-
きみはなぜ働くか。: 渡邉美樹が贈る88の言葉
- 渡邉美樹
- 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 / 2006年9月1日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
書いてあることはすべからく作者の想いのこもった言葉。感じ入ることも多かった反面、この本がワタミグループ社員及びアルバイトの人達へのビデオレターを集めたところだというところに、ワタミが抱えている問題を見てしまった気がする。
自分にとっては、ワタミは他の居酒屋とさほど変わりない印象があった。この作者の想いがちゃんと現場に伝わっているのなら、その印象は格段に違うはず。つまりは「教育」の問題なのだろう。その想いがエリアマネージャーや店長にしっかり伝わっていないからこそ、もしくはその店長たちから現場に働いている一人一人に浸透していないからこそ、差別化がはかれていないことを逆に浮き彫りにしてしまった感がある一冊。3万人も働く会社になったそうだが、会社の足下をもう一度見つめ直すべきでは?。
2011年9月21日
-
自分は死なないと思っているヒトへ―知の毒 (だいわ文庫)
- 養老孟司
- 大和書房 / 2006年12月10日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
おっしゃってることはごもっともですが、僕には合いません。
学者さんが「死」という「自然」を語ると、こうも論理的になるものかと思います。
複数の講演会をまとめた内容になっているので、持論が3回も4回も出てくることに、中途で飽きが出てきます。やっと読み終わった、と言う感じ。
正直、最初の一編のみ読めば充分という感じです。
2011年9月8日
-
笑う警官 (ハルキ文庫 さ 9-2)
- 佐々木譲
- 角川春樹事務所 / 2007年5月1日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
映画化もされたサスペンス。
2002年に実際に起こった北海道警の事件を元に作られたフィクションだが、終盤の緊迫感の描写は素晴らしい。
警察小説の面白さは堪能できる一作。
もう少し登場人物のキャラが立ってくると、より読みやすかったかも知れない。
2011年9月21日
-
空の上で本当にあった心温まる物語 (心温まる物語シリーズ)
- 三枝理枝子
- あさ出版 / 2010年10月25日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
あっという間に読めてしまいました。涙腺の弱い人は、電車の中とかでは読まない方がいいでしょう(笑)。
ANA流の「おせっかい文化」の様々なエピソードではありますが、そこに書いてあるのは決してイヤな意味での「おせっかい」には感じません。当然CAの方々にもその「おせっかい」には「一歩入り込む勇気」が求められているでしょう。
その勇気を出したことによるハートフルストーリー。
素直に「ステキ」だと思います。
2011年8月24日
-
新版 チェルノブイリ診療記 福島原発事故への黙示 (新潮文庫)
- 菅谷昭
- 新潮社 / 2011年7月1日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
まさに今読まれるべきだろう内容。
菅谷先生は福島原発事故後、懸念される内部被爆等について、松本市長としての立場で記者会見でお話しされているが、それはこのチャルノブイリでの経験があってこそ。事実菅谷先生の懸念通りに、様々な現象が今になって起こってきている。
「福島はチャルノブイリとは違う」などと、眼を逸らしている場合ではない。チャルノブイリの周辺住民も、自分の国の政府が事実を隠蔽をしているなどとは思ってもいなかったはずだ。今の日本政府の対応を、菅谷先生は「新版に寄せて」という分の中で、痛烈に批判している。
結局、同じ過ちを繰り返そうとしているのだ。
自分たちも覚悟すること。
そして「自分には何ができるのか?。」を脳みそから血が出るぐらいの想いで考えること。
それを思い知らされた一冊でした。
2011年8月21日
-
典子44歳 いま、伝えたい 「典子は、今」あれから25年
- 白井のり子
- 光文社 / 2006年5月24日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
自分の人生に影響を与えた人の一人である辻典子さん。
30年前に公開された映画「典子は今、」の主人公。サリドマイド薬禍によって、両腕が肩からないまま産まれてきた少女の半生を描いた映画で、高校生だった僕は何度も何度もその映画を見て、福祉の仕事を志した。結果、福祉の仕事に進まない決断をしたのだが、映画の中で明るく自分の未来を切り開こうとする典子さんの笑顔は、忘れることはなかった。
その主人公であり、今は講演活動を始められた白井のり子さんの本。映画の中の「典子」と現実の「のり子」との間で悩み苦しみ、それでも自分が同じ境遇の人達に希望を与えられる存在であると再認識するまでのドラマは、当事者でなければわからない。
それでも「わたくしは障害者ではありません」と言い切る彼女の強さに脱帽。
2011年9月2日
-
Missing (双葉文庫 ほ 6-1)
- 本多孝好
- 双葉社 / 2001年11月1日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
どことなくミステリータッチながら、クールさの裏にある「人としての温かさ」が、この作者の魅力であることが、この短編集で再確認。ドロドロしたテーマながら、主人公の温かさに救われる「祈灯」は秀逸。
2010年3月17日