の中には、40年も前の雑誌などがあった。
郵便受けに「初めて相談します」という手紙が投げ込まれ、面白半分に返事を書いて牛乳箱に入れる。
すぐに返事があり、それもとても真摯に受け止められていた‥
不思議に思いつつも、また返事を書きたくなる彼ら。
オリンピック出場を目指している選手だが、恋人が重い病気のため、看病に専念するかどうか悩んでいるという女性。
歌手を目指したが目が出ず、家業を継ぐかどうか、迷っている青年。
妻子持ちの男性の子を妊娠してしまったという女性。
親が借金を抱えて夜逃げしようとしている男の子。
養い親を助けるため、水商売を続けようかと考える若い娘。
ナミヤ雑貨店の主の息子は、老いた父親にある頼み事をされる。
三十三回忌のときに、一度だけ、悩み相談を復活してほしいというのだ。
そして、昭和から平成へと、年月は進み、日本の様子も変わっていく‥
不思議な連鎖が起きるエピソードのたたみかけ方が上手く、現実味のある相談と、ちょっとしたユーモアで、飽きさせません。
すべてがハッピーエンドというわけではなく、切なさや思いがけない展開もありますが。
読後感は良いですよ。
人の関わり方はけっこうややこしいので、再読にも耐える内容。
いつかまた読むのが楽しみです。
- 感想投稿日 : 2013年5月4日
- 読了日 : 2013年4月23日
- 本棚登録日 : 2013年4月24日
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